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皇室の御繁栄こそが国の基本 by 後藤俊彦──宮中祭祀の簡略化を憂える [宮中祭祀簡略化]

以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンからの転載です


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 皇室の御繁栄こそが国の基本 by 後藤俊彦──宮中祭祀の簡略化を憂える
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◇新嘗祭の日に始まる「高千穂の夜神楽」

 11月23日は国の祝日で“勤労感謝の日”に制定されているが、戦前は“新嘗祭
(にいなめさい)”と言って天皇陛下が自らおつくりになった新米を神々に捧げ、自身でも召しあがられる祭日であった。

 この日は全国各地の神社においても、新穀を神前に供え、秋の実りに対する感謝と報告を行う新穀感謝祭がとり行われる。私の地方(宮崎県高千穂町)では、この日から“高千穂の夜神楽”が始まる。

 高千穂の夜神楽は、それぞれの地域に鎮座する氏神様を“神楽宿”と称する民家にお招きして、秋の実りに感謝し、神々と共に収穫を喜び、新穀を共食して夜を徹して歌舞を行うもので、国の重要無形民俗文化財に指定されている。

 この一大行事が終わると春の到来まで、山も神々も人々も冬のおこもりの時期を迎えることから、民俗学ではこの日のことを「神楽正月」とも呼び、生活史の上で大変重要なお祭りなのである。

 神楽の起源は、遠い神代の昔に天岩戸にお隠れになった天照大神さまを再び導き出すために、岩戸開きの神事が行われ、天宇豆売命(アメノウズメノミコト)が調子面白く踊りを踊ったことに始まると言われ、神話の世界にまでさかのぼる古いものである。

 このような古い伝統行事が、宮中でも民間でも連綿として継承されていることは、わが国の誇りであり、民族固有の信仰と文化のアイデンテティ(自己同一性)を示すものでもある。


◇祭祀こそ天皇の第一のお務め

 思うにわが国は、皇室そのものが神話に起源を有する世界で最も古く、伝統ある国家である。わが国の皇室及び天皇は、世界に多く見られる征服王や契約王ではなく、わが国の成り立ちの当初から自然に発生し、国民と国の歴史と文化を共有して存在してきた。

 表現を変えれば、神々によって国が生まれ、その神々の中でも最も貴い神(天照大神)の子孫が、高天原の神々の理念のもとに国を治めてきたというのがより正しい理解の仕方である。

 そして、その本質は“稲作と祭り”であったことは、皇室の歴史や多くの文献が明確に示している。いわば天皇及び皇室が第一義になさねばならないことは、個々の政治や行政に関与することではなく、天下泰平や五穀豊穣を祈る祭祀であり、文化の継承や護持であった。

 勿論、元寇(蒙古襲来)や明治維新など国家非常の危機にあった時、より政治的、軍事的支柱としてその御存在は発揮されたが、そのような時変においても“祭祀王”としての天皇の祈りは変わらず、有史以来常に御所(皇居)の奥深く「国安かれ、民安かれ」と国家国民の平和と繁栄を祈ってこられた。


◇わが皇室に国民が期待するもの

 しかるに敗戦後、わが国は7年余に及ぶ米国を中心とした占領軍の支配をうけ、わが国の伝統を否定し、信仰と文化を無視した国家、社会の体制を強いられ、政界、官界、教育界、言論界の多くの分野で反日的、非日本的風潮が蔓延して、皇室の尊厳やその御本質に無理解な人々が皇室と国家を危うくしているのは、誠に危険で恐れ多いことである。

 今上陛下は今年12月で77歳になられる。一昨年暮れ、御体調を崩されてご公務の負担軽減が検討されたのは当然のことである。しかし、その標的とされているのが宮中祭祀で、その他の政治行政上のご日程の件数が逆に増えているといわれることは由由しき問題である。

 ここ数年のわが国政の混乱と弱体化は目にあまるものがあるが、にも拘らずわが国が世界の先進国としてかろうじて信頼を得ているのは、天皇及び皇室の御存在をおいては考えられない。

 今上陛下に対し御憂念なきよう務めるのが政治家、官僚の仕事であって、自らの都合で利用することは厳に慎むべきことである。

 皇室の御繁栄と永続性こそがわが国の安泰と繁栄の基本であり、わが皇室に国民が求め期待するものは一時一局の政治やイベントの場に天皇陛下の御出席を煩わすことではなく、祭祀や祈りを通して国家と国民の文化や精神性に関わる永続的な部分を第一義に優先していただきたいということではないだろうか。

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