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靖国参拝と民主主義は矛盾しない ──朝日新聞論説主幹のコラムを批判する [靖国問題]

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靖国参拝と民主主義は矛盾しない
──朝日新聞論説主幹のコラムを批判する
(斎藤吉久のブログ平成18年5月30日)
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 朝日新聞論説主幹の若宮啓文氏が、自身のコラムで

「アメリカで靖国を語れますか」

 と小泉首相に問いかけています。
http://www.asahi.com/column/wakamiya/TKY200605290146.html

 若宮氏は、首相がアメリカ議会で演説するなら、靖国参拝をしないと約束してほしい、と要請したアメリカ下院外交委員長のヘンリー・ハイド氏の書簡を取り上げ、太平洋戦争に従軍したハイド氏には東条元首相をまつる靖国神社に対する不信感がある、と指摘しています。

 それならば、アメリカ議会で首相みずから演説し、靖国神社に対する誤解を解くべきだ、と主張するのか、と思いきや、話は逆です。

 若宮氏には、どうしても靖国神社が「日本軍国主義」のシンボルと映るのでしょうか。

──繰り返される首相参拝は「かつての軍国主義」を擁護する行為と映る。分かりにくい。靖国神社はアジア侵略や太平洋戦争を正当化する思想的支柱となっている、参拝支持の人々からは東京裁判を否定する声もしきりに上がる。日本は過去と決別できない。日本は民主主義の国だから、欧米は日本を応援したいのに、靖国問題で応援しにくい......。

 いわゆる「A級戦犯」がまつられ、慰霊が行われている、ということと、「侵略」「奇襲」を肯定することとは異なります。戦前、30年の長きにわたって、靖国神社の宮司の職にあった賀茂百樹は晩年、病の床で次のような文章を書き残しています。

「軍人は神ながらの道の真剣の実行者である。神ながらの武は智仁勇の三徳を教えとし、三徳を全備することを期する神武である。神ながらの武備は戦争のための武備ではない。戦争を未然に防止し、平和を保障するのが最上である。国をとるとか、資材権利を獲得するためではない」(「私の安心立命」)

 賀茂氏の言葉からは、靖国神社が「軍国主義」のシンボルだなどという結論は導き出せません。靖国神社は、若宮氏が言うところの「民主主義」とはなんら矛盾しません。

 それなら、「侵略」はなぜ起きたのか。ハイド委員長の批判がなぜ生まれるのか。ジャーナリズムの追求すべきテーマはそこではないでしょうか。

 賀茂氏が「安心立命」を書いてから4年後、昭和13年の春、国民の多くが「南京陥落」に沸いていたとき、大阪朝日新聞は陸海軍省の後援で、阪急西宮球場とその外園を会場に、「支那事変聖戦博覧会」を開催しました。来観者はじつに145万人にのぼったと伝えられます。

 朝日の縮刷版によると、開会式に先立って、モーニング、軍服姿の100人の名士が外園に設けられた靖国神社遥拝所の修祓式に臨みました。開会式後の祝賀野宴で、朝日の村山会長は

「聖戦博を貫く精神は一に靖国の社頭にぬかずく精神にある」

 と挨拶しています。

 当時の大新聞は、必ずしも言論抑圧の結果とはいえない積極さで戦争政策に協力したことが指摘されています(江口圭一『日本帝国主義史論』)。

 若宮氏がお考えのように、靖国神社が「軍国主義」のシンボルだとするなら、「軍国主義」をあおったのはまぎれもなく、大新聞です。

 若宮氏はコラムのなかで、「いまだに過去を引きずりがちな日本」と書いていますが、大新聞は「過去」をとっくに清算したということなのでしょうか。国民が命を張って戦っていた戦争中、「大本営発表」を垂れ流し、「軍国主義」に荷担して部数を倍増させ、「経理面の黄金時代」(『朝日新聞七十年小史』1949年、非売品)を築いた「過去」を。

 大新聞は昔も今も、「靖国神社」で金儲けに走っている、といえば言い過ぎでしょうか。少なくとも朝日新聞に靖国参拝を批判する資格はない、と私は思うのです。そして、小泉首相がアメリカ議会で演説する機会があるのなら、ぜひとも「靖国」を語ってほしいと願っています。日米のきずなを深めるために。


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