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祈りの力について考える──東日本大震災から立ち上がるために [東日本大震災]

以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジン(2011年4月6日)からの転載です


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祈りの力について考える
──東日本大震災から立ち上がるために
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▽1 おばあちゃんの祈り

♪トイレには、それはそれはキレイな女神様がいるんやで
 おばあちゃんがくれた言葉は、今日の私をべっぴんさんにしてくれてるかな

 植村花菜さんの歌「トイレの神様」には、孫娘の幸せを一途に思うおばあちゃんの優しい心情がつづられていて、感動的です。

 考えてみると、おばあちゃんというのは不思議な存在です。活発な経済活動をしているわけではまったくない、年金暮らしで、もしかしたら寝たきりかも知れない。しかし家族にとって、なくてはならない中心的存在です。

 おばあちゃんを家族の中心においているのは、この歌にも歌われている他者を思う思いやりの言葉、つまり祈りではないでしょうか。他者への思いや祈りには強権的政治力や圧倒的経済力に勝るとも劣らない、他者を精神的に支え、動かす大きな現実的力があります。

 祈りには重い心臓病を癒す効果さえあり、そのことは実験的に証明されている──アメリカの医師で医学学術情報誌の編集主幹を務めるラリー・ドッシー博士が、著書の『祈る心は、治る力』に紹介しています。

「130種以上の実験で、祈りや思いやり、共感、愛がさまざまな生物に健康上プラスの変化をもたらすことが統計学的に示されている。希望には治癒効果があり、絶望は命を奪う」というのです。

 植村さんが歌うおばあちゃんの祈りは、家族にとって、生きる力の源なのです。


▽2 今上陛下のビデオ・メッセージ

 日本の天皇は「祈る王」といわれます。キリスト教世界の王が絶対神に根拠をおく「地上の支配者」であるとのはまったく異なり、国と民のため、ひたすら祈る祭祀王です。

 皇祖天照大神はキリスト教の絶対神とは違って、神話のなかでは弱々しくさえ見えますが、けっして無力ではありません。むしろ逆です。世界最古の王朝が今日まで続いている理由は、祈りの力でこの国を治めてこられたからからでしょう。

 今上天皇は巨大地震発生の5日後、初のビデオ・メッセージを発表され、いたわり合いによる災害の克服と復興への決意を国民に直接、呼びかけられ、多くの国民の感動と勇気を与えました。悲しみや憂いをも共有しようとされる天皇の祈りは、犠牲者を慰め、被災者をいやし、日本を復興させる精神的出発点です。
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 天皇の公正かつ無私なる祈りと皇室に対する国民の信頼が続くかぎり、日本は新たな命を得、蘇ります。

 であればこそ、側近たちの偏見や原理主義的憲法解釈、官僚的先例主義によって簡略化された宮中祭祀の正常化を、私は心から願わずにはいられません。


▽3 平成の今泉定助

 歴史を振り返れば、90年前、大正12年の関東大震災のとき、今泉定助という神道思想家がいました。近代神道史上、もっとも大きな社会的影響力をもった神道思想家といわれます。震災当時は、伊勢神宮の崇敬団体・神宮奉斎会の会長でした。

 神宮奉斎会長としては焼失した日比谷大神宮の復興が当面の任務でした。しかし今泉は「目に見える神殿の建設より、国民精神の再建が急務である」と考え、退廃する人心をただす精神運動の先頭に立ちました。神宮大麻普及の啓発、門松・国旗の普及に努め、その結果、震災後のバラックの民家にも神棚がまつられるようになったと伝えられます。

 いま戦後最大の自然災害で、経済の萎縮が心配されています。冬の時代は当分続くのでしょう。冬は春を待つ祈りのときです。しかし冬の厳しさこそ、あたたかい春の前触れです。世界中の祈りは日本の春を待ち望んでいます。

 関東大震災後、東京復興を指導した後藤新平の名前はよく知られています。いま「平成の後藤新平、出でよ」という声が聞かれますが、もう1人、求められる「平成の今泉定助」は現れるでしょうか。


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