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〈第1期〉「皇統の危機」を背景に非公式研究開始 ──4段階で進む「女性宮家」創設への道 [女性宮家創設論]

以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンからの転載です


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〈第1期〉「皇統の危機」を背景に非公式研究開始
──4段階で進む「女性宮家」創設への道
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 拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの抜粋を続けます。一部に加筆修正があります。


補章 4段階で進む「女性宮家」創設への道──女性天皇・女系継承容認と一体だった


第2節 〈第1期〉「皇統の危機」を背景に非公式研究開始

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 今上天皇の第2皇子、文仁親王殿下(秋篠宮)が昭和40(1965)年にお生まれになって以来、男子皇族が久しく御誕生にならず、皇太子殿下の次の代の皇位継承者の候補がおられないという「皇統の危機」を背景に、政府内で皇室典範改正研究が潜行しました。当時のテーマはあくまで皇位継承論ですが、じつは「女帝」容認論と軌を一にして、「女性宮家」創設が検討されたのでした。

 平成2年6月29日、礼宮親王殿下御結婚の儀。秋篠宮家の創設。

 3年10月、秋篠宮殿下第1女子、眞子(まこ)内親王御誕生。

 5年6月9日、皇太子殿下御結婚の儀。

 6年12月、秋篠宮殿下第2女子、佳子(かこ)内親王御誕生。

 7年9月、自民党総裁選に立候補した小泉純一郎議員(のちの首相)は、公開討論で女性天皇容認を打ち出す。

 8年、鎌倉宮内庁長官の指示で、宮内庁内で皇位継承に関する基礎資料の整理・作成が開始された(阿比留産経新聞記者の記事)。

 9年4月、内閣官房の協力により、工藤敦夫元内閣法制局長官を中心に、古川貞二郎内閣官房副長官、大森政輔内閣法制局長官らが研究会、懇話会を設置した。第1期は皇室制度に関する非公式研究会(〜11年3月)。

 10年6月、総合情報誌「選択」6月号「『皇室典範』改定のすすめ──女帝や養子を可能にするために」が「女性宮家」にも言及。
「皇族女子は結婚すれば皇族の身分から離れるが、これを改め天皇家の長女紀宮(のりのみや)が結婚して宮家を立てるのはどうか。そこに男子が誕生すれば、男系男子は保たれることになる」
内親王の子孫はもはや男系ではないのに、男系と言い切る議論が当時は行われていました。そのように言いくるめようとする勢力があったということでしょうか。

 11年4月、政府内で、皇室法について、第2期研究会(〜12年3月)。園部逸夫元最高裁判事が新たに参加した。

 同年12月、高森明勅『この国の生い立ち──あなたは『天皇』の起源を知っていますか?』(PHP研究所)に女帝容認論をいち早く展開。新進気鋭の皇室研究者による問題提起だった。

 同月10日、朝日新聞が「雅子さま、懐妊の兆候。近く詳細な検査」をスクープ報道。けれども結局、流産の悲劇を招くことになった。
「皇太子妃・雅子さまに懐妊の兆候が見られることが9日、明らかになった」

 12〜15年、政府内で資料整理。宮内庁長官、次長に随時報告。

 13年4月、第1次小泉内閣が発足。

 同年12月、皇太子殿下第1女子、愛子内親王御誕生。

 14年2月、「文藝春秋」3月号、森暢平記事「女性天皇容認! 内閣法制局が極秘に進める。これが「皇室典範」改正草案──女帝を認め、女性宮家をつくるための検討作業」
この記事は、メディアが記事のタイトルに「女性宮家」という表現を用いた初例と見られます。

 15年5月、内閣官房、内閣法制局、宮内庁が共同で皇位継承制度改正を非公式検討(〜16年6月)。

 16年5月10日、政府の非公式検討会が女性・女系天皇容認を打ち出した極秘文書「皇位継承制度のこれからのあり方について」をまとめる(「産経新聞」18年2月17日)。
「皇位継承資格を男系の男性に限定する現行の制度では、象徴天皇制度が維持できず、皇位継承資格を女性にも認めるべきだ」

 結局のところ、検討会に関わった政府関係者たちには、千数百年を超える皇統がなぜ男系男子によって継承されてきたのか、天皇の祭祀のお務めがなぜ男系男子によって受け継がれてきたのか、天皇はなぜ「祭祀王」とされてきたのか、「祭祀王」とは何か、が理解できなかったのでしょう。理解しようともしなかったのではありませんか。現代的に解説できるアカデミズム、議論を喚起するジャーナリズムの不在も影響しています。


以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります


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