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慰霊・追悼の場に政治を持ち込まないで [靖国問題]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」からの転載です

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 韓国、台湾の戦争犠牲者の遺族だという人たちが11日から終戦記念日の15日まで連日、ロウソクを手に、東京都心をデモ行進している。

 小泉参拝を違憲だとして訴訟を起こしている日本人たちが、家族の合祀取り下げを求める韓国・台湾の遺族・支援者、約200人を招いたものらしい。

 東京新聞によると、韓国の国会議員・金希宣氏は「生きている間は強制徴用され、死んでからは魂を靖国に縛り付けられている」と語り、韓国人戦死者の合祀取り下げを訴えたという。

 どこかで聞いた名前だなと思ったら、この議員、2年前、日本統治時代の対日協力者を糾弾する、いわゆる「親日派特別法」を韓国国会で成立させたときの中心人物ではなかったか。

 1943年生まれのキリスト者、どうやら北朝鮮にも近い、筋金入りのウリ党の女性議員である。祖父は独立軍の将軍で、父親は秘密青年党員という抗日独立闘士の家系に生まれ育ち、若くして女性運動、民主化闘争に身を投じ、逮捕・投獄の経験も少なくない。著書の中で平壌を「故郷」と呼んでいるくらいで、「北朝鮮の統一戦線工作に載せられている」と指摘する研究者もいる。

 面白いのは、2年前、この議員の父親がじつは抗日戦士などではなく、満州警察の特務員だった、とある雑誌が報道したことである。独立運動家の娘だというのがまったくのデタラメだと指摘されたものだから、一時は表舞台から去っていたらしい。

 そんな背景を知ってか知らずか、東京新聞はそのコメントを載せているのだが、コメントの内容がまた乱暴きわまりない。

 1919年の「3.1」反日独立運動の闘士たちが、日中戦争勃発後は一変して日本の戦争政策に協力したことは知られている。24万もの朝鮮人青年が志願兵として戦い、うち2万名が落命し、靖国神社に祀られている。

 彼らは強制徴用ではないし、彼らこそ日本の戦友である。民族の違いを超えて靖国神社に祀られているのは、最高の敬意を表するからであり、「魂を靖国に縛り付けている」のではない。

 一方、中国国際放送局(CRI)はさっそくこのデモを、台湾に焦点を当てて、伝えている。いわく「台湾の先住民が日本の植民地時代に残虐行為を受けた人々の写真を手にし、合祀取り消しと小泉参拝反対スローガンを叫びました」。

 なぜこうも中国は政治的なのだろうか。日本の植民地時代にさまざまな不祥事はあっただろうが、残虐行為が歴史の本質であるかのような見方は正確ではないだろう。蒋介石政権が台湾にやってきたあとの血なまぐさい事件が起きたことはよく知られている。

 植民地支配が悪だと単純化することも図式的すぎるだろう。中国大陸では五千年の歴史の中でいくたび異民族の侵入があり、異民族による支配が行われたことか。残虐行為が悪だというなら、まず隗より始めよ、であって、文化大革命の惨劇をこそ正視すべきではなかろうか。

 靖国神社は静謐なる慰霊・追悼の祭場である。なぜそこに醜い権力政治を持ち込もうとするのだろうか。 

 明日は終戦記念日である。
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