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温暖化時代に生き残るイセヒカリ [イセヒカリ]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(平成18年12月6日水曜日)からの転載です

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 農水省はきのう、今年度産米の作況指数を「やや不良」の96と発表しました。収穫量は854万6000トンです。「平成の米騒動」を招いた平成5年の凶作(作況指数90)に次ぐ不作と伝えられます。北海道は天候に恵まれて105の豊作でしたが、九州地方では台風の影響で歴史的な凶作となっています。とくに佐賀は49、長崎は68、戦後最悪でした。
http://www.maff.go.jp/tokei.html

 こうしたなかでも、平成の御代替わりに伊勢神宮の神田で発見された驚異の米イセヒカリは、病害虫に強く、環境の変化にも耐えるという特性を遺憾なく発揮したようです。

 当初からこの米に注目し、10年にわたって栽培をすすめてきた埼玉県熊谷の農家によれば、7月は日照不足、8月は逆に高温になり、県の奨励品種であるキヌヒカリなどは高温障害で病気に悩まされ、10アールあたり4〜5俵(1俵=60キロ)の収穫しかなく、品質も悪かった。けれども、イセヒカリは防除もしなかったが、品質は例年より劣るものの、収量は8俵を超え、くず米も少ない──と語っています。埼玉の作況指数は94でした。

 猛暑の夏を無防除で乗り切れたのは、イセヒカリが熱帯ジャポニカの遺伝子を持っているといわれていることと関係があるのでしょうか。

 その点、イセヒカリの育ての親ともいわれる元山口県農業試験場長の岩瀬平さんが、このところの不作について、地球の温暖化の影響を指摘していることは注目されます。

 山口の作況指数は90。今年の夏は熱帯夜が23日間、続く未曾有の酷暑でした。当然、稲もこの暑さでは消耗します。しかしイセヒカリはそうではなかったのです。9月にはカラ台風の13号が襲い、沿岸地方に塩害をもたらしました。瀬戸内地方では反収2〜3俵というところもあります。もっとも被害を受けたのが佐賀県の平坦部でした。

 ある気象学者によれば、今年は2100年の気象構造に似ている、と分析しているようです。地球の温暖化は確実なものとなっている。西日本の稲作は今後、その影響をもろに受けることになり、イセヒカリをのぞけば、今のままでは生き残れない、ということになります。農家から悲鳴が聞こえてくるのは当然です。

タグ:イセヒカリ
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