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田植えをなさる世界唯一の君主 [天皇・皇室]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(平成19年5月16日水曜日)からの転載です

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田植えをなさる世界唯一の君主
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 今上天皇はきのう、皇居内の水田でみずから泥田に入り、田植えをなさいました。今朝の新聞には第三社会面あたりに、ほんの申し訳程度にベタ記事で載っています。何と扱いの小さいことでしょう。

 天皇がみずから稲作をはじめられたのは昭和天皇が最初で、今上天皇はその精神を受け継がれ、田植えと稲刈りだけでなく、播種も行われるようになりました。

 天皇の稲作は記紀神話に基づいています。皇祖・天照大神は、天孫降臨に際して、

「高天原(たかまがはら)にある斎庭(ゆにわ)の稲穂をわが子に与えなさい」

 と命じられたと記述されています。天孫降臨は日本の稲作のはじめであり、皇室こそは日本の稲作の中心だということになります。

 みずから田植えをなさる君主というのは日本の天皇のほかにはないでしょう。

 日本の国際援助団体の草分けであるオイスカで以前、聞いた話ですが、30年以上も前になるでしょうか、世界最貧国ともいわれるバングラデシュから農業の研修生が数人、やってきたそうです。農業研修ですから、田植えもすれば、田の草取りもする。けれども、やってきた研修生はバングラの超エリートたちでしたから、実習を拒否し、ストライキを始めました。

「農民がするような肉体労働をなぜ俺たちがしないといけないか」というわけです。

 やむなくオイスカの指導員が自分たちだけで稲を作りました。秋になり、稲がたわわに実りました。その稲を見て、研修生は驚いたといいます。

「こんなに立派にみのった稲を見たことがない」。

 それもそのはず、広大な水田地帯が広がるバングラの単位面積あたりの収量は日本の半分程度です。
http://www004.upp.so-net.ne.jp/saitohsy/bangladesh.html

 そのあと研修生たちは心を入れ替え、黙々と研修に励んだのだそうです。日本では天皇が田植えや稲刈りをする、と知り、研修生たちはさらに驚いたとも聞きます。

 なぜ天皇が田植えをされるのか。

 保田与重郎という日本浪漫派の評論家・歌人がいます。訪ねてきた新聞記者に

「天皇の仕事でいちばん大切なのは何かね」

 と質問し、考えあぐねる記者に

「田植えだよ」

 と語り、記者を驚かせた、という逸話が保田全集に付された月報に載っています。

「いちばん大切な仕事」といわれると同意しかねるところもありますが、天皇の稲作が神話の時代と直結する、いわば祭りであり、祈りであることは間違いないのでしょう。

「わが知ろしめす国に飢えた民がひとりあっても申し訳ない」

 という、皇祖の神意に基づく祈りです。

 今上天皇が祈りとともにお育てになった稲は、秋には伊勢神宮の神嘗祭、宮中の新嘗祭に供えられます。

 ※オイスカについての詳細はこちらをご覧ください。
http://www.oisca.org/indexj.htm

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