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イフタール、教科書検定、政教分離。 [天皇・皇室]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(平成19年10月12日金曜日)からの転載です


〈〈 本日の気になるニュース 〉〉


1、「日経ネット」10月12日、「外相『政治的決断、中国に期待』、ガス田開発」
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20071012AT3S1102611102007.html

 実際にはどのような表現で期待感を表明されたのか、分かりませんが、沖縄トラフまでの大陸棚延長説に立つ中国が、日本の日中中間線を認めることは一方的に政治譲歩することになります。もしそのような政治決断をしたなら、いまそれでなくとも上海閥とのあいだで熾烈な政治闘争をしている現政権が「対日譲歩」を追及され、どれほど窮地に立つことになるか、高村外相はなぜ理解できないのでしょうか。


2、「ロイター」10月11日、「『イスラム教のバービー人形』、インドネシアで販売」
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-28299620071011

 サルマちゃん人形というんだそうです。イスラムの女性が全身を覆うように身につける黒いマントなどの衣裳を着けています。宗教教育の題材にもなりそうです。

 ネットでも買えるようです。
http://www.bonekasalma.com/


3、「日刊スポーツ」10月11日、「福田首相がイスラム諸国駐日大使と夕食会」
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20071011-268604.html

 小池百合子元防衛相の提案で始まったといわれる首相官邸での「イフタール」。小泉、安倍時代と続いた行事が福田時代になってどうなるのか、と思っていたら、今年はイスラム諸国大使などが主催し、場所も都内のホテルでの開催となりました。

 イフタールはイスラム教徒がラマダンの断食明けに食べる食事とされ、記事は「イスラム諸国との友好関係をアピールするのが狙い」と説明していますが、靖国参拝で内外から批判を浴びた小泉首相にとってはそれだけではなかったのではないかと想像します。

 アメリカでは復活祭の行事が全米から子供たちをホワイトハウスに招いて盛大に行われますが、日本でたとえば神道由来の伝統行事を官邸で行ったとしたら、「政教分離違反」とたちまち批判が巻き起こるでしょう。ところが、イスラムの行事を官邸で行っても「憲法違反」とは誰もいいません。靖国批判に熱心なキリスト教指導者たちがブッシュ大統領の明治神宮参拝には中止を申し入れ、金閣寺参詣には沈黙したのと同じ精神構造です。


4、「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」10月12日、「教科書検定に容喙する『沖縄県民12万人集会』の嘘が明白に」
http://www.melma.com/backnumber_45206_3858273/

 那覇市の人口は31万人、沖縄県全体で137万人。人が住んでいる島だけで49。それで10人に一人が集まるなんてあるんだろうか、と素朴に思っていたら、案の定で、数えてみたら2万人程度なんだそうです。

 主催者発表の数字を十分に検証せずに報道したマスコミ、政治要求を一気に加速させた政治家たち。こうやって歴史は歪められる、という典型だったということでしょうか。

 それにしてもよく分からないのは、たとえ2万人集会だったとしても、沖縄県の行政や立法を巻き込んだ政治集会がどのように組織化されていったのか、です。実行委員会の委員長は県議会議長で、委員会を構成する22団体には県議会のほか、県婦人連合会、県遺族連合会が名前を連ねているようですが、本当の運動の中心はメディア報道の背後に隠れているのではないのでしょうか。

 「12万人」が虚報だったのだとしたら、なぜ虚報がまかり通ったのか、メディアは追究する必要があります。

 しかし、民主党のこの方は国会決議にえらく熱心です。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-28006-storytopic-3.html


5、「時事ドットコム」10月10日、「皇太子さま、産業殉職者慰霊式に」
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2007101000618

 高尾みころも霊堂は、産業災害で亡くなった殉職者の慰霊を行っている施設で、厚労省所管の労働者健康福祉機構(労働福祉事業団)が労災保険法施行20周年を記念して、昭和47年6月に建てたのだそうです。
http://www.rofuku.go.jp/kanrenshisetu/mikoromo.html

 「祭祀室」には仏壇、神式の神殿、キリスト教式の祭壇が設けられ、納骨室もあるそうです。5月には「春まつり」、8月には「夏まつり」、10月には合祀慰霊式が行われます。

 広島・長崎の原爆死没者追悼平和祈念館のように、最近の国の追悼施設には「宗教性排除」が基本的方針とされていますが、同じ厚労省の所管でもかつて関わった施設はそうではありません。

 戦後の国の宗教政策が緩やかな政教分離主義から絶対分離主義へと変わっていること、現在は、基本的考え方が異なる施設と慰霊方法が混在しているという実態が浮かび上がってきます。つまり、靖国神社ばかり、神社ばかりを問題にするのではなく、宗教政策全体を検討しなければ意味がない、ということになります。


6、「AFPBB News」10月11日、「チベット高僧に対する規制に抗議。在インド中国大使館に突入」
http://www.afpbb.com/article/life-culture/religion/2296045/2228240

 記事によると、先月からチベットで実施されている宗教規制に対して、亡命者たちが抗議行動を起こしたようです。

 来週から中国では共産党の党大会が始まりますが、それに合わせたかのように、アメリカ議会はダライ・ラマに議会名誉黄金勲章を授与すると伝えられます。授章式には大統領夫妻も参列するようです。
http://www.afpbb.com/article/politics/2296033/2229351


