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慰安婦問題を解決する情熱と大志、ほか [慰安婦問題]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(平成19年12月15日土曜日)からの転載です


〈〈 本日の気になるニュース 〉〉


1、「中央日報」12月14日、「ヨーロッパ議会も『慰安婦決議』を採択」
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=93805&servcode=A00§code=A00

 韓国の中央日報によると、戦時中、日本軍が慰安婦を「強制動員」したことについて、日本政府の公式な認定、謝罪、賠償を要求する決議案を採択しました。一週間前には、元慰安婦3人が聴聞会で日本の「蛮行」を告発し、採決を訴えました。

 共同通信が伝えるところによると、次のような決議が行われたようです。
http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack/CN2007121301000714_Detail.html

 ▽事実認定など

 一、第2次大戦終戦まで日本政府は軍に対する性的労働のため、慰安婦徴用に関与。

 一、20世紀最大の人身売買の1つ。

 一、数十件の訴訟が日本の法廷で棄却。

 一、1993年の河野洋平官房長官、94年の村山富市首相の談話を歓迎。

 一、日本の一部政治家が談話を希薄化、無効化する意見を表明。

 一、日本の一部学校教科書が慰安婦問題を矮小(わいしょう)化。

 ▽対日要求

 一、公式な被害認定、謝罪を行い、明確な形で歴史的、法的な責任を負うことを日本政府に要求。すべての元慰安婦、遺族らへの賠償を要求。

 一、慰安婦問題が存在しないとする主張に対する公式な否定を要求。

 一、日本の国会に賠償請求の障害を除去する立法措置を要求。

 一、日本国民と政府に、自国の歴史を十分に認識することを奨励し、将来にわたる教育を要求。

 この決議を受けて、韓国の元慰安婦およびその支援団体はソウルの日本大使館前で決議受け入れを求める記者会見を開いたようです。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/071214/kor0712141241000-n1.htm

 今回の決議は、アメリカ、オランダ、カナダに続く決議ということになりますが、いずれにも共通しているのはどうやら欠席裁判的に審議が行われ、実証性に乏しい事実認定と対日要求が行われているらしいこと。同時に、日本の外交当局の関わりが見えないことです。それと、韓国人元慰安婦たちがほとんど完全に物取り的発想になっているらしいことです。

 今回の決議も、欧州議会は歴史の事実を客観的に見極めるために、どれほどの努力をしたのでしょうか。事実認定の第1点についていえば、軍の関与は明らかですが、中央日報が書いているような「強制動員」などはないだろうし、性的労働のための徴用に軍が関与したというより、逆に業者が慰安婦を「強制連行」するのを軍・警察がやめさせようとしていた事実を証明する資料さえ残されています。むろん当時は売買春は合法でした。

 朝鮮人が慰安所を経営していた事例もあります。ほかならぬ韓国政府が開設した「日本軍慰安婦サイバー歴史観」には、昭和12年に上海派遣軍野戦郵便長として従軍した佐々木元勝の『野戦郵便旗』が資料として掲載されていますが、この著書は、郵便局近くにあった「上海寮、皇軍将兵慰安所」に言及し、「ここは半島人(朝鮮人)が営業していた」と書いています。

 秦郁彦教授の研究によれば、同様の制度はドイツやイタリア、イギリス、ソ連などにもあったようですから、日本だけが標的にされなければならないいわれはないはずです。

 日本が謝罪や賠償を拒んでいるわけでもありません。

 日韓交渉では、日本側が韓国民個人に対して日本が直接補償する方法を繰り返し提案したのに対して、韓国政府は一括して受け取り、韓国民に仲介する方法を韓国側が主張しました。そして、結局、韓国政府は終戦後に死亡した者や被爆者、慰安婦などを補償対象としなかったのです。

 個人補償問題が今日まで尾を引く原因を作ったのは韓国政府です。そして案の定、韓国人元慰安婦などが日本政府に対して謝罪と賠償を要求する訴訟が何度も起きたのです。

 そのような事実関係を知った上で、欧州議会はなおも日本の裁判所の棄却判決を不当だと主張するのでしょうか。

 日本政府はそれでもなお、十数年前に、元慰安婦に対する国民的な「償い」に取り組むアジア女性基金を設立し、「償い事業」を実施しました。それがうまくいかなかった原因は、やはり韓国側にあります。当初は肯定的態度だったのに、やがて否定的評価に変わったのでした。

