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歴史の全体像が見えない韓国 [日韓関係]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」からの転載です


 韓国は明日3日から竹島周辺で海洋調査を実施すると伝えられています。日本政府はたびたび中止を要請しましたが、韓国政府は聞く耳を持たず、潘基文外相は「韓国の正当な権利であり、日本が中止を要求することはできない」と反論しています。

 そればかりか、盧武鉉大統領は「挑発」しているのは韓国ではなく日本である、という考えで、日本の「挑発」に対応する「戦力」を備えることが重要だと語っています。これに対して、逆に日本側は「韓国調査船の拿捕はしない」(石川裕巳海上保安庁長官)と、最初から腰が引けています。

 なぜ韓国はこうも強硬なのでしょうか。疑問を解くカギは潘外相の発言です。同外相は5月上旬、日本の塩崎恭久外務副大臣と会談した際、「日本は独島(竹島)問題の背景にある歴史的な根源を直視していない」と語っています。

 つまり韓国側の主張では、竹島問題は日本の「過去」、すなわち日本による植民地支配のシンボルとされています。しかしそのような見方は正しいのでしょうか。

 終生、日韓問題に強い関心を持ち続けた神道思想家の葦津珍彦(あしづ・うずひこ)は、日韓国交正常化の直後、20年ぶりにソウルを訪れ、「反日」に凝り固まっている韓国の若者たちと、長時間にわたる話し合いの場をもったことがありました。

 案の定、若者たちの歴史の知識は偏っていました。日朝が対立する近代史は知っているのですが、李朝内部での対立はよく知らない。「抗日」烈士の活躍は詳しく知っているのに、反日戦線内での思想的対決についての知識は乏しい。憎むべき日本人の存在については詳細な知識を持ちながら、好ましい日本人の存在は知らなかったのです。

 原因のひとつとして考えられるのは、ハングル教育です。若者たちは漢字だらけの戦前の文書が読めないのです。知識が不足するのは当然でした。

 たとえば、ハングルの創始者である世宗大王についての知識は豊富なのに、近代になってハングルが市民権を得るのに果たした福沢諭吉の役割を知るものはいません。朝鮮近代化の先覚者である金玉均の亡命・暗殺は、日本に見捨てられた、という理解がもっぱらで、終始、同情と援助を惜しまなかった福沢や頭山満の存在は知りませんでした。

 結局、日本は非道だ、という知識ばかりが肥大化し、内省がない。すでに独立を回復したというのに、精神はいつまで経っても植民地状態のままで、日本という物差しでしかものが見えないのです。

 葦津は韓国の若者たちにこう呼びかけたそうです。「諸君は外国権力の責任を追及するが、外国が非道だから国が亡びざるを得ない、というのではそもそも独立を保てない。むしろ諸君は朝鮮内部の亡国理由をするどく直視すべきではないか」

 盧武鉉大統領は先月25日、朝鮮戦争開戦56周年の演説で、秀吉の朝鮮出兵にさかのぼって「受難の民族史」を強調しました。悪いのは外国だ、という相も変わらぬ発想です。韓国初の「戦後世代」の大統領はもしかして、漢字で書かれた韓国の歴史を読めない、読んだことがない、だから歴史の全体像を知らない、ということなのではありませんか。

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