〈第3期〉羽毛田長官の典範改正工作 ──4段階で進む「女性宮家」創設への道 [女性宮家創設論]
以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジン(2017年9月26日)からの転載です
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〈第3期〉羽毛田長官の典範改正工作
──4段階で進む「女性宮家」創設への道
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拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。
補章 4段階で進む「女性宮家」創設への道──女性天皇・女系継承容認と一体だった
第4節 〈第3期〉羽毛田長官の典範改正工作

皇室典範有識者会議は平成17年11月に女性天皇・女系継承容認の報告書を提出しました。この報告書には「女性宮家」という用語は消えていますが、その中味は盛り込まれています。年明けには小泉首相が施政方針演説で典範改正案の提出を明言しますが、その後、悠仁(ひさひと)親王殿下の御誕生で議論は沈静化していきました。
この時期の特徴は、皇位継承論にこだわる羽毛田信吾宮内庁長官による典範改正工作がヒートアップしたこと、典範改正の議論が政治の舞台へ移ったことです。
平成18年1月、?仁親王殿下が「文藝春秋」2月号インタビュー「天皇さま その血の重み──なぜ私は女系天皇に反対なのか」で、男系継承の維持をご希望。
「この女系天皇容認という方向は、日本という国の終わりの始まりではないかと、私は深く心配するのです」
これに対して、羽毛田長官が口止めした。「皇室の方々は発言を控えていただくのが妥当」。
同年2月、秋篠宮文仁親王妃紀子殿下の御懐妊兆候発表、政府は皇室典範改正案提出を断念。しかし小泉純一郎首相は女系継承容認をあらためて表明した。
「将来は女系天皇を認めないと皇位継承が難しくなる」。
他方、次期自民党総裁となる安倍晋三内閣官房長官は、慎重姿勢を強調した。
「冷静に慎重にしっかりと落ち着いた議論を進めなければ」
同年9月6日、悠仁(ひさひと)親王御誕生。
皇室の慶事であり、待ちに待った男子皇族御誕生だが、羽毛田長官はあろうことか、水を差した。「皇位継承の安定は図れない」
同月26日、第1次安倍内閣が発足。
20年11月、天皇陛下御不例。この年の2月、3月、宮内庁はご健康問題に関連して、御公務ご負担軽減について、祭祀の「調整」も含めて、公表していたが、御不例後、軽減策は前倒しされることになる。
→本文で明らかにしたように、ご負担軽減の標的にされたのが宮中祭祀で、平成の祭祀簡略化を陛下に進言した一人が渡邉前侍従長でした。この時期、前侍従長の存在感が増しているかに見えます。
同年12月11日、羽毛田長官は、医師の診断である「急性胃粘膜病変」と矛盾する「所見」を発表。
「天皇陛下には、かねて、国の内外にわたって、いろいろと厳しい状況が続いていることを深くご案じになっておられ、また、これに加えて、ここ何年かにわたり、ご自身のお立場から常にお心を離れることのない将来にわたる皇統の問題をはじめとし、皇室にかかわるもろもろの問題をご憂慮のご様子を拝しており、このようなさまざまなご心労に関し、本日は私なりの所見を述べる」
→医師の見立ては「急性病変」なのに、長官の「所見」では「ここ何年かにわたるご心労」が原因だとねじ曲げられました。
21年8月30日、総選挙で民主党が圧勝。
同年9月10日、羽毛田長官が、政権交代で発足する鳩山新内閣に、典範改正を要請する意向を会見で表明。
「皇位継承の問題があることを(新内閣に)伝え、対処していただく必要がある、と申し上げたい」
同月16日、鳩山内閣が発足。
以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります
☆先日、チャンネル桜の番組で、「御代替わり諸儀礼を『国の行事』に」キャンペーンについて説明する機会を得ました。取り上げていただき、たいへんうれしく思います。
おかげさまで賛同者が400人を超えました。
番組でも申しましたが、何年か先の話ではなくて、いまの問題です。ひきつづきご協力をお願いいたします。
番組はニコニコ動画やYouTubeで御覧いただけます。
〈 https://www.youtube.com/watch?v=Iqa0zsh-CSo&feature=youtu.be 〉
〈https://www.change.org/p/%E6%94%BF%E5%BA%9C-%E5%AE%AE%E5%86%85%E5%BA%81-%E5%BE%A1%E4%BB%A3%E6%9B%BF%E3%82%8F%E3%82%8A%E8%AB%B8%E5%84%80%E7%A4%BC%E3%82%92-%E5%9B%BD%E3%81%AE%E8%A1%8C%E4%BA%8B-%E3%81%AB〉
