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踏襲されてはならない入江時代の「悪しき先例」 [宮中祭祀簡略化]

以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンからの転載です


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 踏襲されてはならない入江時代の「悪しき先例」
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▽1 ご公務がお取りやめに
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 さて、心配なニュースが飛び込んできました。天皇陛下が不整脈などの症状が見られることから、ご公務を取りやめて、休養されるとのことです。

 12月3日の宮内庁発表によると、2週間前、不整脈による胸部の変調を感じられ、2日夜には血圧の上昇が見られるようになったようです。検査と休養のため3日、4日のご公務がすべてお取りやめとなりました。5日の発表では、この日も引き続き検査と拝診のために、行事が取りやめになりました。
http://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/gokenkou-h201205.html

 報道によると、金沢一郎・皇室医務主管は3日の会見で、ご容態は安定していると語ったと伝えられますから、まずはひと安心ですが、興味深いのは宮内庁の対応です。宮内庁は今回、いわゆるご公務の取りやめについてのみ発表し、祭祀については言及がありません。今年2月、3月の発表の内容と一変しています。

 2月の発表では、金沢医務主管は、ガン治療による副作用の影響で新たな療法の必要性について述べ、風岡典之・宮内庁次長は、運動療法実施のためにご日程のパターンを一部見直す、と補足していました。

 翌3月には、ご負担軽減のために、祭祀の態様について所用の調整の検討が進められていることが、両氏の連名で追加説明されたのでした。
http://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/gokenkou-h200324.html

 いみじくも3月の発表が「宮中三殿祭祀と両陛下のご健康問題」と題されていたように、「御日程の見直し」の標的とされたのは祭祀でした。しかし今回は、「すべての日程のお取りやめ」で、予定されていた御進講、お話に続く午餐、拝謁、お茶などのご公務が取りやめとなったのでした。


▽2 ご負担軽減は緊急の課題

 11月23日夜の新嘗祭を間近に控えたころに変調を感じられたと拝察されるのに、陛下は神嘉殿での夕(よい)の儀、暁の儀を親祭になり、12月1日の宮中三殿での旬祭(しゅんさい)もおつとめになったことが宮内庁発表の「ご日程」から読み取れます。
http://www.kunaicho.go.jp/dounittei/gonittei-1-2008-10.html

 2月の発表では、御在位20年を超える来年から、という陛下のお気持ちを尊重して調整を実施するとされていました。陛下は祭祀王としての自覚から新嘗祭の親祭を強く望まれたのか、とも拝されます。

 報道によると、5日午後、政府関係書類に署名などをなさる定例のご公務は通常の宮殿ではなく、御所で行われました。週末はもともとご公務の予定がありませんが、月曜日以降のご予定はどうなるのでしょう。気がかりです。

 昨年の今ごろは栃木県行幸やタジキスタン、スリランカ大統領との会見などがありました。とくに寒さがつのるこれからの時期は主要な祭祀が集中しています。中旬には賢所御神楽、23日には天長祭、25日は大正天皇霊祭、さらに年末年始の重要な祭儀へと続きます。天皇第一のお務めである祭祀が、ご高齢となり、しかも療養中の陛下にとっていちだんと激務になることは間違いありません。

 したがってご負担の軽減は緊急の課題で、法的根拠や伝統的裏づけがあるわけでもないようなご公務のお出ましを削減し、あるいは御名代として皇太子殿下を立てるという方法を本格的に検討すべきだし、祭祀であれば、大祭なら皇族または掌典長に祭典を執行させ、小祭ならば皇族または侍従に拝礼させるという慣例を参考にすべきです。


▽3 祭祀こそ日本文明の中心

 ところが、宮内庁は2月に「昭和天皇の先例に従う」と発表してしまいました。

 昭和40年代以降、入江相政侍従長らは、ご健康、ご高齢に配慮するとうたいつつ、いわゆるご公務を祭祀よりも優先させ、「簡素化」(入江日記)と称して、祭祀の改変・破壊を断行したのでした。

 何よりも陛下のご健康、ご長寿を祈るとともに、宮内庁が入江時代の「悪しき先例」を踏襲することがないよう強く望みたいと思います。近著にくわしく書きましたが、天皇の祭祀こそ日本という多神教文明の中心だからです。


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