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世界を知らないアメリカの若者たち [アメリカ]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」からの転載です。


 共同通信が、アメリカの雑誌「ナショナル・ジオグラフィック」などが発表した調査結果を伝えています。タイトルは「日本の位置、半数分からず、米国の18-24歳調査」となっています。
 http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack/CN2006050301000226_Lifestyle.html

 記事によると、日本の位置を地図上で正確に示せたのは49パーセントで、中国については69パーセント、インドは53パーセントでした。

 これだけ読むと、日米関係がこれだけ深まっているのに、アメリカ人は日本を知らない、という調査のように見えますが、そう考えるのは早計です。

 朝日新聞は、「米国の若者、イラクの位置正解37パーセント」という記事になっています。
 http://www.asahi.com/international/update/0503/006.html

 中東の白地図を示して、イラク、サウジアメリカ、イスラエル、イランの4カ国の位置を、4カ国とも正しく答えられたのは14パーセントにすぎず、44パーセントは1カ国も正しく答えられなかったというのです。

 要するに、世界の地理の知識が低い、ということなのか、というと、それだけでもないようです。

 もともとの調査結果は、「National Geographic」のサイトからダウンロードできます。
 http://news.nationalgeographic.com/news/2006/05/0502_060502_geography.html

 これによると、2003年のイラク進攻以来、毎日のようにニュース報道があるのに、63パーセントの若者はイラクの位置を知らず、地震、津波による深刻な被害が伝えられたあとだというのに、4人のうち3人はインドネシアがどこにあるのかを知らないということのほかに、インドネシア国民の多くがイスラム教徒であることを、アメリカ人青年の75パーセントは知らない、というのです。

 こうなってくると、単なる地図上の知識だけでなく、世界を一極支配する超大国アメリカの次代をになう若者が、空恐ろしいことに、世界をほとんど知らないらしい、という実態が浮かび上がってきます。

 これは共同通信が伝えるような、「日本の位置を知らない」どころではありません。ついでにいえば、共同通信の配信記事は日本国内向けの視点から調査結果を解釈しているわけで、その意味ではアメリカの若者と同様に世界的視野が欠けています。

 それはともかく、調査によると、アメリカの若者は、中国の人口がアメリカの人口に比べてどれだけ大きいかを知らず、74パーセントは、世界でもっとも使用人口の多い言語は中国語などではなく、英語だと信じているというのです。

 半数がニューヨークの位置が分からない、などというのは、お笑いだとしても、アメリカの若者の多くが自国中心で、これほどまでに世界のことを知らないという事実は、ただただ驚くばかりです。

 そういう国がよその国や、世界中のことに、深くコミットして、大丈夫なんでしょうか。

 しかしアメリカばかりを批判することはできないでしょう。戦前、日本と中国の対立が激化していったとき、文官養成の最高機関である東京帝国大学法学部に中国語のできる中国研究者はいなかったという事実があるからです。日本人の中国観は偏り、時として正確な知識もなしに中国を蔑視していたといわれます(城野宏『祖国復興に戦った男たち』など)。

 いまだって大して変わらないのは、共同通信の内向きの記事が証明しています。
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