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「女性宮家」「皇女」創設ではなくて、御公務御負担軽減に失敗し、皇室の伝統を破る宮内庁・外務省の責任を問え [皇女]

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「女性宮家」「皇女」創設ではなくて、御公務御負担軽減に失敗し、皇室の伝統を破る宮内庁・外務省の責任を問え
(令和2年11月29日)
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政府が「皇女」なる制度の創設を検討していると伝えられます。報道では、「皇室の公務の負担を軽減するため、結婚で皇室を離れた女性皇族に『皇女』という呼称で国家公務員として公務を続けてもらう案」などと説明されています。

女性皇族が婚姻し、皇籍を離脱することで、いわゆる御公務の担い手が減少することが予想されることから、御公務の維持のために、批判の多い「女性宮家」創設ではない新たな提案が政府内に浮上してきたということでしょうか。

しかし、これはきわめておかしな話です。いままで何度も申し上げてきたことですが、議論の前提となっている「御公務」についての検討が完全に抜け落ちているからです。天皇・皇族の「御公務」とは何か、つまるところ天皇とは何か、という大命題を曖昧のまま素通りしているのです。


▽1 失敗を問わず、原因を追究しない

これまでの経緯を振り返ると、先帝陛下がご高齢となり、御公務の御負担を軽減すべきだという議論が現れたのは平成10年代末のことでした。渡邉允侍従長ら側近から再三、促されたものの、陛下は固辞されました。

実際に軽減策が採られるようになったのは御在位20年を過ぎてからで、陛下が「在位20年が過ぎたら」と仰せになったのと、にわかにご健康問題が表面化したことが契機となりました。平成20年11月のことでした。

しかし御公務の日数は減るどころか逆に増え、文字通り激減したのは、歴代天皇が第一のお務めと信じ、実践してこられた宮中祭祀のお出ましでした。

つまり、宮内庁による御負担軽減は見事に失敗したのです。けれども、誰も責任を取ろうとはしません。官僚もメディアも、なぜ失敗したのか、原因を探ろうともしませんでした。

そして、官僚たちは反省のハの字もなく、大胆にも皇室制度改革に乗り出したのです。女性皇族が婚姻後、皇籍離脱する現行制度では「皇室の御活動」が安定的に維持できない、御公務御負担を軽減できないというのがその言い分です。

その後、平成24年、民主党政権は、過去の歴史にない、いわゆる「女性宮家」創設に向けて、有識者ヒアリングを実施しました。会議名は「皇室制度に関する」で、園部逸夫参与はヒアリングの趣旨を「御負担軽減」と繰り返し説明していました。ところが、「論点整理」ではテーマがすり替わり、皇族女子の臣籍降下で皇室の御活動が維持できなくなるなどと訴えています。


▽2 内輪の「拝謁」を御公務と強弁する官僚たち

情けないことに、有識者ヒアリングで皇室の御活動に関する具体的な議論を挑む識者は皆無でした。ようやく「論点整理」ではじめて具体的な中身について取り上げられたのですが、天皇の御公務と皇族の活動が一緒くたにされていました。支離滅裂です。

そして「まとめ」はこう結論づけました。

「象徴天皇制度の下で、皇族数の減少にも一定の歯止めをかけ、皇室の御活動の維持を確かなものとするためには、女性皇族が一般男性と婚姻後も皇族の身分を保持しうることとする制度改正について検討を進めるべきであると考える」〈https://www.kantei.go.jp/jp/singi/koushitsu/pdf/121005koushitsu.pdf

まさにこれが「女性宮家」であり、そして今回、浮上した「皇女」制度なるものへつながっています。両者の違いは皇統譜の記載の有無。皇室を利用する官僚の企ては変わりません。

「論点整理」の資料には天皇・皇族方の「御活動」が解説され、財団法人などの「総裁職など」が列記されています。しかし鳥類保護連盟や発明協会は民間組織であり、その総裁職は陛下の御公務ではありません。皇族方が陛下の御負担軽減のためにその地位にあるわけでもありません。

多くは名誉職ですからかりに空席になって不都合が生じたとしても、民間で考えれば済むことです。「女性宮家」や「皇女」にお出ましいただく必要はありません。

問題は議論の前提となっている、天皇のご多忙のほんとうの原因は何かです。平成の時代、宮内庁がもっとも気にしていたのは春秋の叙勲に伴う「拝謁」でした。そして、御公務御負担軽減策にもかかわらずいっこうに減らなかったのが、ほかならぬ宮内庁内人事異動者の内輪の「拝謁」であり、外務省関連の赴任大使の「拝謁」でした。

御負担軽減の最大の阻害要因はまぎれもなく官僚社会なのです。皇室のご活動を維持するために、やれ「女性宮家」創設だ、「皇女」創設だと騒ぎ立てることはまったくの筋違いです。

まずは宮内庁と外務省の責任を問わねばなりません。官僚たちの都合で126代続いてきた皇室の伝統が破られるのは本末転倒というべきです。


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