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北朝鮮メディアから消えた「慰安婦20万人」説 [北朝鮮]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(平成19年1月28日日曜日)からの転載です

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北朝鮮メディアから消えた「慰安婦20万人」説
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 北朝鮮が日本批判にしばしば持ち出してきた「慰安婦20万人」説が北朝鮮メディアの記事から消えました。「官憲の強制連行」を認めた平成5年の河野官房長官談話を見直す最近の日本の動きを非難する北朝鮮側のニュースを伝える朝鮮新報の記事には「20万人」がありません。

 北朝鮮はこれまで日朝交渉や国連などの場で、

「朝鮮人の強制連行が840万人、従軍慰安婦が20万人いた」

 と主張し、補償を求めてきました。戦争中、朝鮮半島に住む朝鮮人の数は2000〜2500万人で、3人に1人を「強制連行」するということは物理的にあり得ませんし、「20万人」説も根拠が不明です。

 朝鮮人女性の多数を日本の官憲が強制徴用し、性的な奴隷とした、というような歴史的事実が確認されているわけではありません。「軍関与を示す資料」が「発見」されたとする平成4年1月の朝日新聞の「特ダネ」も、じつは業者による「強制連行」を軍・警察がやめさせようとする内容でした。

 同年7月の加藤官房長官は

「政府は関与したが、強制連行を裏付ける資料はなかった」

 と報告しましたが、翌5年には河野長官が「官憲による強制連行」を事実として認めてしまったのでした。けれども、これは官房副長官が

「根拠は元慰安婦の証言しかない。『強制連行はなかった』とすると韓国世論を抑えられない。賠償は要求しないから『あった』ということにしてほしい、と依頼され、政治的に認めた」

 と証言しており、政治的産物だったことが知られています。

 根拠のないことなら見直すのは当然で、三年前、日本の指導者たちの「悪意に満ちた歴史認識」をただすという目的のために在日の研究者らがまとめ、民団から発行された日韓近代史に関する小冊子ですら、「強制連行」や「従軍慰安婦」についての記述はありません。

 ところが、北朝鮮メディアは先日、概要、次のように日本を批判しています。

 ──河野談話は、歴史資料が次々に発見され、国際社会の非難が高まり、やむを得ず軍の関与と強制性を公式に認めたものだ。ところがいまになって事実を疑問視している。とくに看過できないのは、見直しを持ち出した下村長官らが性奴隷犯罪を認めることを潔しとしない極右政治家であることだ。
 倭国(日本)の反動層は過去の罪悪を否定し、軍事大国化を推し進めようとしている。日本は直ちに被害者に謝罪し、補償すべきだ。日本帝国主義への恨みをいだいている被害者とアジアの人民は歴史を愚弄する倭国の企図をけっして許さない。

 この朝鮮新報の記事は、もっぱら日本政府の姿勢を、とくに政府要人の政治姿勢を批判しているだけで、従来、主張してきた「20万人」説に関して、歴史の事実を検証しているわけではありません。

 戦争中、日本軍が慰安婦を連れていたことは歴史的事実で、否定する研究者はいないといいます。戦地の慰安所で働くからには「軍の関与」も当然です。

 しかし戦前は売買春は合法で、ことさら犯罪的と断じることはできないでしょうし、「性の奴隷」と断定することも一方的すぎるでしょう。なかには陸軍大将の二倍も稼げたので、またたく間に前借金を返済し、自由の身になれたのに、それでも「商売」をやめない慰安婦もいたといわれます。

「慰安婦20万人」説を引き下げた今度の記事は、実証的歴史論では抗弁できないということを北朝鮮が事実上、認めたということなのかどうか、注目されます。

 もう一つ、太平洋を隔てたアメリカでも注目される動きがあります。

 伝えられるところでは、慰安婦問題に関する日本政府の責任を認めるよう求める「従軍慰安婦決議案」が今週にも下院に提出され、本会議で可決される可能性が高い、というのです。

 今回の決議案では、「人権」と「女性の権利」に力点が置かれ、日本の歴史教育の強化を訴えているのが特徴だともいわれます。つまり、慰安婦は女性の権利を侵す国家の犯罪であり、日本政府の責任を追及するものと考えられます。

 しかし、そうだとすると、日本批判が逆にアメリカ国家自身の責任を問うことにもならないでしょうか。というのも、アメリカ軍にも先の大戦中、慰安婦がいたことが知られているからです。

 日米開戦後、中国戦線で日本軍と渡り合い、今日では正規軍と認められているアメリカ航空義勇隊はインド人売春婦を慰安婦にしていたことが知られています。売春婦を慰安婦としていたのなら、日本の実態とあまり変わりはないように見えますが、それでもアメリカ下院は日本批判を決議するのでしょうか。

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