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保身が精一杯の李肇星外相をいじめないで [中国]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(2006年5月24日)からの転載です。

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保身が精一杯の李肇星外相をいじめないで
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 中東のカタールで、昨夜(日本時間では今日の未明)、行われた日中外相会談について、

「李肇星が、『A級戦犯がまつられている靖国神社を参拝することは中国人民の感情を傷つけ、日中両国の政治関係の基礎を損なった』ときびしく批判し、参拝中止を求めた」(共同通信)

 などと、日本のマスメディアは伝えています。
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 李肇星という人は、文化大革命で下放された経験もあるようですが、根っからの外務官僚です。「反日」江沢民の時代に国連大使、外務次官、駐米大使を歴任し、2003(平成15)年に唐家璇に代わって、外務部長(外相)となりました。

 平成14年4月、ですからまだ江沢民主席の時代ですが、小泉首相が2度目の靖国参拝を行ったとき、外務次官だった李肇星は

「感情、理性の両面でも東洋の道徳および国際的な道議においても、受け入れられない」

 と大見得を切りました。

 しかし、翌年の平成15年、外相となった李肇星は、終戦記念日を前に来日し、日本記者クラブで講演しました。「人民日報」によれば、

「A級戦犯がまつられる靖国神社に、日本の指導者は二度と参拝すべきではない」

 と強い調子で語った反面、

「双方の協力で歴史の暗い影から抜け出すことを望む」

 と哀願とも聞こえる要請をしました。

 日本のあるブロック紙のインタビュー(紙上会見)では、

「重要なのは双方が戦略的に、高度で長期的な視点から両国関係の大局をしっかりつかんで事に当たることだ」

 と語り、注目されました。つまり、「長期的関係」という表現を新たに用いて、李肇星は、対日関係重視の姿勢を示したのです。

 胡錦涛政権は江沢民時代とは異なる新外交を展開しようとしました。けれども、一年も経たずに挫折しました。その背景には対日強硬派との熾烈な権力闘争があるといわれます。

 小泉首相とのロシアでの最初の日中首脳会談で歴史問題を語ることもなかった胡錦涛が、靖国参拝にみずから言及するようになったのは、政権基盤の弱体があります。国内を治められないとなれば足下をすくわれます。日本に対して毅然たる態度をとらなければ「弱腰」「売国奴」と批判され、地位を危うくします。

 李肇星は、今年3月の全人代での記者会見で、ヒトラーをも引き合いにして靖国参拝を強烈に批判しましたが、その数日前には「引退の可能性が高い」と伝えられていました。きびしい小泉参拝批判は保身のための精一杯の、しかも国内向けの政治的演技なのではありませんか。

 そのような人物を、今回、一年ぶりの外相会談に引っ張り出したことは日本外交の成果でしょうが、とりわけ靖国問題についていえば、解決のための発言を引き出せるはずはありません。小心者をいじめても、何の得にもなりません。

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