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キリスト教に環境問題の解決能力はあるのか [キリスト教]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(平成19年12月29日土曜日)からの転載です


〈〈 本日の気になるニュース 〉〉


1、「日本経済新聞」12月25日、「ローマ法王、地球環境を憂慮、クリスマス・メッセージ」
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20071225AT2M2501H25122007.html

 ローマ教皇が恒例のクリスマス・メッセージで環境問題に言及したことが話題になっています。日経新聞は、教皇が「激変する地球環境が原因で度重なる自然災害が引き起こされている」と指摘したうえで、災害に伴う移民や難民が急増していることに憂慮を示した、と伝えています。

 サンピエトロ大聖堂のバルコニーからイタリア語で呼びかけられた教皇のメッセージは、カトリック中央協議会のホームページに和訳が載っています。
http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/feature/newpope/bene_message274.htm

 これによると、教皇が「環境問題」に言及したのは最後の部分でした。「すべての人を照らすために来たキリストの光が輝いて、貧困と不正と戦争の暗闇の中に生きる多くの人々を慰めてくださいますように」と訴え、「世界中で移住者、難民、避難民の数がますます増加しています。その原因は度重なる自然災害であり、自然災害はしばしば憂慮すべき環境破壊からもたらされます」と指摘したのでした。

 環境破壊が自然災害をもたらし、人々の不幸を生む、という指摘はもっともなことですが、それなら環境破壊の原因はどこから来るのでしょうか。

 国際日本文化研究センターの安田喜憲先生は、地球環境の悪化は近代ヨーロッパ文明の繁栄と関わりがある、と指摘しています(「講座文明と環境9」)。

安田先生は5000年前に書かれたギルガメシュ叙事詩に注目します。森の神を怪物とし、森の破壊者を英雄と称える神話です。自然への畏敬を失った人間によって、メソポタミアの森は消滅し、そして最古の文明は崩壊したのでした。

 ちょうどモーセの出エジプトのころ、ナイル川のほとりで一神教が生まれます。唯一神のもとで人間を世界の中心におき、自然を征服し、支配する思想はユダヤ・キリスト教に受け継がれました。

 ヨーロッパが自然破壊の文明に席巻されるのは12世紀以降のようです。アルプス以北の大森林は急速に開墾され、消滅するのですが、森林破壊の先頭に立ったのは宣教師だといわれます。ケルトやゲルマンの神々を排斥し、聖なる森を切り開き、聖木を切り倒し、それが正義だと信じて疑うことはありませんでした。

 自然征服の文明は15世紀以後、世界に広がります。北アメリカでは入植から300年で8割の森林が消滅したと安田先生は指摘しています。砂漠に成立した一神教が緑の大地を砂漠化し、無機質的、無生命の都市を築き、砂のような大衆と都市の病理を生んだのです。

 教皇は地球環境の悪化に憂慮を示しましたが、その解決の糸口は、ほかならぬ環境破壊の当事者とも目されるキリスト教の信仰から見いだされるでしょうか。

 ご参考までにこちらをどうぞ。
http://homepage.mac.com/saito_sy/religion/H090414JSanimism.html


2、「MNS産経ニュース」12月28日、「英国人の半数『次期国王はウィリアム王子に』」
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/071228/erp0712280959002-n1.htm

 これまでもそのような声が聞かれていましたが、アメリカの世論調査ではイギリス人の半数を超える回答があったというのです。とくに若い世代では7割にも達するというのですから、驚きます。

 しかし、歴史と伝統のあるイギリス王室ならば、王位継承に関するルールがあります。イギリスの王朝には父母の同等婚と王朝の交替という大原則があります。女王の継承が認められてきたのも、その前提にあるのはこの原則です。

 たとえば、20世紀初頭、ヴィクトリア女王のあと長男のエドワード7世が即位しましたが、同時にハノーヴァー朝は幕を閉じ、女王の王配であるアルバート公にちなんで、ハノーヴァー=サクス・コバータ・ゴータ朝に交替しています。

 70年前、「王冠を賭けた恋」がイギリス王室を揺るがしました。エドワード8世はアメリカ人シンプソン夫人との結婚を選び、王位を断念しました。同夫人は王統に属する血筋ではありませんでした。父母の同等婚という原則が守れないからということでしょう。

 現在のエリザベス二世の夫君はギリシャ、デンマーク、ノルウェーの王家の出身ですから、次の国王は、その王家にちなんだ王朝に交替することになるのでしょう。

 気がかりなのは、チャールズ皇太子はスペンサー伯爵家のダイアナと結婚しましたが、王子たちの結婚です。ウィリアム王子の交際相手と噂される女性は一般家庭の生まれです。二人がこのまま結婚することになれば、王位継承はどうなるのでしょう。世論の望むままに、というわけにはいかないでしょう。

 ご参考までにこちらを。
http://homepage.mac.com/saito_sy/tennou/H181218JSeurope.html


3、「日本海新聞」12月29日、「犠牲者6人を追悼慰霊。余部鉄橋列車転落事故」
http://www.nnn.co.jp/news/071229/20071229003.html

 20年前に起きた事故の犠牲者6人を慰霊する法要が遺族連絡会の主催で営まれ、僧侶が読経し、参列した遺族や町、JR西日本の関係者などが慰霊碑の前で焼香したのだそうです。犠牲者の方々には心から哀悼の意を表します。


 以上、本日の気になるニュースでした。
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