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〈第3期〉羽毛田長官の典範改正工作
──4段階で進む「女性宮家」創設への道
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拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。
補章 4段階で進む「女性宮家」創設への道──女性天皇・女系継承容認と一体だった
第4節 〈第3期〉羽毛田長官の典範改正工作

皇室典範有識者会議は平成17年11月に女性天皇・女系継承容認の報告書を提出しました。この報告書には「女性宮家」という用語は消えていますが、その中味は盛り込まれています。年明けには小泉首相が施政方針演説で典範改正案の提出を明言しますが、その後、悠仁(ひさひと)親王殿下の御誕生で議論は沈静化していきました。
この時期の特徴は、皇位継承論にこだわる羽毛田信吾宮内庁長官による典範改正工作がヒートアップしたこと、典範改正の議論が政治の舞台へ移ったことです。
平成18年1月、?仁親王殿下が「文藝春秋」2月号インタビュー「天皇さま その血の重み──なぜ私は女系天皇に反対なのか」で、男系継承の維持をご希望。
「この女系天皇容認という方向は、日本という国の終わりの始まりではないかと、私は深く心配するのです」
これに対して、羽毛田長官が口止めした。「皇室の方々は発言を控えていただくのが妥当」。
同年2月、秋篠宮文仁親王妃紀子殿下の御懐妊兆候発表、政府は皇室典範改正案提出を断念。しかし小泉純一郎首相は女系継承容認をあらためて表明した。
「将来は女系天皇を認めないと皇位継承が難しくなる」。
他方、次期自民党総裁となる安倍晋三内閣官房長官は、慎重姿勢を強調した。
「冷静に慎重にしっかりと落ち着いた議論を進めなければ」
同年9月6日、悠仁(ひさひと)親王御誕生。
皇室の慶事であり、待ちに待った男子皇族御誕生だが、羽毛田長官はあろうことか、水を差した。「皇位継承の安定は図れない」
同月26日、第1次安倍内閣が発足。
20年11月、天皇陛下御不例。この年の2月、3月、宮内庁はご健康問題に関連して、御公務ご負担軽減について、祭祀の「調整」も含めて、公表していたが、御不例後、軽減策は前倒しされることになる。
→本文で明らかにしたように、ご負担軽減の標的にされたのが宮中祭祀で、平成の祭祀簡略化を陛下に進言した一人が渡邉前侍従長でした。この時期、前侍従長の存在感が増しているかに見えます。
同年12月11日、羽毛田長官は、医師の診断である「急性胃粘膜病変」と矛盾する「所見」を発表。
「天皇陛下には、かねて、国の内外にわたって、いろいろと厳しい状況が続いていることを深くご案じになっておられ、また、これに加えて、ここ何年かにわたり、ご自身のお立場から常にお心を離れることのない将来にわたる皇統の問題をはじめとし、皇室にかかわるもろもろの問題をご憂慮のご様子を拝しており、このようなさまざまなご心労に関し、本日は私なりの所見を述べる」
→医師の見立ては「急性病変」なのに、長官の「所見」では「ここ何年かにわたるご心労」が原因だとねじ曲げられました。
21年8月30日、総選挙で民主党が圧勝。
同年9月10日、羽毛田長官が、政権交代で発足する鳩山新内閣に、典範改正を要請する意向を会見で表明。
「皇位継承の問題があることを(新内閣に)伝え、対処していただく必要がある、と申し上げたい」
同月16日、鳩山内閣が発足。
以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります
☆先日、チャンネル桜の番組で、「御代替わり諸儀礼を『国の行事』に」キャンペーンについて説明する機会を得ました。取り上げていただき、たいへんうれしく思います。
おかげさまで賛同者が400人を超えました。
番組でも申しましたが、何年か先の話ではなくて、いまの問題です。ひきつづきご協力をお願いいたします。
番組はニコニコ動画やYouTubeで御覧いただけます。
〈 https://www.youtube.com/watch?v=Iqa0zsh-CSo&feature=youtu.be 〉
〈https://www.change.org/p/%E6%94%BF%E5%BA%9C-%E5%AE%AE%E5%86%85%E5%BA%81-%E5%BE%A1%E4%BB%A3%E6%9B%BF%E3%82%8F%E3%82%8A%E8%AB%B8%E5%84%80%E7%A4%BC%E3%82%92-%E5%9B%BD%E3%81%AE%E8%A1%8C%E4%BA%8B-%E3%81%AB〉
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