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ダライ・ラマ、キリスト教、教科書検定。 [天皇・皇室]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(平成19年10月19日金曜日)からの転載です


◇今週から、週刊の「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンがスタートしました。下記のmelma!のページを開き、アドレスをご登録の上、ご愛読いただければありがたいです。

第1回のテーマは「天皇陛下のお稲刈り」です。
http://www.melma.com/backnumber_170937/



〈〈 本日の気になるニュース 〉〉


1、「時事ドットコム」10月18日、「北朝鮮国民は『虐待の矢面』に。経済・安保上の保証も勧告。国連人権報告」
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2007101800562

 「一般市民は当局のせいで苦しんでおり、組織的かつ広範な無数の虐待の直接の被害者だ」と北朝鮮を批判するウィティット特別報道官の報告書だそうです。


2、「AFPBB News」10月19日、「ダライ・ラマへの勲章授与、中国が米大使に正式抗議」
http://www.afpbb.com/article/politics/2299842/2258154

 昨日の日経は、中国外務省報道官の「粗暴な内政干渉で、強い不満と断固たる反対を表明する」という批判が国営新華社通信の英語版で発表されたものの、中国語版では報道せず、外務省のホームページも関連する質疑応答を載せなかったことから、アメリカ向けには強い抗議の意思を示す一方で、国内の対米感情に悪影響を及ぼすことを避けたい思惑があるのではないか、という記事を載せていました。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20071018AT2M1702C17102007.html

 今度の抗議は、中国に駐在する大使を呼びつけて「強い抗議の意」を表したのですが、新華社はこれをどう伝え、外務省はどのような広報を行うのでしょうか。

 折から党大会が開催中ですが、胡錦涛は権力の完全掌握に失敗したと伝えられます。靖国参拝問題がそうだったように、中国の保守派はチベット問題を政争の具として、今度は「反日」ではなく「反米」という形で、さらなる胡錦涛の追い落としに向かうのかどうか。

 チベット問題については、こちらをどうぞ。
http://homepage.mac.com/saito_sy/religion/H120214JStibet.html


3、「マレーシア・ナビ」10月17日、「改宗者の母、宗教違い、保険受け取れず7年」
http://www.malaysia-navi.jp/news/071017090756.html

 軍人の息子が殉職したのですが、息子はイスラムに改宗したものの、母親は非イスラム教徒。「イスラム教徒の遺産を非イスラム教徒は相続できない」と定めるイスラム法によって、母親はもう7年間も保険金を受け取れないでいるというのです。


4、「西日本新聞」10月19日、「アジア巡礼所責任者会議。教会群登録の支持決議。『世界に誇るべき』全会一致で採択」
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/nagasaki/20071019/20071019_004.shtml
 
 アジア11カ国の巡礼地の代表者による会議で、長崎の教会群の世界遺産登録を支持する決議が全会一致で採択されたのだそうです。

 この会議は、ローマ教皇庁移住者移動者司牧評議会が主催したもので、3年目となった今回は日本で初めての開催でした。
http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20071016ddlk42040488000c.html

 世界遺産登録はけっこうなことですが、気になるのは、1つは、世界遺産登録や来年11月に予定される188人の殉教者の列福が、いまの教会指導者がさかんに主張している、あたかも近世以降、終戦まで、ずっと迫害と弾圧が続いてきたかのような誤った歴史観が定着することにならないかということです。

 長崎県が県をあげて進めている運動にも、たとえば、悲しむべき近世の迫害がなぜ起きたのか、という冷静な歴史論が欠落し、キリスト教をもっぱら被害者の立場に置く一方的な歴史が描かれています。
http://www.pref.nagasaki.jp/s_isan/

 教会指導者は明治以後も迫害が続いたかのように主張しています。
http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/doc/cbcj/070223.htm

 しかし、たとえば、ほかならぬ長崎の大浦天主堂は、昭和8年に国宝に指定されました。当時のカトリック新聞は、2月に同天主堂で開かれた祝賀会のもようを次のように伝えています。

 祝賀会で早坂司教が「国宝指定は日本政府の進歩のしからしむるところで、禁教迫害に悩んだ往事と思い合わせて、今昔の感に堪えない」と述べると、来賓の鈴木知事は「政府の進歩だけでなく、宣教師の伝道の方法に進歩があった。私個人はキリストの教えにいささかの疑いを持たず、洗礼を受けてもいいとさえ思っている」と挨拶したというのです。

 迫害はあってはならないことですが、近世の迫害以前に、キリシタン領主らによる強制的な改宗があったことや神社やお寺が焼き払われたこと、などが知られており、近世の迫害はけっして理由のないことではありませんでした。鈴木知事はそのことに言及したものと思われます。

 しかし驚かされるのは、天主堂の国宝指定はもちろんのこと、司教と知事との率直なやり取りが当時、可能だったこと、しかも教会の機関紙にそのまま掲載されていることでしょう。それ自体、少なくともこの時点において、迫害の時代ではない、という証明といえるでしょう。

 蛇足ですが、昭和8年といえば、戦前・戦中の迫害の象徴ともいわれる上智大学生靖国参拝事件が起きた翌年です。この事件自体そうですが、けっして迫害と呼ばれるべきものではありませんでした。

 そのように考えるとき、都合のいい歴史をもっぱら主張する今日の指導者たちの言動は大いに議論を感じずにはいられないのです。この会議でも、「世界に誇るべき」という決議が行われたというのですが、何を誇るべきだと決議されたのでしょうか。まさか「一方的な迫害と殉教の歴史」でしょうか。

 日本キリスト教史に関心がおありの方は、ご参考までにこちらをどうぞ。
http://homepage.mac.com/saito_sy/yasukuni/H1905SRarchbishop.html


5、「西日本新聞」10月19日、「沖縄集団自決、教科書『軍強制』求める決議採択。九州地方知事会」
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/20071019/20071019_002.shtml

 記事によると、那覇市で開かれた知事会で、「日本軍の強制」を削除した教科書検定に関して、「(沖縄県の)要望に対して真摯(しんし)に対応されることを強く要望する」と国に求める決議が全会一致で採択され、近く国に提出する、というのです。

 見出しは「軍強制」の記述を求めている決議のようには読めますが、記事本文ではそのようにはなっていません。決議文自体はどのような内容なのでしょうか。

 沖縄新報にはもう少しくわしい記事が載っています。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-28190-storytopic-1.html

 しかし、少なくとも記事からは、「軍強制」の記述を復活するよう求めているようには読めません。記事によると、決議は「地上戦を体験し、筆舌に尽くし難い犠牲を強いられた沖縄県民の心情を重く受け止めて対応するよう求めている」というのですが、であればなおのこと、事実は何か、が客観的に、冷静に追究されるべきでしょう。

 教科書会社は「軍強制」復活に踏み出していますが、何か新しい史的根拠が見つかったのでしょうか。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200710180081.html


6、「公明新聞」10月18日、「政治資金のルール。記者会見で北側幹事長」
http://www.komei.or.jp/news/2007/1018/9874.html

 16日の衆院予算委員会で、民主党の石井一議員が、公明党議員の「上納金」などについて質問したことに関して、翌17日の記者会見で、北側幹事長は、「『上納金』の話は自己負担分だ」「石井議員は新進党時代、創価学会の支援で当選したこともあったのではないか」「(池田名誉会長への献金は)一切ない」と答えた、と記事は伝えています。

 今後、さらなる議論の展開があるのかどうか。


 以上、本日の気になるニュースでした。

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