 だとすれば、なぜこのように何度も問題がぶり返されるのか。原因の1つは、韓国人が国際法の観念のみならず、国際マナーに欠け、歴史を問いかけるといいつつ、じつのところ実証的に考察する文化を持たないこと。そのうえに誰でも気づくことでしょうが、支援者と称する政治運動家が国際的ネットワークのなかで彼女たちをあおり、日本たたきのために利用し、元慰安婦たちが踊らされているということでしょうか。

 そのような政治的小細工に各国の議会が乗せられているのは何とも情けないことですが、同様にして、日本の外交当局もお粗末といわざるを得ないでしょう。

 日本の外務省のホームページには「慰安婦問題に対する日本政府の施策」が載っていますが、たとえば在カナダ大使館のホームページには慰安婦問題に関する記述が見当たりません。職業外交官たちは、決議案採択の前に、日本に対する誤解を解くためにどのような努力をしたのでしょう。

 葦津珍彦という神道思想家がいます。国交正常化から数カ月後、韓国を訪問し、大学教授や学生らと討論したときのことが伝えられています。独立後の韓国は李承晩政権以来の徹底した反日教育で「日本人ほど悪いヤツはいない」という国民意識に固まっていたのでした。

 知識は明らかに偏り、たとえば葦津がもっとも畏敬する金玉均については、日本に欺かれて反乱に失敗し、日本に亡命したが見捨てられ、上海で惨殺された、と日本人の配信と冷淡を語るのみで、終始、同乗と支援を惜しまなかった福沢諭吉や頭山満などの支援者の存在を知りませんでした。

 「諸君の歴史観では、よい日本人は一人もいなかったことにならないか」と葦津が問いかけると学生たちは黙ったままだったといいます。その学生たちに葦津は語りかけたのでした。

 ──諸君は、日本人を信用できないとする史料ばかりをたくさん知っていて、日本人に好意を感じ得るような知識はまったく持っていない、といっていいように見える。そして、一面的な知識を列挙して日本人を非難する。

 無責任で軽率な日本人は「過去は悪かった。反省する。これから仲良くする」などという。しかし、日本人が四、五百年もの長い間、悪いことばかりをし、好ましいことを何もしなかったのだとすれば、わずか10年か20年、「反省した」として、日本人を信頼できるのか。韓国人はそれほど甘い民族なのか。

 諸君の知識がさらに補強され、過去の日本人にも好ましい点、信頼すべき点があったことを発見してくれなくてはならない。そうでないかぎり、相互の国民的信頼感はけっして生まれないと思う。

 翌日、学生たちに見送られ、帰国の途についた葦津は、韓半島の山々を上空から眺めながら、父・耕次郎を思いました。まだ10代だった父は暴政に苦しんでいた朝鮮の民衆を思い、即席の韓国語を学んで渡鮮し、銃と太刀とを携え、2頭の馬をひいて、朝鮮半島鶏林八道の隅々まで旅したのでした。

 明治にはそんな青年はいくらでもいたのです。葦津は明治の青年たちの壮大な志と情熱を懐かしみながら、やがて将来、日本の青年が対日不信に固まった韓国の青年と交わり、その意識を心底から揺り動かし、深い信頼と友愛を築き上げることは容易ではない。それは偉大にして困難な、男子畢生(ひっせい)の大業というべきものである。才知や打算ではなく、山をも動かさねばならぬ、というほどの情熱と大志が要求される──と書き残しています。

 今まさにそのような青年たちが求められていませんか。


2、「AFPBB News」12月14日、「ダイアナ元妃死因究明審問、義父のフィリップ殿下との往復書簡が公開される」
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2325689/2455057

 記事は、ダイアナ元妃が義父のフィリップ殿下を「親愛なるパパ」と呼ぶなど、親しい関係をうかがわせる、と書いていますが、読売新聞はさらに、暗殺説の疑惑を打ち消す内容となりそうだ、と踏み込んでいます。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20071214i202.htm?from=navr

 ダイアナ元妃は離婚後、エジプト国籍でイスラム教徒の恋人と交際し、同乗していた車で交通事故に遭い、亡くなりました。恋人の父親は、異教徒との結婚を嫌う殿下が自己を仕組んだと主張しているといわれます。

 離婚の原因は直接的にはチャールズ皇太子とカミラさんとの不倫にあるといわれ、イギリス国民のあいだには若くして逝った元妃への同情論が根強いのですが、感情論ではすまされない深刻な問題も指摘されます。

