大震災で倍増した「ご進講」「ご説明」──御公務をなぜ「分担」しなければならないのか? 4 [女性宮家創設論]
以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンからの転載です
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大震災で倍増した「ご進講」「ご説明」
──御公務をなぜ「分担」しなければならないのか? 4
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私は運動家ではありませんが、日本の現状と行く末を心から憂い、「御代替わり諸儀礼を『国の行事』に」キャンペーンを、1人で始めました。このままでは悪しき先例がそのまま踏襲されるでしょう。改善への一歩を踏み出すために、同憂の士を求めます。
〈https://www.change.org/p/%E6%94%BF%E5%BA%9C-%E5%AE%AE%E5%86%85%E5%BA%81-%E5%BE%A1%E4%BB%A3%E6%9B%BF%E3%82%8F%E3%82%8A%E8%AB%B8%E5%84%80%E7%A4%BC%E3%82%92-%E5%9B%BD%E3%81%AE%E8%A1%8C%E4%BA%8B-%E3%81%AB〉
さて、以下、拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。
第3章 伝統を拒絶する官僚たちの暴走
第2節 御公務をなぜ「分担」しなければならないのか?──典範改正、制度改革は必要か?
▽4 大震災で倍増した「ご進講」「ご説明」
この表でお分かりのように、宮内庁が気にしていた外国賓客、首相・議長級のご引見は確実に減っています。都内・近郊へのお出ましも増えていません。そして、私がずっと指摘してきたように、祭祀のお出ましは文字通り半減しました。
一方、ご進講・ご説明は逆に増えています。宮内庁の説明では、大震災の影響があるようです。
「定例の外務省総合外交政策局長によるご進講や各種行事に関するご説明などが合わせて54回ありました。これに加え、東日本大震災に関し、諸分野の関係者や専門家より33回にわたりご説明を受けられました」
いつも申し上げるように、古来、国民の喜びのみならず、悲しみや憂い、さらに命をも共有し、国と民のためにひたすら祈られるのが天皇です。同時に、天皇には民の声を聞き、民の心を知るという王者の伝統があるといわれます。今上陛下が各分野の人々との拝謁で、一人ひとりと間近に触れ合おうとされるのはそのためでしょう。
公正にして無私という大原則からすれば、Aさんとはお話しするけれど、Bさんとは言葉を交わさないというわけにはいきません。A県には行幸するが、B県にはお訪ねにならないということはできないのです。
つまり、陛下の御公務は一面で、無限に拡大していく宿命を負っています。「御活動」なさる天皇論の最大の問題はここです。
天皇の祈りはまた、危機のときにこそ発揮されます。未曾有の天災を真正面から受け止め、被害の実態を正確に知ろうとするご姿勢が、前年に比べ倍増した「ご進講・ご説明」の数字にはっきり表れています。
しかし注目されるのは別の「御公務」です。宮内庁は内外の外交官とのご引見、拝謁が多いことに着目し、「しかるべき調整」をすることを表明していましたが、その成果はあったのかどうか、「この一年のご動静」の数字からは見えてきません。
そこで、宮内庁のHPに掲載されている「両陛下のご日程」から、新任外国大使との「お茶」や滞日3年を超える外国大使夫妻の「午餐」などを抽出し、表にまとめてみました〈http://www.kunaicho.go.jp/activity/gonittei/01/gonittei01.html〉。
19年 20年 21年 22年 23年
新任外国大使夫妻とのお
茶 8 9 9 10 12
滞日3年を超える外国大
使夫妻の午餐 5 5 4 6 4
離任外国大使夫妻のご引
見 18 21 22 21 24
外国赴任日本大使夫妻の
拝謁・ご接見 13 14 10 13 14
帰国日本大使夫妻お茶 10 5 11 4 11
これを見ると、少なくとも数値において、陛下のご多忙は変わらないどころか、むしろますますご多忙を極めているようにさえ見えます。”
以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります
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大震災で倍増した「ご進講」「ご説明」
──御公務をなぜ「分担」しなければならないのか? 4
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私は運動家ではありませんが、日本の現状と行く末を心から憂い、「御代替わり諸儀礼を『国の行事』に」キャンペーンを、1人で始めました。このままでは悪しき先例がそのまま踏襲されるでしょう。改善への一歩を踏み出すために、同憂の士を求めます。
〈https://www.change.org/p/%E6%94%BF%E5%BA%9C-%E5%AE%AE%E5%86%85%E5%BA%81-%E5%BE%A1%E4%BB%A3%E6%9B%BF%E3%82%8F%E3%82%8A%E8%AB%B8%E5%84%80%E7%A4%BC%E3%82%92-%E5%9B%BD%E3%81%AE%E8%A1%8C%E4%BA%8B-%E3%81%AB〉
さて、以下、拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。
第3章 伝統を拒絶する官僚たちの暴走
第2節 御公務をなぜ「分担」しなければならないのか?──典範改正、制度改革は必要か?
▽4 大震災で倍増した「ご進講」「ご説明」
この表でお分かりのように、宮内庁が気にしていた外国賓客、首相・議長級のご引見は確実に減っています。都内・近郊へのお出ましも増えていません。そして、私がずっと指摘してきたように、祭祀のお出ましは文字通り半減しました。
一方、ご進講・ご説明は逆に増えています。宮内庁の説明では、大震災の影響があるようです。
「定例の外務省総合外交政策局長によるご進講や各種行事に関するご説明などが合わせて54回ありました。これに加え、東日本大震災に関し、諸分野の関係者や専門家より33回にわたりご説明を受けられました」
いつも申し上げるように、古来、国民の喜びのみならず、悲しみや憂い、さらに命をも共有し、国と民のためにひたすら祈られるのが天皇です。同時に、天皇には民の声を聞き、民の心を知るという王者の伝統があるといわれます。今上陛下が各分野の人々との拝謁で、一人ひとりと間近に触れ合おうとされるのはそのためでしょう。
公正にして無私という大原則からすれば、Aさんとはお話しするけれど、Bさんとは言葉を交わさないというわけにはいきません。A県には行幸するが、B県にはお訪ねにならないということはできないのです。
つまり、陛下の御公務は一面で、無限に拡大していく宿命を負っています。「御活動」なさる天皇論の最大の問題はここです。
天皇の祈りはまた、危機のときにこそ発揮されます。未曾有の天災を真正面から受け止め、被害の実態を正確に知ろうとするご姿勢が、前年に比べ倍増した「ご進講・ご説明」の数字にはっきり表れています。
しかし注目されるのは別の「御公務」です。宮内庁は内外の外交官とのご引見、拝謁が多いことに着目し、「しかるべき調整」をすることを表明していましたが、その成果はあったのかどうか、「この一年のご動静」の数字からは見えてきません。
そこで、宮内庁のHPに掲載されている「両陛下のご日程」から、新任外国大使との「お茶」や滞日3年を超える外国大使夫妻の「午餐」などを抽出し、表にまとめてみました〈http://www.kunaicho.go.jp/activity/gonittei/01/gonittei01.html〉。
19年 20年 21年 22年 23年
新任外国大使夫妻とのお
茶 8 9 9 10 12
滞日3年を超える外国大
使夫妻の午餐 5 5 4 6 4
離任外国大使夫妻のご引
見 18 21 22 21 24
外国赴任日本大使夫妻の
拝謁・ご接見 13 14 10 13 14
帰国日本大使夫妻お茶 10 5 11 4 11
これを見ると、少なくとも数値において、陛下のご多忙は変わらないどころか、むしろますますご多忙を極めているようにさえ見えます。”
以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります
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