朝鮮民族、8類型説 [韓国・朝鮮問題]
以下は旧「斎藤吉久のブログ」(平成19年8月28日火曜日)からの転載です
先週、韓国の中央日報が、科学記者による興味深い記事を載せていました。顔の研究をしているチェ・ヨンジン韓南大学教授によると、朝鮮民族の顔は8種類に分類することができる、異なる民族の流入による朝鮮民族の成り立ちを示唆している、というのです。
記事によると、あくまで顔の構造の類型からですが、朝鮮民族には大きく分けると「北方系」と「南方系」とがあり、「北方系」は
「顔がさつまいも型で、上下がとがっでいる。眉毛が薄く短い。目も小さく、まぶたは二重ではない。眉間は広くて、額も縦に長い。中央がふくらんでいて鼻先が尖っており、ひげは少ない」
という特徴があるといいます。
この「北方系型」は、シベリアで氷河期を過ごし、氷河期末の1万年前から山地と内陸を通じて韓半島に移住して来たものと推定され、ツングース系、アルタイ系、中国系、中国系とツングース系の中間型が含まれるのだそうです。
これに対して、「北方系」の流入以前から住んでいたのが「南方系」で、東南アジアとインドネシア、マレーシアなどがあるスンダ海峡から、1万2000年前ごろから2000年の間隔を置いて3次にわたって、主に朝鮮半島の西南海岸および河川の上流域に流入したといい、
「四角い顔で目鼻立ちがはっきりとしていて、額は横に広く、眉毛は濃くて目が大きい。二重まぶたの場合が多く、唇も厚い」
という特徴があるそうです。
日本民族の場合、南方系(縄文系)と北方系(渡来系)の類型は従来からいわれてきました。人類学者の埴原和郎さんなどは、弥生初期から6世紀末までの千年間に数十万から百万人以上の渡来があり、日本人全体の7〜9割にまで達した。西日本では渡来人の特徴が強まり、中間型の特徴を持つ個体が多く見られるようになった。混血が進んだ結果ということでしょうか。
面白いのは、こうした民族の成り立ちを映し出す朝鮮と日本の神話の違いです。民族学者の大林太良さんが指摘していることですが、古事記・日本書紀には二つの稲作神話が描かれています。一つは神様の死体から五穀が出現する死体化生神話で、その源郷は東南アジアの大陸北部などにあり、広範囲に分布しているそうです。
もう一つの神話は、神様が稲穂をたずさえて降りてくる天降り神話で、大林さんによると、朝鮮半島から内陸アジアに分布するといいます。たとえば朝鮮の檀君神話はよく知られるところですが、遠くギリシア神話にも似た話があるそうです。
面白いのは、大林さんが指摘していることですが、日本以外の天降り神話では神様がくださるのは麦であって、稲ではありません。稲が与えられたとする神話の要素は北方神話ではなく、南方の稲作文化に連なると大林さんは説明しています。
つまり日本の稲作神話それ自体が南方系と北方系とが融合して成り立っているということになります。朝鮮との違いはまさにその点にありそうです。
日本の古事記・日本書紀は、創世神話から農耕の起源、王朝の成立まで神話が体系化されていますが、中国にも朝鮮にもこのような神話を体系化した古典はありません。朝鮮の「三国史記」「三国遺事」に描かれた神話はあくまで王朝の起源を説明した神話に過ぎず、しかも建国の祖は檀君もいれば、朱蒙もいて、一人ではありません。
日本の場合、渡来人による先住民の征服ではなく、縄文系と渡来系の民族的同化が図られたのと同様に、系統の異なる神話の統合が図られ、壮大な神話体系が形成されているのが特徴です。
なぜ同化したのか。生前、埴原さんにその理由をうかがうと、埴原さんは
「混血は人間の本性の結果で、自然に、平和的に進んだのでしょう」
と仰っていましたが、弥生時代はけっして平和の時代ではありません。とすれば、ある積極的な意思が働いた、と考える方が自然です。日本の文明、とりわけ天皇の制度の成り立ちを考える上で、重要なポイントがここにある、と私は考えますがいかがでしょうか。
