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天皇の、天皇による祭祀──日本教育再生機構広報誌の連載から [宮中祭祀]

以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジン(2013年4月5日)からの転載です


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天皇の、天皇による祭祀
──日本教育再生機構広報誌の連載から
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 日本教育再生機構広報誌「教育再生」の連載から転載します。なお、一部に加筆修正があります。


 宮内庁のHPに「両陛下のご日程」が載っています。平成17年からは、宮中祭祀に関する情報も掲載されるようになりました。

 順徳天皇が著された「禁秘抄(きんぴしょう)」(承久3年=1221年)の冒頭に「およそ禁中の作法は神事を先にし、他事を後にす」とあるように、歴代天皇が第一の務めと考えてこられたのが宮中祭祀ですから、本来、そうあるべきでした。

「宮中祭祀は天皇陛下の『私的なご活動』」(渡邉允前侍従長「諸君!」2008年7月号掲載インタビュー)とする、現在の宮内庁の考えがおかしいのです。

 さらに誤解を生みかないのは、以下のような宮中祭祀についての宮内庁の説明です(筆者注。最近は少し表現が変わっています)。

「天皇皇后両陛下は、宮中の祭祀を大切に受け継がれ、常に国民の幸せを祈っておられ、年間約20件近くの祭儀が行われています」

 まず件数です。前回、お話ししたように、大祭・小祭、それに旬祭を加えると、約60件を数えるといいます。毎朝御代拝を加えれば、400件を超えます。宮内庁の説明は、側近による御代拝を最初から除外している上に、平成21年以後の祭祀簡略化でお出ましが減ったことを示しています。本来的な数字とはいえません。

 ただ、最近はHPの説明から件数の記載が消えました。クレームでもあったからでしょうか?

 もっと重要なのは、宮内庁のこの説明では祭祀の主体が天皇陛下ではなく、天皇皇后両陛下であるかのように誤解されかねないことです。

 両陛下が祭祀を大切にしておられるのは事実でしょうが、宮中祭祀はあくまで天皇の祭りです。

 たとえば宮中第一の重儀とされる、11月23日の新嘗祭で、神嘉殿にお出ましになり、米と粟の新穀を神前にお供えになり、みずから食され、国家の平和と国民の平安を祈られるのは天皇陛下お一人です。皇太子殿下もお出ましになり、さらに成年男子皇族が参列されますが、皇后陛下はお出ましにはなりません。

 元始祭(げんしさい。1月3日)、昭和天皇祭(1月7日)、春季皇霊祭・神殿祭(春分の日)などの大祭は、皇后陛下や皇太子同妃両殿下が拝礼され、すべての成年皇族が参列されますが、祭りの中心は天皇陛下がみずからなさる神事です。

 このほか、小祭と位置づけられる歳旦祭(さいたんさい。元日)、祈年祭(きねんさい。2月17日)、天長祭(天皇誕生日。12月23日)も天皇陛下の御拝(ごはい)、皇太子殿下の拝礼だけで、皇后陛下やほかの皇族方の参列はありません。

 明治41年に成立した皇室祭祀令は、「大祭には、天皇、皇族および官僚を率いて、みずから祭典を行う」(第8条)、「小祭には、天皇、皇族および官僚を率いて、みずから拝礼し、掌典長、祭典を行う」(第20条)と定めていました。

 皇后陛下も皇太子殿下も、天皇陛下がなさる祭祀にお供をするというお立場なのです。

 最近は「陛下が祭祀に出席」と伝える新聞記事などをしばしば見かけますが、これも誤解を招く表現です。

「出御(しゅつぎょ)」「お出まし」を平易に言い換えたつもりでしょうが、宮内庁が主催する祭祀に陛下が出席なさる、というのではありません。政府などが主催する戦没者追悼式や全国植樹祭にご臨席になるのとは基本的に異なります。

 宮中祭祀はあくまで天皇の、天皇による祭りなのです。

 蛇足ながら、もうひとつ付け加えます。宮内庁のHPはいま、宮中祭祀について、「両陛下は祭儀を忠実に受け継がれ」と記述しています。官僚たちによる祭祀簡略化の事実が隠蔽されています。

 現在の宮内庁は天皇陛下の祭祀を正確に伝えていません。
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