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集団自決。合格した教科書も訂正を申請 [沖縄]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(平成19年11月13日火曜日)からの転載です


◇先月から週刊(火曜日発行)の「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンがスタートしました。今日発行の第5号のテーマは「『国平らかに、民安かれ』と祈る天皇」です。
http://www.melma.com/backnumber_170937/



〈〈 本日の気になるニュース 〉〉


「時事通信出版局」11月12日、「合格の教科書も訂正申請。集団自決検定問題」
http://book.jiji.com/kyouin/cgi-bin/edu.cgi?20071112-3

 検定意見が付かずに合格していた第一学習社の教科書も、「軍による強制」を書き込む訂正を申請したようです。

 来年度から使用される高校日本史の教科書で、沖縄戦に関して、「誤解するおそれのある表現」という検定意見を受け、修正したのは5社7種類の教科書でした。

 公表されている「修正表」によると、修正前と修正後は以下のようになっています。

□山川出版社「日本史A」(高村直助、高埜利彦ほか)203ページ囲み

「日本軍によって壕を追い出され、あるいは集団自決に追い込まれた住民もあった」
 ↓
「その中には日本軍に壕から追い出されたれたり、自決した住民もいた」

□東京書籍「日本史A」(田中彰ほか)158ページ

「日本軍がスパイ容疑で虐殺した一般住民や、集団で『自決』を強いられたものもあった」
 ↓
「『集団自決』に追い込まれたり、日本軍がスパイ容疑で虐殺した一般住民もあった」

□三省堂「日本史A」(青木美智男、深谷克己、鈴木正幸、木村茂光ほか)122ページ

「日本軍に『集団自決』を強いられたり、戦闘の邪魔になるとか、スパイ容疑をかけられて殺害された人も多く」
 ↓
「追い詰められて『集団自決』した人や、戦闘の邪魔になるとかスパイ容疑を理由に殺害された人も多く」

□三省堂「日本史B」(青木美智男、深谷克己、鈴木正幸、木村茂光ほか)226ページ

「さらに日本軍に『集団自決』を強いられたり、戦闘の邪魔になるとか、スパイ容疑をかけられて殺害された人も多く」
 ↓
「追い詰められて『集団自決』した人や、戦闘の邪魔になるとかスパイ容疑を理由に殺害された人も多く」

□実教出版「日本史B」(宮原武夫、石山久男ほか)206ページ

「日本軍は、県民を壕から追い出し、スパイ容疑で殺害し、日本軍の配った手榴弾で集団自害と殺し合いをさせ、800人以上の犠牲者を出した」
 ↓
「日本軍は、県民を壕から追い出したり、スパイ容疑で殺害したりした。また、日本軍の配った手榴弾で集団自害と殺し合いが起こった。犠牲者は合わせて800人以上にのぼった」

□実教出版「日本史B」(脇田修、大山喬平ほか)349ページ

「日本軍により、県民が戦闘の妨げになるなどで集団自決に追いやられたり、幼児を殺されたり、スパイ容疑などの理由で殺害されたりする事件が多発した」
 ↓
「県民が日本軍の戦闘の妨げになるなどで集団自決に追いやられたり、日本軍により幼児を殺害されたり、スパイ容疑などの理由で殺害されたりする事件が多発した」

□清水書院「日本史B」(加藤友康、荒野泰典、伊藤純郎ほか)223ページ

「なかには日本軍に集団自決を強制された人もいた」
 ↓
「なかには集団自決に追い込まれた人々もいた。この沖縄戦ではおよそ12万の沖縄県民(軍人・軍属、一般住民)が死亡した」

 このようにしてみると、集団自決に関する「軍の強制」は削除されましたが、「軍の関与」までは否定されていません。

 9月29日の沖縄県民大会の決議文は

「日本軍による関与なしに起こりえなかったことは紛れもない事実」などとして、

「県民の総意として国に対し、検定意見が撤回され、記述の回復がただちに行われるよう決議する」

 ととなっていますが、検定がすでに「軍の関与」は認めている以上、この決議文は客観性に欠けると言えます。

 10月18日の九州県知事会議の決議も同様です。

「日本軍による命令・強制・誘導等の表現を削除・修正した」は事実に反します。

 民間人がふつうにもっているはずもない手榴弾が集団自決に使われたのだとすれば、「軍の関与」は当然でしょう。

 しかし昨日のメルマガにも書きましたように、座間味島では昭和50年代に村の当事者が「軍の命令」を否定する証言をし、これを受けて沖縄県教育委員会は『沖縄資料編集所紀要11』(1986年)に梅沢元隊長の「戦闘記録」を載せ、『県史』の訂正に代え、そのことについて、当時の新聞は「部隊長の玉砕命令はなかった」と報道したのでした(宮城晴美『母が遺したもの』)。

 渡嘉敷島についても、最近になって、戦後の援護業務に携わった琉球政府の元職員が

「遺族たちに戦傷病者戦没者遺族等援護法を適用するため、軍による命令ということにし、自分たちで書類を作った」

「隊長が手榴弾を渡したというのも嘘」(昨年8月27日づけ産経新聞)

 と証言し、軍の強制を否定しています。「軍命による玉砕」は何とも切ないことに、遺族年金を得るための方便でした。

 過去の史実どころか、目の前の事実までも無視して、歴史や歴史教育を論じることに矛盾はないのでしょうか。

 そういえば、「11万人の県民大会」も事実ではなかったようです。報道では、県民大会を主催した実行委員会は

「県議会、県婦人連合会、県遺族連合 会など22団体で構成」

 と伝えられていましたが、実態は反政府団体が総動員されていたと聞きます。表面に出てくるのは都合のいい事実だけといえます。「県議会」ほかは利用の対象なのでしょう。

 なぜそこまでして「軍の強制」を盛り込み、高校生に「日本軍の悪行」をことさら教えなければならないのでしょうか。

 12月3日には、「大江・岩波裁判」の支援者らが検定意見撤回に向けて、全国集会を開くのだそうです。場所は、かつて軍人会館と呼ばれた九段開館です。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200711101300_02.html

 どうしてこうも好戦的なのか。


 以上、本日の気になるニュースでした。

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