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本州最北端で行われる日台融和の祭 [神社神道]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(平成19年8月2日木曜日)からの転載です


 昨日づけのメールマガジン「台湾の声」が、先月の「海の日」に青森県大間町の稲荷神社で行われた「日台融和の祭典・天妃祭」についてリポートしています。
http://www.emaga.com/info/3407.html

 大間町といえば、本州最北端に位置し、グルメたちにとっては知らぬ者のいない「大間マグロ」の産地です。その大間町に、NHKのテレビ小説「私の青空」の舞台にもなった大間稲荷神社があり、同じ社殿に「天妃(てんぴ)様」がお祀りされています。天妃様は航海安全・漁業の神様で、台湾でもよく知られた神様であることから、お祭りには台湾の日台交流会や李登輝友の会のメンバーも参列し、日台の民間交流の場となっているのだそうです。

 天妃様は台湾や福建省、広東省では媽祖(まそ)とよばれる道教の神です。もともと中国の宋代、福建省に実在した女性で、神通力に優れ、生前から生き神様のように崇敬されたようです。父親をさがしに船出して遭難し、媽祖島に遺体が打ち上げられたことが、媽祖島の由来ともいわれます。また、マカオの地名は媽祖を祀る媽閣廟に由来しているようです。

 天理大学の藤田明良教授によると、沖縄では琉球王朝時代に天妃宮などが創建され、鎖国後の長崎にも中国人によって天后堂が建てられました。東日本の茨城県那珂湊や青森・大間に天妃神社が建てられたのは徳川光圀が招いた中国僧の影響といわれているようです。

 大間に天妃様が祀られるようになったは、江戸初期、大間の名主・伊藤五右衛門が海で遭難したとき、天妃様に助けられたことから、那珂湊から分霊を勧請し、屋敷神として祀ったのが始まりといいます。五右衛門の海難事故は江戸後期の博物学者・菅江真澄の紀行文にも載っているそうです。

 遷座三百年の平成8年から大間町では大漁祈願祭・天妃様行列がにぎやかに執り行われています。

 日本の神社には人霊を祀る神社が少なくありません。そのなかで外国人の祭神を祀る神社も各地に知られていますが、その多くは朝鮮半島に由来しており、中国人女性で道教の神様を祀る神社はかなり珍しいものと思われます。

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