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3 それでも減らない陛下のご公務 [ご公務ご負担軽減]

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 3 それでも減らない陛下のご公務
(2009年8月11日)
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 陛下のご公務の件数がどうしても減りません。

 以下は過去3年間について、1~7月までのご公務ご日程の件数を、宮内庁発表の「天皇皇后両陛下のご日程」に基づいて、単純に足し算し、まとめたものです。
http://www.kunaicho.go.jp/activity/gonittei/01/gonittei01.html

    19年  20年  21年
1月  41   49   55
2月  41   33   34
3月  53   55   61
4月  50   59   72
5月  39   51   52
6月  40   45   52
7月  44   43   26
小計  308  335  352

 先月はご日程の件数が前月比ではじめて減りました。これは3~17日まで、半月におよぶカナダ、ハワイ公式ご訪問を1件と数えたからです。

 しかしそれでも1~7月までのご日程件数小計は減るどころか増えています。1月末に宮内庁はご負担軽減の方針を打ち出しましたが、少なくとも件数においてご公務の軽減は実現されていません。


▽さすがに減った拝謁・お茶・ご会釈

 中身を見てみます。宮内庁によるご公務の分類に準拠して、7月期のご公務を、「宮中のご公務など」「行幸啓など」について比較すると、以下のようになります。「国際親善」は省きました。

                  19年 20年 21年 21年の2
[1]宮中のご公務など       44  41  27  65
1─1ご執務など          7   7   6   6
1─2新年祝賀の儀・新年一般参賀  0   0   0   0
1─3天皇誕生日祝賀・一般参賀   0   0   0   0
1─4首相・最高裁長官の親任式   0   0   0   0
1─5大臣ほか認証官の任命式    2   2   1   1
1─6大綬賞などの親授式      0   1   0   0
1─7新任外国大使の信任状捧呈式  1   1   0   0
1─8元首ご会見・その他ご引見   7   6   0   13
1─9国内功労者の拝謁お茶ご会釈  22  21  16  24
1─10海外賓客の午餐・晩餐    0   1   0   17
1─11春秋2回の園遊会      0   0   0   0
1─12宮中祭祀          3   2   3   3
1─13その他(稲作など)     0   0   1   1

[2]行幸啓など
2─1都内の式典ご臨席       1   0   0   0
2─2式典ご臨席の地方行幸啓    0   0   0   0
2─3その他の都内お出まし     1   2   2   2
2─4その他の地方行幸啓      0   0   0   17
2─5地方ご静養          0   0   1   1

 6月まで増加傾向にあった「国内功労者の拝謁・お茶・ご会釈」もさすがに先月は増えていません。


▽外国ご訪問の中身を計上すれば

 ところが結論はまだ早いのです。

「1件」と数えたカナダ、ハワイ公式ご訪問の中身を、それぞれ計上してみると、一気に件数は激増します。

 いわずもがなですが、今上陛下が皇后陛下とともに、海外で国家元首とご会見になっても、それは「宮中のご公務」とはなりません。晩餐会のご出席や大学へのお出ましも同様ですが、これをあえて宮中のご公務、あるいは地方行幸と見立てて、数え上げたのが上の表の「21年の2」です。

 ご覧になってお分かりのように、ご会見・ご引見は0件から13件に、拝謁・お茶・ご会釈は16件から24件に、というように、数字はとたんに跳ね上がります。

 当局者がご無理のないような日程を組んでいるのだとは思いますが、2週間の海外ご旅行のご負担はいかばかりかと拝察されます。午餐・晩餐はほとんど毎日、行われています。

 一方、両陛下の私的な活動と位置づけられ、「ご公務」とは逆に、無残にも簡略化されている宮中祭祀ですが、あらためて過去3年間について、1~7月期の祭祀件数をまとめると次のようになります。

    19年 20年 21年
1月  8   7   4
2月  4   3   2
3月  2   4   1
4月  2   3   3
5月  4   1   1
6月  3   3   3
7月  3   2   3
計   26  23  17

 前月比で見ると6月同様、7月は件数が減っていないように見ますが、これは外国ご訪問の前後にお参りがあったからです。


▽祭祀ばかりが狙い撃ち

 具体的に見ると、昨年は、以下の2件でしたが、

平成20年7月1日(火) 天皇陛下 旬祭(宮中三殿)
平成20年7月30日(水) 天皇皇后両陛下 明治天皇例祭の儀(皇霊殿)

 今年は、以下の3件。

平成21年7月1日(水) 天皇陛下 賢所皇霊殿神殿に謁するの儀(外国ご訪問につき)(宮中三殿)
平成21年7月21日(火) 天皇陛下 賢所皇霊殿神殿に謁するの儀(外国ご訪問からご帰国につき)(宮中三殿)
平成21年7月30日(木) 天皇陛下 明治天皇例祭の儀(皇霊殿)

 つまり、1日の旬祭(しゅんさい)はご代拝となり、歴代天皇が天皇第一のお務めと考えてきた祭祀は簡略化されたままです。

 ついでにいうと、明治天皇例祭には昨年と異なり、皇后陛下の拝礼はなかったようです。ご代拝もなかったでしょう。側近による皇后のご代拝の制度が、宮内官僚によって昭和50年に一方的に廃止されたことは、このメルマガの読者ならすでにご存じのはずです。

 結論をいえば、陛下のご高齢・ご健康に配慮して、御公務および宮中祭祀に関して調整・見直しを図る、とした宮内庁の軽減方針は依然として、まったく守られていません。そして祭祀ばかりが狙い撃ちにされています。これは祭祀王としての天皇の否定です。祭祀の正常化が求められています。

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