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伝統からも憲法からも逸脱する ──「祈りの存在」の伝統とは何か? 1 [女性宮家]

以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジン(2017年6月4日)からの転載です


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伝統からも憲法からも逸脱する
──「祈りの存在」の伝統とは何か? 1
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 さて、以下は、拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋です。一部に加筆修正があります。


第2章 有識者ヒアリングおよび「論点整理」を読む

第2節 「祈りの存在」の伝統とは何か?──知的探求がうかがえない櫻井よしこさんの反対論


▽1 伝統からも憲法からも逸脱する
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 24年10月、皇后陛下は78歳のお誕生日をお迎えになり、記者会の質問に文書で回答されました。宮内庁は「この一年のご動静」などをネット上に発表しました〈http://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/kaiken/gokaito-h24sk.html〉。

 気になるのは、ほかならぬ宮内庁が使用する皇室用語の乱れです。皇后陛下の宮中祭祀へのお出ましについて、次のようにまとめられています。

「天皇陛下の御不例によりご代拝となった冷泉(れいぜい)天皇千年式年祭の儀、大正天皇例祭の儀、春季皇霊祭の儀・春季神殿祭の儀及びおみ足の捻挫によりお取りやめとなった元始祭(げんしさい)の儀、暗くなってから行われる御神楽(みかぐら)の儀については欠席されましたが、それ以外の祭祀には全て列せられました」

 祭祀に「欠席されました」「列せられました」という表現は、違和感がぬぐえません。

 表現の乱れは、とりわけ祭祀に関して顕著です。

 宮内庁は「宮中祭祀」について、

「天皇皇后両陛下は、皇太子同妃両殿下の時代から、宮中三殿(賢所、皇霊殿、神殿)における祭祀を大切にしてこられました。古くから伝えられる祭儀を忠実に受け継がれ、常に、国民の幸せを祈っておられます」

 と説明しています〈http://www.kunaicho.go.jp/activity/activity/01/activity01.html#H2-07〉。

 宮内庁による、この説明がすでにして、皇室の歴史と伝統から逸脱しています。宮中祭祀は天皇陛下がお一人でなさるのが基本であって、両陛下が共同でなさるのではないからです。

 ところが、宮内庁のHPには「両陛下の御活動」として、「国事行為などの御公務」「行幸啓」「外国ご訪問」などが説明されています。もはや天皇は「上御一人」ではありません。

 当たり前のことですが、皇位は天皇陛下お一人が世襲的に継承されるものであって、「両陛下」お二人で皇位を継承するのではありません。後述するように、臣籍出身の皇后が皇族とされ、陛下と呼ばれるようになったのは明治以後のことで、正確には「みなし皇族」なのです。

 たとえば「拝謁」や「ご会見」などの御公務は、天皇が皇后を伴われてお務めになると説明されるべきでしょう。

 ところが、24年2月、今上陛下が入院されたとき、本来は「見なし皇族」のお立場で、摂政でも臨時代行でもない皇后陛下がお一人で、外国に赴任する日本大使夫妻との「お茶」に臨まれ、3月には離任する外国大使を「ご引見」になりました。

 憲法は天皇の「国事に関する行為」を定め、

「全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること」

「外国の大使及び公使を接受すること」

 をあげています。宮内庁のHPは「ご引見」について

「天皇陛下が皇后陛下とご一緒に、外国の首相や大使、その夫人などの賓客とお会いになることをご引見といい……」

 と説明していますが、皇后陛下お一人の「ご引見」の法的根拠はどこにあるのでしょう。もはや憲法からの逸脱ではありませんか?

 その挙げ句の果てが「女性宮家」創設論なのでしょう。


以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります


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