省庁ごとに設定される「拝謁」──ご負担軽減のネックは官僚社会!? 5 [女性宮家創設論]
以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンからの転載です
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省庁ごとに設定される「拝謁」
──ご負担軽減のネックは官僚社会!? 5
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私は運動家ではありませんが、日本の現状と行く末を心から憂い、「御代替わり諸儀礼を『国の行事』に」キャンペーンを、1人で始めました。このままでは悪しき先例がそのまま踏襲されるでしょう。改善への一歩を踏み出すために、同憂の士を求めます。
〈https://www.change.org/p/%E6%94%BF%E5%BA%9C-%E5%AE%AE%E5%86%85%E5%BA%81-%E5%BE%A1%E4%BB%A3%E6%9B%BF%E3%82%8F%E3%82%8A%E8%AB%B8%E5%84%80%E7%A4%BC%E3%82%92-%E5%9B%BD%E3%81%AE%E8%A1%8C%E4%BA%8B-%E3%81%AB〉
さて、以下、拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。
第3章 伝統を拒絶する官僚たちの暴走
第3節 ご負担軽減のネックは官僚社会!?──庁内人事異動者、赴任大使、叙勲の「拝謁」が減らない
▽5 省庁ごとに設定される「拝謁」
しかし、なぜ1日しか減らせないのでしょうか?
というわけで、叙勲について、調べてみました。
内閣府賞勲局のHPには、叙勲に関する基本的な情報が掲載されています〈http://www8.cao.go.jp/shokun/index.html〉。
選考については、各省庁から推薦を受け、内閣府が審査し、閣議で決定されるという一般的なことが書いてありますが、大薗友和『勲章の内幕』によると、そんなものではなく、企業、業界、所轄官庁を挙げてすさまじい「勲章取りゲーム」が展開されるようです。
叙勲者の6、7割は官僚出身者、まさに「官高民低」の世界で、驚いたことに、省庁ごとに人数の割り当てがあるのだそうです。もっとも多いのが教育関係者を抱える文科省で、1500人といわれます。
となると、宮内庁がご負担軽減の有効な改善策を見出せなかった最大の障害は官僚社会ではなかったか、と想像されます。なにしろ叙勲者の選考から伝達・拝謁まで、官僚システムに完全に組み込まれているわけですから。
拝謁は実際、どのように行われるのでしょう。何冊か、資料を読みあさったところ、日本叙勲者顕彰協会が発行する『勲章・褒賞─新栄典制度事典』にそれらしいことが書いてあるのを見出しました。
大勲位菊花章、桐花大綬賞、旭日大綬賞、瑞宝大綬賞は陛下が親授なさいます。旭日重光章、瑞宝重光章は宮中で首相から伝達されたあと「拝謁」があります。前者は午前、後者は同日、午後に行われるようです。
その他の中綬賞などの「拝謁」は翌日以降で、所管大臣からの伝達後、中央省庁ごとに設定された「拝謁」の日程に従い、各省庁に集合し、バスで皇居宮殿に向かい、代表者がお礼を言上し、陛下のお言葉を賜るという流れになっています。
どこまでも官僚社会の枠組みの中で、省庁ごとに行われています。
叙勲者の数は春秋とも4000人を超えます。配偶者同伴なら拝謁者の数は2倍に増えます。分厚い省庁のカベを破らなければ、「回数・日程の縮減」は困難です。
しかし困難だからといって、皇室の歴史と伝統にない「女性宮家」を創設すべきだという結論は、まったくもって本末転倒です。
以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります
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省庁ごとに設定される「拝謁」
──ご負担軽減のネックは官僚社会!? 5
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私は運動家ではありませんが、日本の現状と行く末を心から憂い、「御代替わり諸儀礼を『国の行事』に」キャンペーンを、1人で始めました。このままでは悪しき先例がそのまま踏襲されるでしょう。改善への一歩を踏み出すために、同憂の士を求めます。
〈https://www.change.org/p/%E6%94%BF%E5%BA%9C-%E5%AE%AE%E5%86%85%E5%BA%81-%E5%BE%A1%E4%BB%A3%E6%9B%BF%E3%82%8F%E3%82%8A%E8%AB%B8%E5%84%80%E7%A4%BC%E3%82%92-%E5%9B%BD%E3%81%AE%E8%A1%8C%E4%BA%8B-%E3%81%AB〉
さて、以下、拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。
第3章 伝統を拒絶する官僚たちの暴走
第3節 ご負担軽減のネックは官僚社会!?──庁内人事異動者、赴任大使、叙勲の「拝謁」が減らない
▽5 省庁ごとに設定される「拝謁」
しかし、なぜ1日しか減らせないのでしょうか?
というわけで、叙勲について、調べてみました。
内閣府賞勲局のHPには、叙勲に関する基本的な情報が掲載されています〈http://www8.cao.go.jp/shokun/index.html〉。
選考については、各省庁から推薦を受け、内閣府が審査し、閣議で決定されるという一般的なことが書いてありますが、大薗友和『勲章の内幕』によると、そんなものではなく、企業、業界、所轄官庁を挙げてすさまじい「勲章取りゲーム」が展開されるようです。
叙勲者の6、7割は官僚出身者、まさに「官高民低」の世界で、驚いたことに、省庁ごとに人数の割り当てがあるのだそうです。もっとも多いのが教育関係者を抱える文科省で、1500人といわれます。
となると、宮内庁がご負担軽減の有効な改善策を見出せなかった最大の障害は官僚社会ではなかったか、と想像されます。なにしろ叙勲者の選考から伝達・拝謁まで、官僚システムに完全に組み込まれているわけですから。
拝謁は実際、どのように行われるのでしょう。何冊か、資料を読みあさったところ、日本叙勲者顕彰協会が発行する『勲章・褒賞─新栄典制度事典』にそれらしいことが書いてあるのを見出しました。
大勲位菊花章、桐花大綬賞、旭日大綬賞、瑞宝大綬賞は陛下が親授なさいます。旭日重光章、瑞宝重光章は宮中で首相から伝達されたあと「拝謁」があります。前者は午前、後者は同日、午後に行われるようです。
その他の中綬賞などの「拝謁」は翌日以降で、所管大臣からの伝達後、中央省庁ごとに設定された「拝謁」の日程に従い、各省庁に集合し、バスで皇居宮殿に向かい、代表者がお礼を言上し、陛下のお言葉を賜るという流れになっています。
どこまでも官僚社会の枠組みの中で、省庁ごとに行われています。
叙勲者の数は春秋とも4000人を超えます。配偶者同伴なら拝謁者の数は2倍に増えます。分厚い省庁のカベを破らなければ、「回数・日程の縮減」は困難です。
しかし困難だからといって、皇室の歴史と伝統にない「女性宮家」を創設すべきだという結論は、まったくもって本末転倒です。
以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります
2017-08-04 04:58
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