 元妃とイスラム教徒の恋人が結婚すれば、もしイスラムの教えに従うとすると、元妃はイスラムへの改宗が望ましい、とされています。元妃は皇太子妃の称号「プリンス・オブ・ウエールズ」をもったまま離婚していますから、「皇太子妃」がイスラム教徒となり、さらに将来の王位継承者すなわちイギリス国教会の首長の元妃や母親が異教徒というような、国教会が容認しがたい事態が発生することになります。

 事故死を装った謀殺と疑われる背景にはこうした事情があるようです。


3、「AFPBB News」12月13日、「イスラム教徒の父親がスカーフ着用を拒んだ娘を殺害。カナダ」
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2325262/2453672

 イスラム女性のシンボルであるヘジャブ(スカーフ)を着用しようとしない娘を、熱心なイスラム教徒の父親が暴力を振るい、殺害してしまったというのです。

 娘は16歳。ごく最近、嫌がるようになり、家を出るときはゆったりしたイスラム的な服装をし、学校では体の線が出るようなきかたをしていた。何度か家出もしていた。年頃の娘の難しさは万国共通ではあろうけれど……。

4、「朝日新聞」12月13日、「在日韓国人、5年後韓国参政権へ。連絡準備会設置しPR」
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200712130066.html

 ようやく選挙権が認められるようになったのに、記事によれば、在日韓国人には母国での参政権に対する関心が薄い。つまり、それだけ帰属意識が乏しいということなのでしょう。在日韓国人とは日本人なのか、韓国人なのか、その帰属意識が問われているのでしょうが、選挙権を行使することで、果たして変わるのかどうか。


5、「Daily NK」12月14日、「ソウル駅にならんだ遺影。金正日の犠牲になった300万人の追悼祭」
http://www.dailynk.com/japanese/read.php?cataId=nk03100&num=1632

 記事によると、北朝鮮人権国際連帯の主催で、100人あまりが参加し、犠牲者を慰霊したのだそうです。


6、「朝日新聞」12月15日、「社説。南京事件70年─数字の争いを超えたい」
http://www.asahi.com/paper/editorial.html

 「新しい記念館の壁などには『30万人』という犠牲者数が書き込まれている。中国での戦犯裁判で確定した数字、というのが中国側の公式見解だ」けれども、「私たちも30万人はいくらなんでも多すぎると思う」とあります。朝日の社説がこのように書いたことは注目されます。

 相互殺戮、相互破壊が戦争ですから、悲惨なことはいくらでも起こりえます。

 当時、中支那派遣軍司令官の松井石根大将は「昭和の聖将」ともいわれる人物だったと聞きます。孫文を敬愛し、中国文学に親しみ、「アジア人のアジア」を信条としたのでした。

 その松井が司令官の地位にあったのは何というめぐり合わせでしょうか。首都・南京入城後、松井は戦陣に散った日中双方の将兵の御霊(みたま)を慰めたいと、血潮に染まった激戦地の土を集めさせました。

 それを日本に持ち帰り、瀬戸焼にして、高さ一丈の観音像を建立したのが熱海・伊豆山の興亜観音で、松井は「縁起」にこう書いています。

 「支那事変は友隣相撃ちて莫大の生命を喪滅す。じつに千載の悲惨事なり……観音菩薩の像を建立し、この功徳をもって永く恨親平等に回向し、諸人とともにかの観音力を念じ、東亜の大光明を仰がんことを祈る」

 中国や韓国からも多くの寄進を受け、昭和14年の冬、興亜観音は落慶します。退役した松井は、文子夫人と二人、山麓に隠棲し、21年3月に巣鴨拘置所に収監されるまで、読経三昧の晩年を過ごしました。

 「後のことは頼むよ」という言葉を残して松井が去ったあと、組織的な支援が期待できないなか、3人の子供を育てながら、苦労して観音像を守ってきたのは伊丹忍礼夫妻で、いまは3人の娘さんが亡き両親の遺志を継いでいます。

 朝日の社説は「数字の争い」を超えた和解を訴えていますが、そのために何をするのか、あるいは何ができるのか。

 中国に対する思いを人一倍持ちながら、何の因果か、司令官となり、闘いのあとには日中双方の犠牲者のために慰霊の晩年を過ごした松井、そしてその祈りを継承してきた伊丹さんたちの生き方が1つの示唆を与えていないでしょうか。いくら針小棒大に犠牲者の数を水増しし、侵略者を糾弾したからといって、死者が慰められるはずもないのです。


 以上、本日の気になるニュースでした。
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