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マザー・テレサが「福者」に──今後は「列聖」のための調査も [キリスト教]

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マザー・テレサが「福者」に
──今後は「列聖」のための調査も
(「神社新報」平成15年11月10日号から)
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 インド・カルカッタで貧困者たちの救済に生涯を捧げ、ノーベル平和賞を受賞、六年前に八十七歳で死去したカトリック修道女マザー・テレサを「聖者」の前段階の「福者」に列する「列福式」が(平成15年)十月十九日、バチカンで行はれた。

 通常は死後五年以上過ぎてから審査が始まり、「列福」までに数十年かかるのを、今回は法皇ヨハネ・パウロ二世の強い希望で死後三年といふ異例の早さで審査が開始された。死後六年での「列福」は「史上最速」と伝へられる。


▽ 「奇蹟」が認められ

 カトリックでは徳のある行為や殉教によって信仰の規範を示した信徒に死後、「聖者」の称号を与へてゐる。「聖者」の前段階が「福者」とされ、「聖人」か否かは神自身が「奇蹟」によって証明する。教会は慎重な態度でこの証明を待つのだ、と説明されてゐる。

 長崎の「二十六聖人」の場合、慶長元年(一五九七)の磔刑から七年後の同八年に京阪地域のキリシタンから「列聖」の嘆願書が提出され、一六一六年に法王庁の調査が始まり、十数年後、法皇は「殉教者」のためのミサをあげることを許可し、「列福」の栄誉を与へた。処刑のときに十字架上に火の柱が出現し、夜なのに周囲が明るくなった。処刑者の遺体が腐らなかった、といふ「奇蹟」が理由とされた。

 しかしアジアで最初の「列聖」は二百六十五年後の一八六二年。「列聖」のための本調査が許可されながら、「積極的な措置がとられなかった」といはれ、幕末になって「列聖」が促進された。

 マザー・テレサの場合、インド人女性の「マザーに祈ったら、お腹の腫瘍が消えた」といふ証言が採用され、「列福」したといふ。「慈善の具現」と法皇が呼んだマザー・テレサだが、今後、「列聖」に向けての調査も始まるらしい。


▽ いづれ高山右近も?

「列福」「列聖」を重視するヨハネ・パウロ二世の時代になって、「福者」「聖人」の件数は目立って増えてゐる。現在、バチカンでは約二千二百件の「列聖」審査が進められてをり、そのなかには日本のキリシタン大名高山右近や江戸期禁教下の「殉教者」たちも含まれてゐるといふ。

タグ:キリスト教
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