先週、韓国の中央日報が、科学記者による興味深い記事を載せていました。顔の研究をしているチェ・ヨンジン韓南大学教授によると、朝鮮民族の顔は8種類に分類することができる、異なる民族の流入による朝鮮民族の成り立ちを示唆している、というのです。
記事によると、あくまで顔の構造の類型からですが、朝鮮民族には大きく分けると「北方系」と「南方系」とがあり、「北方系」は
「顔がさつまいも型で、上下がとがっでいる。眉毛が薄く短い。目も小さく、まぶたは二重ではない。眉間は広くて、額も縦に長い。中央がふくらんでいて鼻先が尖っており、ひげは少ない」
という特徴があるといいます。
この「北方系型」は、シベリアで氷河期を過ごし、氷河期末の1万年前から山地と内陸を通じて韓半島に移住して来たものと推定され、ツングース系、アルタイ系、中国系、中国系とツングース系の中間型が含まれるのだそうです。
これに対して、「北方系」の流入以前から住んでいたのが「南方系」で、東南アジアとインドネシア、マレーシアなどがあるスンダ海峡から、1万2000年前ごろから2000年の間隔を置いて3次にわたって、主に朝鮮半島の西南海岸および河川の上流域に流入したといい、
「四角い顔で目鼻立ちがはっきりとしていて、額は横に広く、眉毛は濃くて目が大きい。二重まぶたの場合が多く、唇も厚い」
という特徴があるそうです。
日本民族の場合、南方系(縄文系)と北方系(渡来系)の類型は従来からいわれてきました。人類学者の埴原和郎さんなどは、弥生初期から6世紀末までの千年間に数十万から百万人以上の渡来があり、日本人全体の7〜9割にまで達した。西日本では渡来人の特徴が強まり、中間型の特徴を持つ個体が多く見られるようになった。混血が進んだ結果ということでしょうか。
面白いのは、こうした民族の成り立ちを映し出す朝鮮と日本の神話の違いです。民族学者の大林太良さんが指摘していることですが、古事記・日本書紀には二つの稲作神話が描かれています。一つは神様の死体から五穀が出現する死体化生神話で、その源郷は東南アジアの大陸北部などにあり、広範囲に分布しているそうです。
もう一つの神話は、神様が稲穂をたずさえて降りてくる天降り神話で、大林さんによると、朝鮮半島から内陸アジアに分布するといいます。たとえば朝鮮の檀君神話はよく知られるところですが、遠くギリシア神話にも似た話があるそうです。
面白いのは、大林さんが指摘していることですが、日本以外の天降り神話では神様がくださるのは麦であって、稲ではありません。稲が与えられたとする神話の要素は北方神話ではなく、南方の稲作文化に連なると大林さんは説明しています。
つまり日本の稲作神話それ自体が南方系と北方系とが融合して成り立っているということになります。朝鮮との違いはまさにその点にありそうです。
日本の古事記・日本書紀は、創世神話から農耕の起源、王朝の成立まで神話が体系化されていますが、中国にも朝鮮にもこのような神話を体系化した古典はありません。朝鮮の「三国史記」「三国遺事」に描かれた神話はあくまで王朝の起源を説明した神話に過ぎず、しかも建国の祖は檀君もいれば、朱蒙もいて、一人ではありません。
日本の場合、渡来人による先住民の征服ではなく、縄文系と渡来系の民族的同化が図られたのと同様に、系統の異なる神話の統合が図られ、壮大な神話体系が形成されているのが特徴です。
なぜ同化したのか。生前、埴原さんにその理由をうかがうと、埴原さんは
「混血は人間の本性の結果で、自然に、平和的に進んだのでしょう」
と仰っていましたが、弥生時代はけっして平和の時代ではありません。とすれば、ある積極的な意思が働いた、と考える方が自然です。日本の文明、とりわけ天皇の制度の成り立ちを考える上で、重要なポイントがここにある、と私は考えますがいかがでしょうか。
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