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大らかな日本人の神観念 [神社神道]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」からの転載です。


 北海道新聞によると、旭川のラーメン店が集まる人気スポット「あさひかわラーメン村」に、オープン10周年を記念して、「ラーメン村神社」が開設されたそうです。
 http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20060521&j=0025&k=200605219645

 経済評論家で、旭川観光大使をつとめる日下公人さんの奥さんが「村には神社が必要。ラーメンのように細く長くご縁がつづくように」と提案されて、神社が建てられることになったと伝えられます。

 きのうは市内の神社の宮司さんがお見えになって、神事をなさったそうです。夫婦円満、恋愛成就の神社とされ、おみくじやオリジナルのグッズもあって、楽しそうです。
 http://www.eolas.co.jp/hokkaido/kitashin/digest/2006/0509_05.html

 ご興味がおありの方、行ってみたい方は、ラーメン村のサイトをどうぞご覧ください。
 http://www.ramenmura.com/index.html
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 日本各地に千年の歴史を超えるような古社がたくさんありますが、新しい神社が建てられることも珍しくはありません。たとえば、サクランボの産地・山形県河北町には昨年、農協内に「さくらんぼ神社」が建てられました。これなどは町おこしの効果を願うまじめな発想ですが、遊び心いっぱいの神社もたくさんあります。

 以前、横浜駅東口の地下街にはプロ野球の佐々木投手にちなんだ「ハマの大魔神社」がありましたが、大阪・吹田市の大型スーパーにはサッカーの「ガンバ大阪神社」があります。3年前に千葉県松戸市に開館したバンダイ・ミュージアムにはおもちゃの供養をする萬代神社がありますし、東京・汐留の日本テレビには「ズームイン!!汐留神社」(旧・ごくせん神社)があります。

 日本人にとっての神さまは非情に身近な存在です。神社を建てる側も、お詣りする側もじつに自由で、大らかで、そして多様です。それが日本の神社であり、それらを失ってしまったら、神社は神社でなくなってしまうかもしれません。

 今年2月、宮崎でキャンプするプロ野球チームがリーグ優勝を祈願する恒例の神社参拝をしたとき、1人の韓国人選手は参加しませんでした。韓国メディアは「軍国主義の象徴である神社に訪問することはあり得ない」と伝えています。

 野球チームが毎年、参拝している神社は、海幸彦・山幸彦の物語で広く知られる神社であり、「武の神」をまつっているわけではありません。なぜ「軍国主義」呼ばわれされなければならないのでしょうか。なぜ堅苦しく考えないといえないんでしょうか。

 靖国神社にしても同様です。同社は戦没者の慰霊の祭場ですが、参拝者の思いは多様です。拝殿の横には祈願の絵馬がたくさんかけられ、なかにはキリスト教系の大学への合格を祈願するものさえあります。授与所では、学業成就や縁結びのお守りも並んでいます。結婚式を挙げるカップルもいます。

 1つの教義にはまらないのが日本人の神観の特徴なのではありませんか。けっして原理主義的ではない大らかさが、いわゆる靖国問題にも求められているのではないでしょうか。
タグ:神社神道
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