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韓国はなぜ和解しようとしないのか [韓国]

以下は旧・斎藤吉久のブログ(2006年4月25日)からの転載です

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韓国はなぜ和解しようとしないのか
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 朝日新聞がきのうから、「新戦略を求めて」というシリーズをスタートさせました。
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 今日の朝刊には「米・欧・アジアはどう見る」というので、アーミテージ前アメリカ国務副長官、ベドリヌ元フランス外相、金大中前韓国大統領のインタビューが載っています。

 その中で気になるのは、金大中さんのインタビューです。

「朝鮮半島とアジアの未来をどう考えますか」

 という質問に対して、金大中さんは

「朝鮮半島は大国のパワーゲームの最大の犠牲者だった。日本が占領したために悲運がもたらされたし、旧ソ連と米国が勝手に分断して戦争まで起こした」

 と答えています。

 自国を「犠牲者」と位置づけ、みずからの責任を顧みない姿勢がはっきりと現れています。日本の「植民地支配」ではなく、「占領」と表現しているのは、注目されますが、「日本が悪い」という考えがこびりついているようです。

 自国の運命を決めるのは自分たちではなく、周囲の「大国」だ、という発想ですから、当然、

「結局、米朝関係が改善されなければ朝鮮半島の平和と共存は難しい」

 という答えになるのでしょう。

 しかし、このような、いわゆる「事大主義」の姿勢はいまに始まったことではないので、まだいいとしても、

「アジアの中での日本の姿をどう見ますか」

 という質問に対して、

「周辺国から信頼されないどころか、ますます右傾化している。一番心配なのが若い国会議員や若い世代だ。過去に日本が何をしたかを知らないから反省できない。だからほんとうの謝罪がない。象徴的なのは靖国参拝だが……」

 と答えているのは、いかがなものかと思います。歴史を「知らない」、いや「知ろうとしない」のはむしろ金大中さんの方ではないかと思うからです。

 ここで思い出すのは、5年前、金大中政権時代の教科書検定騒動です。韓国政府は「歪曲に満ちた」中学歴史教科書に対して36ページにわたる公式の再修正要求と備忘録を突きつけたのでした。

 韓国政府の再修正要求の全容は、韓国政府のホームページ上で韓国語と英語で公表されましたが、日本による「植民地支配」を「搾取」「侵略」として全否定する厳しいものでした。

 しかし、韓国政府の公式の歴史認識が歴史の事実に基づいているかはまったく別問題です。

 たとえば「日本語強制」です。

 金大中の自叙伝『新しき出発のために』(朝日新聞社、1994年)には

「日本は……韓国語と韓国の歴史を学ぶことを禁じました」

 とありますが、翌年の『わたしの自叙伝----日本へのメッセージ』(日本放送出版協会、1995年)は、インタビューを元にした本文では

「朝鮮語の正規の授業がなくなった。……学校内では、朝鮮語を使うことが禁止されました」

 となっていてニュアンスが違います。

 しかも、編集部による「補足説明」では、昭和13年に第三次朝鮮教育令が公布され、朝鮮語は「随意科目」となった。朝鮮語の授業を廃止した小学校が多かったが、金大中少年の六年生の成績簿には朝鮮語の成績が10点となっている。週に一度程度の朝鮮語の授業が行われていたことをうかがわせる、と書かれています。

 第三次朝鮮教育令というのは、以前は日本語を常用する内地人と常用しない朝鮮人とが別々の学校に通っていたものを、差別を撤廃して「内鮮共学」、同じ学校で机を並べて学べるようにしたものです。

 朝鮮語が「随意科目」となってからも、日本人校長の学校では朝鮮語の授業が続いていたし、皇居遙拝をよびかける国民精神総動員朝鮮聯盟のポスターは日本語とハングルで書かれていました。総督府の機関紙「毎日申報」は漢字ハングル混じりで、終戦まで発行されていました。ラジオの第2放送は朝鮮語が用いられていました。

 朝鮮語の禁止、日本語の強制という歴史理解は誤りです。「過去に日本が何をしたか知らない」のは、日本の「若い国会議員や若い世代」ばかりではないでしょう。

 金大中さんは今朝の朝日新聞のインタビューで、さらにドイツと日本を比較し、こう述べています。

「欧州の特徴は、西ドイツが周辺の国々の信頼を得たことだ。過去を徹底的に反省し、謝罪した。若い世代にナチスの罪悪を教え、ユダヤ人虐殺の場所を保存した」

 日本もドイツのように徹底的に反省し、謝罪すべきだ、というのでしょうが、この発言には、二つの間違いを指摘できるでしょう。

 一つは、ナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺と日本の植民地支配ないしは「侵略」戦争を同一視する誤りですす。前者は国際法が予想していなかった国家的な計画的他民族抹殺であって、国際法が愚かにも認める通常の戦争でも、戦時国際法に違反する戦争犯罪でもありません。

 もう一つは、ドイツの謝罪を周辺国が受け入れた結果として和解が成立したとは言い切れない、ということです。市村眞一・京都大学名誉教授が次のような興味深い逸話を紹介しています。

 10年前、韓国対外経済政策研究院の柳花煕所長(梨花女子大学教授)がドイツのシュミット首相と南北朝鮮統一をテーマに対談し、話題が日本の「過去」におよびました。柳所長が

「ドイツは戦争の原因が自分たちにあることを認め、謝罪した。なぜ日本は謝罪しないのか」

 と質問したのに対して、シュミットはこう答えたのです。

和解の手をさしのべたのはフランスであり、ドイツではない。フランスが協力を呼びかけ、そして私たちがそれに応じたのです」(『Real success, financial fall』) 

 シュミットの論理に従えば、

「フランスはドイツに和解の手をさしのべたのに、なぜ韓国は日本にそのようにしないのか」

 という問いかけが成り立ちます。金大中さん、どうですか。

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