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70年前の神社の棟札が見つかった [神社神道]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(平成19年6月20日水曜日)からの転載です

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70年前の棟札が見つかった──京都・福知山の島田神社
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 京都・福知山の地方紙「両丹日日新聞」が、国の重要文化財とされている市内の島田神社の棟札が見つかった、という記事を書いています。
http://www.ryoutan.co.jp/news/2007/06/19/001932.html

 福知山といえば、明智光永の居城・福知山城で知られますが、島田神社はそれより古く、室町後期、文亀2(1502)年の創建と伝えられ、いまはちょうど平成の大改修が進んでいます。

 本殿修理事務所に聞いてみたところ、今回、「発見」されたのは、昭和9年に本殿を覆う覆屋(おおいや)の改修が行われたときの棟札なのだそうです。工事に関わった宮大工の名前を記した棟札はたいていは屋根裏に納められますが、この神社の場合、社務所に保管され、今回、その存在が確認されたのでした。

 神様が鎮まる神社の本殿ですから、棟梁たちは持てる技術を十二分に発揮して工事に携わります。その名前を記録した棟札は人の目に触れないところに納められ、したがって、今回がそうであるように何十年も、あるいは何百年も経ったあとでないと職人の名が分からないことがしばしばです。大工たちがいい仕事をすればするほど、社殿は長持ちするからです。

 仰々しく名前を残すのではなく、寡黙に仕事を残すのが職人の心意気であり、古き佳き日本人の感性なのでしょう。

 何百年もの時を経て、発見される棟札ですから、期せずして歴史を塗り替える場合もあり得ます。

 鹿児島県・大口市の八幡神社は12世紀の創建と伝えられる古社で、国指定の重要文化財ですが、それ以上にこの神社が知られるのは、昭和30年の本殿解体修理中に発見された墨痕鮮やかな棟木札の落書きです。

 そこには

「ドケチの施工主が焼酎を呑ませてくれなかった」

 という宮大工のグチが書いてあったのでしたが、神聖な神社の棟木札としてはじつにありがたくない内容ながら、「永禄2年(1559)」の日付から室町後期に日本に焼酎が存在していたことを立証することとなりました。

 従来の通説は、文献上、「焼酎」が使われ出したのは江戸初期とされていましたから、八幡神社の棟木札は俄然、関心を集め、歴史を塗り替えたのです。

 もっとも宮大工たちには歴史を書き換えるつもりなどなかったでしょう。ケチであることが後世の人にまで知られてしまった施主にとっては、落書きの発見は災難でした。

 大口市といえば、「幻の焼酎」伊佐美の蔵元があることで知られます。今夜は美味しい焼酎でも一献、いかがでしょうか。

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