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軍命はないが軍が強制した、ほか [沖縄戦集団自決]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(平成19年11月28日水曜日)からの転載です


◇先月から週刊(火曜日発行)の「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンがスタートしました。
今週発行の第7号のテーマは「白酒と黒酒──新嘗祭に捧げられる2種類の神酒」です。
http://www.melma.com/backnumber_170937/



〈〈 本日の気になるニュース 〉〉


1、「asahi.com」11月27日、「『集団自決、検定意見撤回を』。沖縄戦の専門家が意見書」
http://www.asahi.com/life/update/1127/TKY200711270157.html

 記事によれば、教科書会社から訂正申請について検討するため、教科用図書検定調査審議会から意見を求められた沖縄戦研究者の林博史・関東学院大学教授が、当局に提出した意見書の内容を公開しました。集団自決が日本軍の強制と誘導によって起きたこと、日本軍の存在が決定的であったことは沖縄戦研究の共通認識である、として、「日本軍の強制」を削除した検定意見を撤回すべきだとしています。

 林教授の意見書は教授のホームページからダウンロードできるようになっています。
http://www32.ocn.ne.jp/~modernh/essay99.htm

 この意見書によると、文科省は「学説状況などについて」「ご教示を賜りたい」と依頼したもののようですが、教授は意見書の冒頭、教科書検定に対する批判をひとしきり述べたあと、「ご依頼の内容」、つまり「学説状況」というより、もっぱら自著の『沖縄戦と民衆』についての解説に終始したあと、検定過程で自著の叙述が根拠とされたことについて「歪曲」「歪んだ検定」と抗議し、「検定意見を撤回すべきだ」と締めくくっています。

 しかし、審議会による「歪曲」には理由がありそうです。意見書のなかで教授が明記しているように、教授の著書には「赤松隊長から自決せよという形の自決命令は出されていないと考えられる」「『集団自決』を直接、日本軍が命令したわけではない」と記述されているからです。

 教授によれば、1970年代、80年代から戦隊長が自決命令を出していないと主張していることは研究者のあいだで広く知られているが、研究者はそのことを十分認識した上で、ある一つの命令があったかどうかではなく、日本軍が上陸してから何カ月もかけて住民を集団自決へと追い込んでいった、つまり「日本軍の強制と誘導」で集団自決が起きた、と主張するのです。

 直接の命令はなかったけれども、軍は捕虜になることを許さない思想教育で住民に恐怖心を植え付け、あらかじめ手榴弾を配って自決せよと言い渡し、集団自決へと追い込んだのは、軍の強制だという論理です。

 組織の命令の最終段階が欠けていた、というのか、明示的ではないが暗黙の軍の組織的意思が働いていた、というのか、私にはよく飲み込めません。状況をつくった原因を「日本軍」だと一元的に決めていいものなのか、疑問もあります。

 もう一度、教科書を読んでみましょう。

 たとえば、宮原武夫、石山久男ほか14名が執筆・監修する『高校日本史B』(実教出版)は、「第8章 大日本帝国の展開 15、日本の敗戦 十五年戦争は何をもたらしたか」で、申請段階では「この過程で日本軍は、県民を壕から追い出し、スパイ容疑で殺害し、日本軍の配った手榴弾で集団自決と殺し合いをさせ……」と記述していましたが、「誤解するおそれがある」との指摘を受けて、「日本軍は県民を壕から追い出したり、スパイ容疑で殺害したりした。また、日本軍の配った手榴弾で集団自決と殺し合いが起こった」と修正しました。

 直接の軍命がないのだとすれば、修正後の方が日本語として相応しいようにも見えますが、研究書における歴史解釈はともかく、どうしても教科書に「日本軍の強制」を書き込まなければ済まされない特別の理由が何かあるのでしょうか。


2、「日経ネット」11月28日、「ダライ・ラマ14世、「指導体制、住民投票で決定を」
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20071128AT2M2800N28112007.html

 自身の後継者選びなどについて、そのような考えを示したのだそうです。


3、「MNS産経ニュース」11月27日、「『日本の妨害は無駄だ』。北朝鮮紙」
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/071127/kor0711272240007-n1.htm

 アメリカがテロ支援国家指定解除に向けて動いているのを、「日本が妨害しても無駄だ」「卵戸磐を割ろうとする愚かな行為」と「労働新聞」が論評しているのだそうです。

 中央日報によれば、「道化師」とまで呼んでいるようです。自信たっぷりで、余裕を感じさせます。
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=93246&servcode=500§code=500


4、「MNS産経ニュース」11月28日、「中国駆逐艦が初来日」
http://sankei.jp.msn.com/world/china/071128/chn0711281315002-n1.htm

 中国軍艦艇の来日は昭和9年以来で、中華人民共和国建国後では初めてだそうです。信頼醸成が目的というのですが……。

 人民網日文版もさっそく画像つきで伝えています。
http://j.people.com.cn/2007/11/28/jp20071128_80347.html


 以上、本日の気になるニュースでした。

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