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中国に引き渡されていた旧日本軍『遺棄』化学兵器 [歴史問題]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」からの転載です。「中国に引き渡されていた旧日本軍『遺棄』化学兵器」


「ブログ、面白いですね」。知り合いの編集者におだてられて、その気になっている今日この頃ですが、皆さん、お変わりありませんか。

 ……なんて、「きっこの日記」をまねして、遊んでいる場合ではありません。中国大陸で旧日本軍が「遺棄」したとされる化学兵器のことです。やっぱりそうだったのか、ということになってきました。

 3年前の夏、終戦記念日を前に、中国政府は要人総出で小泉首相の靖国参拝に釘を刺しました。そんな折も折、旧満州のチチハル市で日本軍が「遺棄」した毒ガス兵器で複数の被害者が出た、と伝えられました。「日本軍国主義のよる中国侵略という罪の証」などと中国政府は批判の声を上げ、日本政府は現地調査の結果、「日本軍遺棄化学兵器であることが判明」と発表し、年末には被害者らに「協力金」3億円の支払いを決めました。

 しかしどうもおかしいのです。もちろん被害者は気の毒なのですが、「日本軍遺棄」の根拠がまったくもって不明確だからです。

 終戦直前、ソ連軍は日ソ中立条約を破棄して、怒濤のごとく満州に侵入しました。終戦を告げる玉音放送のあと、日本軍は陛下の御命令により、陛下の御意思を遂行するために、自発的に武装解除しました。しかしソ連は「関東軍は降伏命令を受け付けず、猛烈な反撃を続けている」とウソで固めて、攻撃を続けたといわれます。「日本野郎をたたきのめせ」。スターリンは日露戦争敗北の恨みを晴らそうとしていたといわれます。

 日本軍の「軍事捕虜」60万人をシベリアに送り込み、武器をことごとく奪っておいて、毒ガスだけが例外だったはずはありません。毒ガスを「遺棄」する時間的な余裕が関東軍にあったとも思えません。ソ連軍が奪い取った日本軍の兵器はその後、中国・八路軍すなわち人民解放軍にわたっているようですから、「日本軍遺棄毒ガス」は言い掛かりということになります。

 そして、その証拠が見つかったというのです。発売されたばかりの雑誌「正論」6月号に、武装解除した日本軍が兵器を引き渡したことを記録した「兵器引継書」のことが載っています(水間政憲「スクープ “遺棄化学兵器”は中国に引き渡されていた」)。

 記事によると、「兵器引継書」は戦後、ロシア各地の公文書館に保管されていましたが、斎藤六郎・元全抑協会長が1990年代に600冊を合法的に日本に持ち帰り、その後、山形の「シベリア史料館」に眠ったままになっていたのでした。今回、水間氏がこれを発見したのです。巻頭ののグラビアには、封印を解かれた引継書の写真がたくさん載っています。

 これまでの経過では、日本が負担する「遺棄」化学兵器処理の費用は最終的に1兆円に達するともいわれます。国民1人あたり1万円の負担です。中国の報道によれば、訪中した公明党議員らに、中国関係者は一昨日、「化学兵器禁止条約」と日中間の覚書に基づいて、化学兵器の廃棄を速やかに進めるよう要求さえしています。
 http://jp.chinabroadcast.cn/151/2006/05/02/1@62400.htm

 しかし日本軍の「遺棄」でないなら、日本が処理費用を負担する必要はないはずです。ところが、驚きあきれるのは、日本軍政府が3年前、ろくな歴史検証もせずに、「引継目録」さえ確認せずに、「日本軍遺棄」と認めてしまったことです。何と無能な政府でしょうか。これでは、たった一つしかない命を国に捧げた人たちが浮かばれないではありませんか。

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