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なぜ「謝罪」するのか その2──外務官僚の無知が歴史を誤らせる [韓国]

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なぜ「謝罪」するのか その2
──外務官僚の無知が歴史を誤らせる
(「神社新報」平成11年4月12日号から)
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 昨秋の日韓首脳会談で、日本は「過去」への「反省」と「お詫び」を繰り返し、「謝罪」は共同宣言に明文化されたが、政府が「謝罪」を選んだ理由は何だろうか。

 前回は、政策の背後にことさらに自己の非を認め、詫びて、和を実現しようとする日本的な儒教倫理の存在と、力が支配する国際政治にこれを持ち込む愚昧を指摘したが、問題はそればかりではないだろう。


▽金大中と一致する外務省関係者の歴史認識

 ある外務省関係者は「謝罪」の理由をこう語っている。

「日本は併合時代、感謝されるような立派なことをしたか。すべてが悪かったとはいわないが、反省すべき点が多かった。たとえば創氏改名などで苦痛を与えたのは事実だ」

「創氏改名」の例を挙げたので、「どういう歴史だと考えるのですか?」と問うと、「韓国には祖先崇拝の深い伝統があるのに、それを哀れむことなく強制した」と答えた。

 どこかで聞いたような理解だと思ったら、金大中大統領の『新しき出発のために』という著書に、『韓国人が生命と同様に尊重する姓を日本式に改名させ……』というくだりがあったのを思い出した。不思議に歴史認識が一致している。

「創氏改名」は韓国風の姓名を日本風に強制的に変更すること、というのが従来からの一般的な理解だが、最近の研究では否定的だ。

 たとえば在日の研究者・金英達氏は、「創氏」とは朝鮮の家族制度を「家」制度に再編するため、家の称号である「氏」を創設することであり、男子血統の記号である朝鮮の「姓」や本貫が廃止されることではなかった、とする。

 金氏は「創氏改名」のイメージが2つの方向から歪められてきた。1つは植民地支配を正当化し、「強制」を否定する欺瞞、もうひとつは「創氏改名」による精神的ダメージを強調し、政策に協力し屈服した朝鮮人の姿を隠蔽する傾向である、とも述べている(金英達『創氏改名の研究』)。

「在日の研究者が、あなたのような理解に否定的ですね」といったら、外務省関係者は黙ってしまった。金英達氏の名前も研究も知らないらしい。


▽「謝罪」すべきでない歴史が明らかになったら?

──金大中氏は自叙伝のなかで日本人の歴史認識を批判し、イギリスやフランスは植民地の人々に姓を変えろと命令したか、言語を奪い、歴史の抹殺を図ったか、若者を徴兵徴用し、若い女性を慰安婦にしたか、宮城遥拝を強制したか。同じ「戦争犯罪国家」でもドイツは徹底的に反省したが、日本はまったく違う、と述べていますが、日本政府も同様の認識から「謝罪」したのですか?

 そう言いかけて、思いとどまった。「創氏改名」の例で、「歴史理解」の程度が十分、推察できたからだ。

 日本にまったく非がなかったと強弁しても始まらないが、少なくとも歴史を客観的に検証することを抜きにして、一方的に「謝罪」することは過去、現在、未来の国民に対して、無責任きわまりないというべきではないか。観念的な理解では、歴史の教訓も見出せまい。

「歴史は主観の問題だ。韓国には『怨念』があって、なかなか客観的立場に立てない。従来の日韓の交渉は感情論に終始した。けれども韓国も平和的な政権交代ができるようになり、経済力もついて、客観的で冷静な議論ができるようになった。そんな韓国を温かく見守るべきではないか」

 関係者はこうも語るが、きれいごとではないか。温かく見守るのはけっこうだが、他国を思いやる優しさが「歴史」に無知な外務官僚の逃げ口上にされてはかなわない。

──将来、韓国側の歴史認識がより客観的になり、日本が謝罪すべきでない歴史が明らかになったら、この共同宣言はどう評価されるんでしょうね。

「もしそうなれば、見直されることになると思う」

 政府による外交がすべてではないし、完全無欠な外交などあり得ないが、最初から明白なほころびが見えるのはいかがなものか。

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