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建国記念の日の「三殿御拝」──紀元節祭にはあらず [宮中祭祀]

以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジン(2011年2月9日)からの転載です


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建国記念の日の「三殿御拝」
──紀元節祭にはあらず
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 今年も建国記念の日が近付いてきました。

 宮内庁のホームページに掲載されている「天皇皇后両陛下のご日程」によると、陛下はこの日、宮中三殿で「三殿御拝」をされます。初代神武天皇の即位に思いを馳せられてのことと思われます。
http://www.kunaicho.go.jp/activity/gonittei/01/gonittei01.html

 明治の皇室祭祀令では、この日、紀元節祭が行われました。大祭と位置づけられ、天皇は皇霊殿で神武天皇を親祭され、昭和3(1928)年からは三殿での祭祀に拡張されました。朝、昼、夕の三度、祭典が行われ、朝の儀は御饌が供進され、昼の儀は親祭、夕の儀は親拝のあと御神楽が奏されました。御陵に勅使が遣わされ、奉幣が行われました(八束清貫「皇室祭祀百年史」)。

 けれども、敗戦後、神道指令との関連で紀元節は廃止され、昭和22年以後、紀元節祭は中絶しました。

 昭和41年に祝日法が改正され、「建国をしのび、国を愛する心を養う」と定める「建国記念の日」が国民の祝日となり、翌年から適用されています。

 しかし天皇の紀元節祭は執り行われていません。ただ、夕の儀に行われていた皇霊殿御神楽は、4月3日の神武天皇祭の日に行われています。

 昭和58年に祭祀簡略化について議論が沸騰したとき、神社本庁は澁川謙一事務局長名による抗議の質問書を提出しました。

 質問は多岐にわたりましたが、祭祀の改変に関するものは3点あり、その中には「建国記念の日が法制化されたにもかかわらず、紀元節祭は復活されていない。廃止の理由を承りたい」という項目がありました。

 しかし、これに対する宮内庁の公式見解とされる東園基文掌典長の回答書に明確な説明はありませんでした。

 今日、宮内庁のホームページには宮中祭祀についての解説がありますが、「主要な祭儀」の中に「紀元節祭」は見いだせません。11月3日の明治節祭も同様です。
http://www.kunaicho.go.jp/about/gokomu/kyuchu/saishi/saishi01.html

「宮中祭祀は、現行憲法の政教分離の原則に照らせば、陛下の『私的な活動』ということにならざるを得ません」(雑誌「諸君」21年7月号掲載の渡邉允前侍従長インタビュー)というのが宮内庁の立場のようですから、陛下のご意向で紀元節祭が行われてもかまわないはずです。

 紀元節祭が行われないのは、何か不都合でもあるのでしょうか?


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