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どこまで本気なんですか [愛国心教育]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」からの転載です。から「どこまで本気なんですか」


 きのうの朝日新聞の記事をたいへん面白く読みました。民主党は「宗教的感性」を教育基本法改正案に盛り込みましたが、左右の寄り合い所帯の民主党は政府与党攻撃の目的から妥協したというのです。
 http://www.asahi.com/edu/news/TKY200605170242.html

 日教組の関係議員には

「愛国心が法案に入ったら、特別委の委員を辞める」

 と宣言した方もおられるようですが、

「愛国心が入っていようがいまいが、まとまったら仕方がない」

 と観念する方もおられたとか。検討会に同席した日教組委員長は

「大事なのは政府案の成立阻止だ」

 と語ったそうです。「愛国心」問題は二の次になってしまったようです。

 日教組は敗戦後、「教え子をふたたび戦場に送るな、青年よふたたび銃をとるな」を合い言葉に活動を開始したはずです。戦前・戦中の「愛国心教育」が戦争の悪夢の原因だと本気で考えるのなら、命を張ってでも、教育基本法の「改悪」を阻止すべきでしょう。

 ところが、いまの先生たちは、教え子の未来ではなく、目先の政府与党との政治対決にしか関心がないかのように私には見えます。逆にいえば、「教え子を戦場に送るな」はあくまで政治的スローガンに過ぎず、本気ではない、ということなんでしょうか。

 そこで私が思い出すのは、郷里のことです。

 日教組が反対する国旗・国歌の法制化が進められるきっかけとなったのは、平成11年の広島・世羅高校の校長先生の自殺でした。広島は日教組の活動の盛んなところのようで、校長先生の苦労は並大抵ではなかったようです。その広島の先生たちが「先進地」と活動の認めていたのが、ほかならぬ私の郷里です。

 どうして「先進地」と見なされたのかというと、50年前の「昭和の大合併」のとき、1町3村が合併し、新しい町が成立したのですが、4つの中学校の統合にある地区の住民が猛反発し、地区の中学校を占拠し、県教組の全面的支援を受けて、臨時教員を雇い、百数十名の子弟を通わせて、住民管理の自主教育を行うまでになったのです。

 紆余曲折があって、翌年には事態は収拾するのですが、かわいそうなのは生徒たちです。正規の学校ではありませんでしたから、前年の単位の修得が認められず、とくに3年生たちは卒業証書がもらえずに進学が一年遅れたのです。「町村合併反対先進地」のツケはすべて子供たちにふりかかりました。

 子供たちをいわば人質に取った政治闘争はその後もずっとつづいていることが、朝日の記事が証明しているのではありませんか。「教え子を戦場に送る」原因は、「愛国心」教育でもなければ、教育基本法に「愛国心」を盛り込むことでもなく、子供をダシにして政治闘争を続けていることにあるのではないでしょうか。

「教え子を戦場に送るな」なんて、どこまで本気なんでしょうか。

「本気」といえば、経済同友会も同様です。今月9日に首相の靖国参拝自粛を提言した同友会ですが、北城代表幹事はきのう、小泉首相に

「ご迷惑をおかけした」

 と陳謝したそうです。
 http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20060517AT3S1702317052006.html

 まさに朝令暮改、唇がかわく間もない君子の豹変は、どこまで本気なんですか、といいたくなります。

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