論理の飛躍──御公務をなぜ「分担」しなければならないのか? 1 [女性宮家]
以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンからの転載です
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論理の飛躍
──御公務をなぜ「分担」しなければならないのか? 1
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私は運動家ではありませんが、日本の現状と行く末を心から憂い、「御代替わり諸儀礼を『国の行事』に」キャンペーンを、1人で始めました。このままでは悪しき先例がそのまま踏襲されるでしょう。改善への一歩を踏み出すために、同憂の士を求めます。
〈https://www.change.org/p/%E6%94%BF%E5%BA%9C-%E5%AE%AE%E5%86%85%E5%BA%81-%E5%BE%A1%E4%BB%A3%E6%9B%BF%E3%82%8F%E3%82%8A%E8%AB%B8%E5%84%80%E7%A4%BC%E3%82%92-%E5%9B%BD%E3%81%AE%E8%A1%8C%E4%BA%8B-%E3%81%AB〉
さて、以下、拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。
第3章 伝統を拒絶する官僚たちの暴走
第2節 御公務をなぜ「分担」しなければならないのか?──典範改正、制度改革は必要か?
▽1 論理の飛躍
平成24年2月に公表された政府の資料によると、「女性宮家」を創設する目的は「皇室の御活動」の維持であり、「両陛下のご負担」軽減でした。
「現行の皇室典範の規定では、女性の皇族が皇族以外の方と婚姻された時は皇族の身分を離れることになっていることから、今後、皇室の御活動をどのように安定的に維持し、天皇皇后両陛下のご負担をどう軽減していくかが緊急性の高い課題となっている」(「有識者ヒアリングの実施について」)〈http://www.kantei.go.jp/jp/singi/koushitsu/yushikisha.html〉
しかし、この文章は理由と結論が論理的につながっていません。
前半の
「現行の皇室典範の規定では、女性の皇族が皇族以外の方と婚姻された時は皇族の身分を離れることになっている」
は現行の皇室制度の中味ですが、後半の
「今後、皇室の御活動をどのように安定的に維持し、天皇皇后両陛下のご負担をどう軽減していくかが緊急性の高い課題となっている」
とは直接的に結びつかないはずなのに、いとも簡単に順接的につながっています。論理の飛躍です。
政府の資料は、
「このため、各界の有識者の方々から、皇室の御活動の意義や、女性の皇族に皇族以外の方と婚姻された後も御活動を継続していただくとした場合の制度の在り方等について幅広くご意見を伺い、今後の制度検討の参考とする」
と続きますが、これも飛躍です。
いつのまにか「天皇の御公務」が「両陛下の御活動」に衣替えし、「皇室の御活動」にすり替わっています。”
以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります
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論理の飛躍
──御公務をなぜ「分担」しなければならないのか? 1
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私は運動家ではありませんが、日本の現状と行く末を心から憂い、「御代替わり諸儀礼を『国の行事』に」キャンペーンを、1人で始めました。このままでは悪しき先例がそのまま踏襲されるでしょう。改善への一歩を踏み出すために、同憂の士を求めます。
〈https://www.change.org/p/%E6%94%BF%E5%BA%9C-%E5%AE%AE%E5%86%85%E5%BA%81-%E5%BE%A1%E4%BB%A3%E6%9B%BF%E3%82%8F%E3%82%8A%E8%AB%B8%E5%84%80%E7%A4%BC%E3%82%92-%E5%9B%BD%E3%81%AE%E8%A1%8C%E4%BA%8B-%E3%81%AB〉
さて、以下、拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。
第3章 伝統を拒絶する官僚たちの暴走
第2節 御公務をなぜ「分担」しなければならないのか?──典範改正、制度改革は必要か?
▽1 論理の飛躍
平成24年2月に公表された政府の資料によると、「女性宮家」を創設する目的は「皇室の御活動」の維持であり、「両陛下のご負担」軽減でした。
「現行の皇室典範の規定では、女性の皇族が皇族以外の方と婚姻された時は皇族の身分を離れることになっていることから、今後、皇室の御活動をどのように安定的に維持し、天皇皇后両陛下のご負担をどう軽減していくかが緊急性の高い課題となっている」(「有識者ヒアリングの実施について」)〈http://www.kantei.go.jp/jp/singi/koushitsu/yushikisha.html〉
しかし、この文章は理由と結論が論理的につながっていません。
前半の
「現行の皇室典範の規定では、女性の皇族が皇族以外の方と婚姻された時は皇族の身分を離れることになっている」
は現行の皇室制度の中味ですが、後半の
「今後、皇室の御活動をどのように安定的に維持し、天皇皇后両陛下のご負担をどう軽減していくかが緊急性の高い課題となっている」
とは直接的に結びつかないはずなのに、いとも簡単に順接的につながっています。論理の飛躍です。
政府の資料は、
「このため、各界の有識者の方々から、皇室の御活動の意義や、女性の皇族に皇族以外の方と婚姻された後も御活動を継続していただくとした場合の制度の在り方等について幅広くご意見を伺い、今後の制度検討の参考とする」
と続きますが、これも飛躍です。
いつのまにか「天皇の御公務」が「両陛下の御活動」に衣替えし、「皇室の御活動」にすり替わっています。”
以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります
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