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肉親の50年祭に参列されない陛下──公正かつ無私なる天皇のお立場 [天皇論]

以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジン(2011年8月2日)からの転載です


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肉親の50年祭に参列されない陛下
──公正かつ無私なる天皇のお立場
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 異能の漫画家を多数輩出した「ガロ」の版元・青林堂から、共著『日本人なら学んでおきたい靖国問題』が発売されました。
http://www.garo.co.jp/comic/

 編集は高森明勅先生、著者は高市早苗、遠藤浩一、富岡幸一郎、中村粲、ヴルピッタ・ロマノ、石平、山村明義の諸先生方と私です。

 私は「歴史的視点で問い直す靖國問題─『反靖國派』の論理と倫理。大新聞とカトリック指導者の場合」を書きました。3年前の雪の降る日、靖国神社で講演したときの講演録が元になっています。

 お買い求めのうえ、お読みいただければありがたいです。

 あの日、講演会でごいっしょした中村粲先生が昨年、亡くなられました。あらためてご冥福を祈ります。


▽1 東久邇成子・元内親王の50年祭

さて、すっかり旧聞になりましたが、先月23日は今上陛下の長姉で、昭和36年に35歳の若さで亡くなった東久邇成子・元内親王殿下の50年祭でした。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201107/2011072300208

 東京・文京区の豊島岡墓地で50年祭が行われたこの日の午後、今上陛下は皇后陛下とともに、墓前で拝礼されたと伝えられます。

 お姉様とはいえ、陛下のお立場では臣下であり、年祭にはお出ましになりません。公正かつ無私なる天皇としてのお立場を守られてのことと拝察されます。


▽2 「父親ってそういうものか?」

 陛下の学習院時代の「ご学友」、橋本明・元共同通信記者は、2年前に出版された『平成皇室論』のなかで、学習院高等科時代、発禁小説を回し読みしたとき、橋本さんの父親は涙を浮かべて説教した。けれども、その話を聞いた明仁親王は「父親ってそういうものなのか」というひと言だけだった、という逸話を紹介し、若き日の陛下が、親とはどんなものか想像すらつかなかった、と述べています。

 橋本さんは、乳人制度のなかで、両陛下の元を離れ、たった1人で生活されてきた明仁親王は、温かい家庭を知らない不幸な人間だ、というイメージでとらえ、皇室の制度は因循姑息な封建的悪弊だと指弾しているように見えます。


▽3 乳人制度はなぜ続いてきたのか

 乳人制度を採用せず、養育係長が置かれずに、昭和天皇と香淳皇后の元で育てられたのが成子内親王でした。しかしうまくいかなかったようで、学齢期をお迎えになったころ、呉竹寮が建設され、両陛下の元を離れることになったと聞きます。

 一見、非人間的に見える乳人制度はなぜ続いてきたのか、といえば、天皇が公正かつ無私なるお立場であるからのほかなりません。

 陛下も若き日にはさまざまな人間的葛藤がおありだったに違いありませんが、いまは天皇のお務めを粛々と果たされていることに心から敬意を表さずにはいきません。

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