7、「読売新聞」10月10日、「下鴨神社、攘夷祈願の『開かずの間』を来月初公開」
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20071010p302.htm

 幕末に孝明天皇が攘夷を祈願された部屋だそうです。

 神社のHPはこちらです。
http://www.shimogamo-jinja.or.jp/


8、「朝日新聞」10月10日、「最後の執行から10年、韓国で死刑廃止の『宣言式』」
http://www.asahi.com/international/update/1010/TKY200710100318.html

 記事の中で、韓国法務省の当局者が「人権を重視する金大中、盧武鉉(ノ・ムヒョン)両政権が続いたから死刑執行がなかった。来年2月に発足する新政権では、再び死刑が執行される可能性はある」(84条)と指摘しているのはなかなか意味深です。


9、「中央日報」10月11日、「韓国卑下、呉善花氏が一時入国拒否」
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=91858&servcode=400§code=400

 お母さんの葬儀のため帰国したところ、「日本での反韓活動」を理由に入国を拒否されたのだそうです。

 日本に帰化したのは事実だとしても、呉善花さんにとって韓国が母国であることは間違いでしょうから、記事が「来韓」と書いているのも不自然です。「日本留学をきっかけに反韓、親日活動を始めた」という決めつけも、学問の自由の否定のように映ります。

 多元化の時代に、多元性を認めない独善的主張を繰り返していては、ますます韓国嫌いが増えてしまうのではないかと心配します。


10、「中日新聞」10月10日、「世界遺産米、味わって。今月発売。五箇山和紙で袋づくり」
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2007101002055302.html

 このニュースについては、先日、富山新聞の記事について書きました。気になることがありましたので、取り上げます。

 五箇山では棚田オーナー制度があり、貴重な自然と文化を残そうと努力しているようです。
http://agri5yama.exblog.jp/

 同じような試みは各地にあるようですが、古くから土地に住む住民と外部から参加している協力者との間には、ときとしてどうしても越えがたいミゾのようなものがあるようにも聞きます。

 先日、ある方からいただいたメールには、稲作への思いが深い古老たちなどは伊勢神宮への信仰を当然視しているのに対して、里山保全などを指導する学識経験者やボランティアはともすると近代合理性に傾き、伝統的な精神性が等閑視されている、というような内容がつづられていました。

 私のつたない経験でいえば、農作業を撮影に来た、還暦は過ぎていると思われるカメラマンが、水口の御幣を見て、「これは何のおまじないか」と質問しているのを聞いて、驚いたことがあります。この年代でも民俗についての知識が豊富とは限りません。

 農業への物的、人的支援がかえって貴重な精神文化を排斥する結果にならないようにと願いたいと思います。


11、「朝鮮日報」10月10日、「高麗青磁発掘のきっかけを作ったイイダコの顕彰碑建立へ」
http://www.chosunonline.com/article/20071010000052

 海に眠っていた200億ウォン以上といわれる高麗青磁の発掘の立役者はイイダコだった、というのでイイダコの顕彰碑を建てるというのですが、韓国では前代未聞のことと伝えられます。

 日本人なら万物に霊が宿るという考え方があり、はりや筆、人形、豆腐、クジラの供養をする伝統行事が各地に伝えられていますが、この記事によると、韓国ではイヌの顕彰碑はあるけれど、イイダコの顕彰碑ははじめてだといいます。

 イイダコにも人間と同じように霊が宿っていると考えるようになったのか、といえば、どうもそうではないようで、立役者のイイダコはすでに直売場で売られてしまっている、と記事は伝えています。

 日本人が想像する、モノや動物に対する感謝や慰霊としての「顕彰碑」とはどうやら違うようです。韓国人をよく知る友人は「韓国人はすべてカネです」と言い切っていることからすると、「顕彰」すべきイイダコの功績とは「200億ウォン以上」にポイントがあるのかも知れません。


12、「朝鮮日報」10月11日、「中国軍、台湾有事に備え、大規模な人事異動」
http://www.chosunonline.com/article/20071011000003

 南京軍区出身の幹部らを最高指揮部に配備したのは、台湾独立の動きに対して、武力行使をも辞さない、という意思表明と記事は指摘しています。


13、「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」10月10日、「中国次期執行部の候補、出揃う」
http://www.melma.com/backnumber_45206_3856132/

 「中国は法治国家ではなく、人知の国」と宮崎さんは書いていますが、まったくその通りだと思います。近代化できない最大のネックということでしょうか。

 宮崎さんの昨日のメルマガは、国家予算の1割に相当する毎年860億ドルが汚職費用として闇に消えている、というカーネギー財団の報告書について、ブルームバーグニュースの報道を引用しています。ルール無用の国の驚くべき実態です。
http://www.melma.com/backnumber_45206_3857085/

 カーネギーの報告書の原文はこちらです。
http://www.carnegieendowment.org/publications/index.cfm?fa=view&id=19628&prog=zch


 以上、本日の気になるニュースでした。

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