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伝統重視にシフトする皇室典範改正 [皇室典範]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(2006年10月3日)からの転載です

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伝統重視にシフトする皇室典範改正
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 安倍首相は今日午前の参院本会議で、所信表明演説に対する各党の代表質問に答えるかたちで、皇室典範改正問題について「慎重に、冷静に、国民の賛同を得られるよう、しっかり議論を積み重ねていく必要がある」とあらためて慎重な姿勢を示しました。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20061003AT3S0300L03102006.html

 先月の悠仁親王御誕生後、マスコミは、改正論議が沈静化した、と報道しました。「皇太子の次の世代の皇位継承資格者がいない」「継承者が絶えてしまいかねない」という「皇統の危機」がひとまず解消されたことから、「危機」を打開するため、「男系男子」に限っている皇位継承制度を改め、女性・女系天皇を容認する皇室典範改正案の国会提出は当面、見送られたからです。

 改正論議に火をつけた張本人とされる小泉首相(当時)は、悠仁親王殿下御誕生後、「皇室典範改正を急ぐ必要はない。しばらくは静かにされる方がいい」と記者団に語りました。安倍官房長官(現首相)は「慎重に、冷静に、しっかり議論していかなければならない」と慎重姿勢を強調しました。政界には「改正を急ぐべきではない」との意見が広がっているといわれます。

 しかし改正気運は高まりこそすれ、けっして沈静化してはいません。

 そもそも政府は10年も前から非公式に、宮内庁、内閣法制局、内閣官房が協力して、女帝を容認する典範改正作業の既成事実を積み重ねてきたことが分かっています。

 政府の非公式研究では、象徴天皇制度を前提とし、憲法改正はしない、「国民意識」「歴史・伝統」を尊重する、という考え方を基本として、皇位継承資格を女性にも拡大し、直系を優先させることが制度改革の方針とされました。

 その方針は、小泉内閣時代の有識者会議にそのまま踏襲されていることがわかります。「拙速」と批判された有識者会議の報告書は、「拙速」どころか、10年来の議論の上に、まとめられていることは明らかです。だとすれば、改正論議が簡単に収まるはずはありません。

 第二に、小泉首相(当時)は、男子皇孫御誕生という新展開に、「改正を急ぐ必要はない。しばらくは静かにされる方がいい」と述べる一方で、「将来については女系天皇を認めないと皇位継承が難しくなる」と女系継承容認をあらためて表明し、改正を示唆しています。

 第三に、マスコミも同様に、改正気運を促しています。

 親王殿下御誕生の翌日の各紙社説は、産経が「議論を白紙に戻して」「拙速は避け」「慎重に」と訴えたほかは、朝日、読売、毎日、日経の4紙とも、「皇太子の次の世代に男子が一人だけでは、将来にわたり皇室を維持していくには依然として不安」(朝日)、「いまの制度では、愛子さまや眞子さま、佳子さまは結婚されると皇族の身分を離れる。皇室の方々が将来的に少なくなっていく」(読売)などと、女帝容認を訴えています。

 これらに対して、伝統重視派の巻き返しも急を告げています。

 たとえば保守派言論人の集まりである皇室典範問題研究会は、昭和22年に占領政策で皇籍離脱を余儀なくさせられた旧宮家の皇籍復帰によって男系男子継承の「不磨の鉄則」を回復させることを呼びかけています。

 政界では、超党派の保守系議員で組織される日本会議国会議員懇談会が親王殿下御誕生のあと、男系維持を目的として、新たに超党派の議員連盟を設立し、同様に旧宮家の皇族復帰を図る法改正を検討する考えを明らかにしました。

 議員懇談会の事務局長は安倍首相のブレーンの1人、下村博文議員です。そして下村氏は、安倍政権で官房副長官に就任し、先月末には「有識者会議の報告書に拘束される必要はない」と表明しています。
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20061001AT3S3000Q30092006.html

 安倍首相自身は発言どおりむしろ慎重で、改正を口にしているわけではありませんが、典範改正議論は、新政権のもとで、むしろ伝統を重視する方向へシフトしていく可能性が強まってきたのではありませんか。

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