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日本の政治家は金大中氏を見習うべし ──隣国に対して、堂々と歴史を論じ、理念を語れ [日韓関係]

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日本の政治家は金大中氏を見習うべし
──隣国に対して、堂々と歴史を論じ、理念を語れ
(「神社新報」平成11年5月17日)
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 韓国の金大中大統領(当時)は昨秋(平成10年秋)、日本を訪問したおり、国会でこう演説した。
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「歴史的に日本と韓国の関係が不幸だったのは、約400年前に日本が韓国を侵略した7年間と、今世紀(20世紀)初めの植民地支配35年間があります。
 わずか50年にも満たない不幸な歴史のために、1500年にわたる交流と協力の歴史全体を無意味ならしめるということは、じつに愚かなことであります。
 またそれは、長久な交流の歴史を築いてきた両国の先祖に、そして将来の子孫に対して恥ずかしく、かつ、指弾されるべきことではないでしょうか」

 しかし、秀吉の朝鮮出兵についていえば、慶長14(1609)年の己酉条約で和議が成立しているはずで、400年後の現代に持ち出すことこそ恥ずべきではないのか。日韓併合時代についても、昭和40年の国交正常化ですでに決着したはずだ。

 報道によれば、特別随行員として来日した、大統領のブレーン・高麗大学の崔相龍教授は、大統領がもっとも神経を使ったのがこの国会演説で、日本の国民感情を傷つけないようギリギリの努力をした。「壬申倭乱」には言及したが、「秀吉」の名前はあえて出さなかった、と説明している。

 また、宮中晩餐会で大統領は「過去」に触れなかった。共同宣言に「過去」を盛り込もうとしたのは、日本を責めるためではなく、韓国民を説得するためだ、と崔教授は語ったという。

 しかし大統領自身は、帰国後の記者会見で、「今後は日本政府の責任ある人々は共同宣言に制約される。これに外れる発言は容認しない」とクギを刺した。

「正しい歴史認識」などと正義の小旗を振る一方で、「過去」の認識に政治的なタガをはめ、客観的歴史検証の試みすら否定する結果になっているように記者には見える。

 大統領は「それ(政治関係者)以外の人の発言に鋭敏に反応する必要はない」とさえ語っている。

 しかし、恥ずべきなのは、金大中氏ではなく、むしろ日本の政治家の方だろう。

 日本政府が「謝罪」外交を繰り返す要因となっているものに、閣僚の「妄言」がある。

 昭和59年9月、全斗煥氏が韓国大統領として初来日したとき、中曽根首相は歓迎昼食会で「過ちに対し、深い遺憾の念を覚える」と語ったが、その2年後、現職閣僚が「日韓併合は韓国側にも責任がある」と雑誌で発言し、ケチがついた。その後の経緯はご承知の通りである。

 この記事を書くに当たって、

「(先の大戦が)侵略かどうかは考え方の問題だ」

「植民地時代に日本は韓国に良いこともした」

 という発言が「妄言」とされ、韓国などから批判を浴びた元閣僚たちに取材を申し込んだ。一議員としてあらためて真意を語ってほしいと願ったからだが、応じてくれた政治家はいなかった。

 堂々と歴史を論じ、隣国への、そしてアジアへの熱い思いを語る勇気はないのだろうか。せめて書いたものはないかと思って調べてみたが、1冊の著作も見当たらない。驚いた。

 内容はべつにして、金大中氏は10冊もの自著を日本で出版している。「金大中ものは売れる」という日本の出版事情は抜きにしても、多くの著作を著し、歴史を論じ、理念を語り、自国民のみならず隣国の読者に訴えようとする政治家としての意気込みには頭が下がる。

 これに対して、韓国で何冊もの著作を発表し、韓国民に対して持論を訴え続けようとする政治家が、日本にいるだろうか。

 日本の政治家は恐れることなく、アジアに、そして世界に呼びかける言葉を今の時代にこそ、持つべきではないか。

 そもそも「妄言」批判されて黙り込むのは無責任であり、いやしくも国家指導者の採るべき態度ではあるまい。不屈の政治家ともいわれる金大中氏を見習うべきではないか。

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