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中国人44人が遺棄毒ガス事故で日本を提訴 [日本軍遺棄化学兵器]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(平成19年1月4日木曜日)からの転載です


 朝日新聞の報道によると、日本軍が遺棄したとされる毒ガス(化学兵器)に触れ、死傷者を出した2003年夏の旧満州チチハル市での事故の被害者ら44人が今月下旬、日本政府を相手取って総額13億円にのぼる損害賠償請求を東京地裁に行うそうです。

 遺棄毒ガスをめぐる訴訟としては3件目ですが、日中両政府が99年に「遺棄化学兵器の廃棄を日本が行う」とする覚書が交わされたあとの事故について訴訟が起こされるのは初めてで、被害防止義務の有無をめぐる司法判断が注目される、と記事にはあります。

 この記事に関して、指摘されるのは2点です。1点はいよいよ日中の歴史の真実が追求されなければならなくなったということ、もう1点は朝日の記事の不公正さです。

 まず1点目。朝日の記事は冒頭、「旧日本軍が遺棄した毒ガス」と書き始めていますが、「日本軍の遺棄」に関しては疑念が疑われています。

 中国政府は「二百万発を日本が遺棄した」と決めつけて政治的圧力を加え、他方、贖罪意識に固まる日本政府は十分な検証もせずに「遺棄」を認め、総額1兆円に上る廃棄作業が進められてきたのですが、最近では、武装解除した日本軍が兵器を中国側に引き渡したことを記録する「引継所」が「発見」されたことが伝えられています。

「引き継がれた」のであれば、「日本軍が廃棄した」ではありません。「被害発生を防ぐ義務を怠った」事故の責任は当然、毒ガスを「引き継いだ」中国側にあるということになるでしょう。チチハルでの事故に関しては、朝日の記事にもあるように、すでに「協力金」3億円が支払われています。

 今回の訴訟を機会に、歴史の真実が明らかになることを願わざるを得ません。日本が化学兵器禁止条約を批准し、「戦後処理への誠実な対応」を表明したのは村山内閣時代ですが、十分な科学的検証が欠落したまま、「日本軍の遺棄」を認定した日本政府の責任も問われなければなりません。

 もう1点は、朝日の記事の不公正さです。「旧日本軍が遺棄した」と決めつけていることとともに、この記事の記事がおかしいのは、原告側の視点のみで記事を書いていることです。「毒ガス事故」に関する語句説明もありますが、「日本軍遺棄」について疑問が呈されていることについてはまったく言及がありません。まるで記事を書いた記者には真実を追究しようという意志が欠けているかのようです。

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