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諸宗教協力の財政的基盤 [世界宗教者平和会議]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(平成19年1月31日水曜日)からの転載です


 さまざまな宗教が協力し合って世界の平和を追求する世界宗教者平和会議(WCRP)という諸宗教の連合体があります。きょうはその日本委員会の理事会・評議員会が開かれ、日本を代表する宗教指導者約30名が平成19年度の事業方針、事業計画、予算などを決議しました。

 WCRPは、立正佼成会の開祖・庭野日敬師(故人)が、カトリックの第二バチカン公会議(1962〜65年)に招待され、当時の教皇パウロ六世に謁見したときの感動から、世界のすべての宗教を網羅し、すべての宗教者が平和のテーブルにつく世界会議の開催を願って、創設されたといわれます。

 宗教をめぐる正視に耐えない流血の対立が日常化している今日において、逆に有史以来、諸宗教の共生を実現してきた日本で産声を上げたWCRPの平和活動には大きな意義があり、それはWCRPが国連経済社会理事会の諮問資格ジャネラルのステータスを有していることからも分かります。

 中東やアフリカで宗教問題にかかわる熱い戦争が激化しているさなか、昨年8月には京都で世界百カ国から1000余名の宗教者が一堂に会する世界大会が開催され、

「我々は宗教指導者として、『ともにすべての命を守る』よう提唱し、教育を行い、その他の諸宗教協力活動を誓う」

 とする「京都宣言」が採択され、世界に発信されました。

 しかしWCRPはその世界的、歴史的意義とは裏腹に、足下に少なからぬ不安をかかえています。財政的基盤が必ずしも安定しているとはいいがたい状況にあるからです。

 年間予算の8割は協賛金と寄付金でまかなわれており、庭野師を開祖とあおぐ立正佼成会に人材と活動資金を大きく依存しているというのが実態といわれます。事務局は賛助会員を3割以上増やして財源を増やしたい意向ですが、財政安定化にはなお距離がありそうです。

 庭野師が亡くなって7年あまり、世界最大の諸宗教協力組織の正念場といえそうです。

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