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話題 台湾で初の天皇記念日祝賀会。北京政府が再三抗議 [天皇・皇室]

以下は「神社新報」(平成15年12月15日)からの転載です


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話 題
台湾で初の天皇誕生日祝賀会
──北京政府が再三抗議
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 天皇誕生日に在外公館などで開かれる祝賀会をめぐって、二つの難題が浮上してゐる。一つはテロへの警戒から各国日本大使館での祝賀会中止が相次いでゐること、もう一つは台湾で初めて予定される祝賀会開催に北京政府が圧力をかけてゐることだ。

 後者は、日本の対台湾交流機関・ザ交流協会の台北事務所が初めて企画し、親日家の李登輝前総統を招待したところ、北京の中国政府が反撥、再三、開催中止を求めてゐるとされる問題だ。

 昭和四十七年の日中共同声明で、「日本政府は中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認」「中華人民共和国政府は台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明。日本国政府はこの中華人民共和国政府の立場を十分理解」した。

 これによって日台関係が断絶、以来、台北には日本大使館はない。代はって実務レベルで交流関係を維持する窓口の役割を担ってきたのが同協会で、同年末、外務省と通産省によって認可・設立された。

 「台湾が重要課題」

 正式な国家関係は断たれたが、日台関係は当時よりはるかに密接になってゐる。台湾に進出してゐる日系企業は約千五百社を超え、在留邦人も一万五千人を上回る。このため在留邦人などから「祝賀会開催」を要望する声が高まり、今年初めて開催されることになったといふ。

 李前総統をはじめ台湾の政財界関係者に招待状が出された一方で、北京への配慮から陳水扁総統などは招待されなかったが、北京政府関係者は「祝賀会の開催は日本の国家的行為。開催しないで欲しい」と申し入れたと伝へられる。

「以前から民間人の会合の場合でさへ、壇上に並ぶ各国国旗に台湾の青天白日旗を認めると、中国の代表者はさっと席を立ってしまふ」(NGO関係者)くらゐだが、今夏、北京で開かれた平和友好条約締結二十五周年の祝賀会で、温家宝首相は福田康夫内閣官房長官に「とくに歴史と台湾問題に善処し」と語り、いはゆる歴史問題とともに台湾問題が重要課題であるとの認識をあらためて示してゐる。

 独立志向が強まる

 ときあたかも温首相は七日から胡錦濤政権発足後初の訪米の途にあるが、中国側は、亀裂が深まる貿易問題と並んで、「台湾問題は中米関係の重要問題」(外務省報道官)と位置づけ、「一つの中国政策の維持」を米国に求め、米国側も中台関係の現状維持の立場を表明してゐる。

 十一月上旬、台湾が南太平洋の島国キリバスと国交を樹立したとき、中国は「なりふり構わぬ妨害工作」を展開したといふ。同国には中国の宇宙観測基地があり、大統領は華僑の血筋。だが外向的には米国寄りとされる同国への猛烈な外交攻勢は、北京政府の強い苛立ちを示してゐる。

「中華民国」から「台湾」に国名変更を呼びかける正名運動が台湾独立派によって展開され、同じ十一月には憲法改正に関する住民投票実施法案も可決された。陳総統は来年三月の総統選に合はせて主権を問ふ住民投票を実施する意向を発表してゐる。

 台湾海峡の波が高まる中で、日本の対中外交戦略が再び問はれてゐる。
 

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