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反対派とも共通する4つの欠落 ──なぜレーヴェンシュタインを引用するのか 5 [女性宮家創設論]

以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンからの転載です


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反対派とも共通する4つの欠落
──なぜレーヴェンシュタインを引用するのか 5
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 私は運動家ではありませんが、やむにやまれぬ思いから、「御代替わり諸儀礼を『国の行事』に」キャンペーンを、ひとりで始めることにしました。いまのままでは悪しき先例が踏襲されるばかりです。趣旨をご理解の上、友人知人の皆様への拡散を切にお願いします。
https://www.change.org/p/%E6%94%BF%E5%BA%9C-%E5%AE%AE%E5%86%85%E5%BA%81-%E5%BE%A1%E4%BB%A3%E6%9B%BF%E3%82%8F%E3%82%8A%E8%AB%B8%E5%84%80%E7%A4%BC%E3%82%92-%E5%9B%BD%E3%81%AE%E8%A1%8C%E4%BA%8B-%E3%81%AB

 さて、以下、拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。


第2章 有識者ヒアリングおよび「論点整理」を読む

第4節 なぜレーヴェンシュタインを引用するのか──市村眞一京大名誉教授の賛成論


▽5 反対派とも共通する4つの欠落
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 先生は「女性宮家」創設賛成派ですが、反対派と同様に欠落している4つの視点があります。

 第1点は、なぜいま「女性宮家」なのか、という現代史的な視点と追及が見当たらないことです。

 すでに明らかにしてきたように、一般メディアに「女性宮家」なる用語が登場したのはたかだか10年です。けれども、やがてそれは表舞台から消え、先の皇室典範有識者会議の報告書にも載っていません。

 しかし、御在位20年を過ぎたころから、すなわち、ちょうど御公務ご負担軽減の標的として祭祀簡略化が開始されたころから、そして、とりわけ平成23年秋ごろから、ふたたび、そして急速に世間の耳目に触れ、広まりました。それはなぜなのか、です。

 2点目は、皇位継承論、皇統論に踏み込んで議論していることです。政府の質問は皇室の御活動維持が目的でしたが、女性皇族が婚姻後も皇室にとどまるのなら、皇位継承問題への発展は避けられないという認識があります。

 けれども、少なくとも表向きの政府の理解は異なります。政府は皇位継承問題との「切り離す」と断っています。なぜ「切り離す」のか、です。

 もともと、宮内庁、内閣法制局、内閣官房が始めた典範改正の極秘作業では、女性天皇容認と「女性宮家」創設容認が「2つの柱」であり、もともとは「1つの柱」だったことが明らかにされています。

 切り離せないからこそ、「女性宮家」という表現が消えた有識者会議の報告書にも、その内容が盛り込まれています。

 つまり、「女性宮家」創設論は、女性天皇・女系継承容認論と一体のかたちで、10年以上、続いてきた議論なのでした。それがいま、なぜ「皇室の御活動」維持に目的を変え、にわかに浮上してきたのか。それが見えなければ、政府のお膳立てに乗って、ヒアリングに応じるほかはありません。

 3番目は、繰り返しになりますが、政府が「女性宮家」創設の目的とする、維持されるべき「皇室の御活動」とは、具体的に何か、です。

 天皇の御公務と皇室の御活動はけっして同じではありません。歴史にない「女性宮家」をも創設して、維持しなければならない「皇室の御活動」とは具体的に何をさすのか、政府の質問は明確でありません。

 ところが、市村先生は、

「陛下の祭祀の御奉仕・国事行為・各地での公式行事へのお出まし等や皇族方の同様のご活動」

 とひとくくりにしています。

 具体的な内容の想定や検討なしに、議論をしても始まりませんが、民主党政権はヒト、モノ、カネをつぎ込んで、典範改正に向けて、ヒアリングを開始させました。なぜなのでしょうか?

 4点目は、既述したように、歴史的に天皇第一のお務めとされてきた祭祀についての言及がほとんど見当たらないことです。

 レーヴェンシュタインの『君主制』を引き、半面、天皇の祭祀を語らないのは、日本の天皇・皇室のお務めを論じることになるのでしょうか?”


以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります

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