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中国をバカにしている!?、ほか [中国]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(平成19年12月25日火曜日)からの転載です


〈〈 本日の気になるニュース 〉〉


1、「MNS産経ニュース」12月25日、「正論・中国軍事専門家・平松茂雄。海自補給を中国軍が代行?」
http://sankei.jp.msn.com/world/china/071225/chn0712250248000-n1.htm

 インド洋での海上給油を中国海軍が肩代わりする可能性を考えていたら、やっぱり、ということになってきました。

 その可能性がない、と最初から決めてかかっている人たちに対して、畏敬する平松先生は異議を唱えているのですが、それについてはひとまず置くとして、もし実際に中国の肩代わりが実現すれば、日本の国際的地位の低下のみならず、シーレーンの確保、ひいては国家の安全に対して重大な影響を及ぼすのではないかと危惧します。

 さて、「中国をバカにしていると……」という先生の指摘はごもっともです。

 たとえば、城野宏という人物がいます。

 昭和20年の終戦とほぼ同時に、国民党政府と共産党軍との内戦が始まったとき閻錫山軍と提携し、毛沢東軍と戦った多数の日本人たちがいたなかの中心人物です。

 大正2年、長崎に生まれた城野は、その著書によると、徴兵で中国に渡り、昭和16年、中華民国山西省政府の顧問補佐官として民政・警察・軍隊を主管し、日本軍とともに共産軍と戦いました。いっしょに戦う中国人は敵の砲撃から身をもってかばい、「俺たちは友人なのに、なぜ戦わなければならないのか」といって泣いたといいます。

 戦争が終結したあと、部隊幹部に日本の降伏を告げると、彼らは涙を流し、「いつまでもともに行動してくれ」と手を握ったのでした。

 そこで結成されたのが、「祖国復興・山西独立」をスローガンにする山西独立軍です。目的は、来るべき日本国家復興をにらみ、三国志よろしく蒋介石と毛沢東を競わせて、その中を絶ち、省内の重工業をおさえ、同省を日本の供給基地として確保することでした。

 共鳴した日本軍残留部隊1万5000に中国人兵士が結集し、さらに閻錫山の軍隊6万と合作、毛沢東軍と対峙しました。最終的には50万の兵力を誇りましたが、蒋介石軍が共産党軍の勢いに押され、しかも降参するたびにそのまま共産党軍に変貌していきます。こうして三国志の構想は崩れたのでした。

 当時の読売新聞が、省都・太原を死守する日本人中将今村方策との会見記事(米シカゴ・トリビューン紙)の翻訳を載せています。そのころ今村は、共産軍の包囲下にあ ること4カ月、和平か抗戦かの岐路に立っていました。「飛行機が数百機あれば敵の交通線を遮断できるが、残念ながらそれがない」「中国共産党が全中国を占領すれば日本も必ず同じ運命をたどる」。そばにいた城野少将は強くうなずいたと記事に書かれています。

 さて、前置きが長くなってしまいました。じつは城野は東京帝国大学で中国語を学んだ第一号といいます。日中対立が激化していた当時、じつに驚くべきことに、文官養成の最高機関たる東大法学部に当時、中国語のできる中国研究者はいなかったのです。日本人の中国観は古典の世界に偏り、ときに正確な知識もなしに蔑視していたのでした。

 城野が中国語を学ぶようになったきっかけは、同じ教室で机を並べて学ぶ、中国から留学してきた女の子でした。「ノートを見せて欲しい」といわれ、つきあいが始まった中国の青年たちが語る中国は城野がそれまで知っていた中国とは違っていました。以来、城野は中国語と現代中国を学び始め、中国人たちの信頼を得ていったのです。

 等身大の中国を知る努力を怠り、観念主義に走れば、中国との真の和解も友好も成り立たないばかりでなく、国は保てないでしょう。


2、「NHKニュース」12月24日、「教科書5社が記述を再修正」
http://www3.nhk.or.jp/news/2007/12/25/d20071224000080.html

 「日本軍の強制」をにじませる教科書会社の訂正申請に対して、文科省の教科書検定審議会は「日本軍の直接的な命令を示す資料は見つかっていない」とり見解をあらためて示し、修正を求めたようです。今週末には審議会の結論が出るとニュースは伝えています。

 一方、大江・岩波訴訟の方は先週、結審し、来年3月に判決が言い渡されるようですが、どのような判決になるのでしょうか。


 以上、本日の気になるニュースでした。
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