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不気味な静寂──空知太神社訴訟「最高裁判決」のその後 by 北海太郎 [空知太神社訴訟]

以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンからの転載です


 今日は北海太郎さんのリポート「不気味な静寂──空知太神社訴訟『最高裁判決』のその後」と、荒木和博特定失踪者問題調査会代表のご了解を得て、調査会NEWS909(平成22年3月30日)から「初動」をお届けします。


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1 不気味な静寂
──空知太神社訴訟「最高裁判決」のその後
by 北海太郎
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 北海道砂川市が市の土地を空知太(そらちぶと)神社という村の鎮守に無償で提供していることについて、今年1月、最高裁は憲法の政教分離原則に違反すると判断しました。納得できない判決で、私が住む同じ北海道のT市でも、ある神社の宮司などは「疑問を感じずにはいられない」と怒り心頭でした。

 それから2カ月、何しろ同じような神社は道内にたくさんあるわけですから、各地で新たな動きがあるのかと思いきや、とくに目立った動きはありません。むしろ不気味な静寂が続いています。

 被告とされた行政側も、裁判を起こしたキリスト教関係者なども、いっさい動きがありません。最高裁判決は正確には札幌高裁への差し戻し判決でしたから、いずれ始まる高裁での審理の行方を眺めているという状況でしょうか。

◇1 高裁判決後、共産党市議が議会質問

 私が住むT市には、砂川市の空知太神社と同様に市が所有する土地に祀られ、宗教法人格を持たず、常駐する神職もいない、地域住民によって守り続けられてきた神社がいくつかあります。

 そのことについて誰かが不利益をこうむったということもなかったはずですが、にわかに市議会で取り上げられることになったのは、平成19年に札幌高裁が空知太神社訴訟で「違憲」判決を下したあとでした。

 半年後、開かれた一般決算審査特別委員会で、共産党議員が「市内において市有地にいくつかの神社が祀られている。政教分離の基本原則から考えると、神社に無償で貸し付けるのは、正しいあり方か?」「有償にした場合、最高で173万円、最低でも48万円、総額にすると237万円の土地使用料を徴収する事ができる。それなりの行政財産になりうるのでは?」などと質問したのです。

 これに対して市財政部長は、「これらの神社は、地域の文化や伝統行事として定着している。宗教法人格はないものの、みなし状態は好ましくない。各神社が鎮座している地域の住民や管理者等と話し合いを行い、解決して行きたい」と答弁しました。

 問題とされる各神社は総代・奉賛会といった管理者と市との間で土地の無償借り受けの契約を交わしており、また一部の神社では、固定資産税の対象となる建物もありますが、市側は非課税となる「宗教法人」とみなして、固定資産税の徴収などは行っていないようです。

 その理由は、市財政部長が答弁したように、各神社とも地域の文化や伝統行事として定着しており、ある特定の宗教を公機関が援助しているというような状況ではない、と行政側が判断してきたからでしょう。じつに自然なことであり、地域住人からの不平や不満の声などが今まで一度も無いのは当然です。

 その後、最高裁の違憲判決が出たわけですが、行政側も反対派もとくに動きはありません。

◇2 「住民と話し合いを持ちたい」

 たとえば、市の中心街にI神社があります。明治末年に建てられ、今日に至るまで地域住民の手で守られてきました。いつごろの都市計画かは定かではありませんが、複雑な経緯があり、現在では、隣接する児童公園とともに、神社それ自体が市都市建設部の所管する行政財産とされています。

 最高裁「違憲」判決のあと、市側はさすがに、「行政財産の状態は不適切であり、早急に普通財産にして他の神社と同様に扱う」と説明しています。

 「各神社とも町内会のお祭りで年一、二回使われる程度で、宗教性は無いと認識しているが、最高裁で違憲判決が下された以上、無視はできない。ただ、無償貸し付けしている土地を売却や有償契約を結ぶことは地域住民に負担を強いることとなるため、まずは地元住民と話し合いを持ちたい」というような主旨です。

 けれども、実際、協議の場が持たれたわけではありません。どのように対処してよいか判断しかねているのが現実なのでしょう。

 長い間、平穏な精神生活を維持してきた地域住民にとっては、最高裁の「違憲」判決は寝耳に水で、困惑しています。町内会の伝統行事として親しまれてきた祭りを、今後も変わることなく運営していけるか、不安なのです。有償契約・土地の売却など、いままで想像もしなかった問題に直面し、その対応策に翻弄され、最善策が見いだせないでいます。

◇3 卑劣きわまりない

 T市ですらこのような状況です。空知太神社訴訟および最高裁の「違憲」判決は、憲法が保障する信教の自由を保障するどころか、無用の混乱を招いてしまいました。

 原告の谷口栄氏は、クリスチャンの元教員で、平成15年には共産党の推薦を受けて砂川市長選挙に立候補し、現市長の菊谷勝利氏に敗れた人物です。

 今回の訴訟は、同氏が4年ごろ、市有地の無償貸し付けについて砂川市に公開質問状を提出したことに端を発しています。訴訟は、市長選に敗れた翌年に起こされました。

 同氏が所属するという日本キリスト教協議会の靖国問題委員会は、二審判決後、砂川市長に上告しないよう要求する声明を発表しています。

 以上のことから、同氏が純粋に信教の自由のために起こした訴訟とは、私にはとても思えません。神社神道や靖国神社に対する宗教的・政治的意図が明確に感じられます。その結果、純粋に地域の伝統文化を守り続けてきた素朴な地域住民を巻き込んでいます。卑劣きわまりないと感じられてなりません。

 このような策動に惑わされることなく、全国各地に鎮座し、長きに渡って守られてきた神社や伝統行事がけっして失われることがないようにと祈らずにはいられません。


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