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62回目の終戦記念日 [靖国問題]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(平成19年8月15日水曜日)からの転載です

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 今日は62回目の終戦記念日です。国に一命を捧げた戦没者にあらためて哀悼の意を捧げたいと思います。

 さて、内外のメディアは閣僚の靖国神社参拝について、相変わらず熱心に報道しています。たとえば、お隣韓国の中央日報はおととい、閣僚たちが不参拝を表明したことを社説で取り上げ、靖国神社は

「軍国主義を崇尚(ママ)する代表的宗教機関」

 と決めつけたうえで、閣僚参拝の「永久中止」を訴えています。

 200万部を売り上げるというこの新聞は、今回の参拝見送りの背景について、慰安婦を否認し、平和憲法改正を推進してきた「代表的右派」の安倍首相が、アメリカ下院からは慰安婦問題の謝罪を要求され、さらに参院選では惨敗して、窮地に追い込まれ、韓国・中国との関係改善に迫られた結果と分析しています。

「日帝」が「敗亡」して62年だが、日本政府は謝った歴史の傷を癒すことを怠っている。アメリカ下院の謝罪要求決議のあとも謝罪をしていない。歴史の隠蔽・歪曲は日本の大きな損失であり、日本が尊敬される国になるには、靖国参拝放棄を永久に続けるべきだ──と主張しています。

 しかし、靖国神社はけっして軍国主義の神社ではありません。「正論」9月号掲載の拙文「靖国問題を問い直す9つの視点」に書きましたように、戦前、30年にわたって靖国神社の宮司を務めた賀茂百樹が最晩年に訴えていたのは、通俗的歴史理解とはまったく異なって「平和」です。

 安倍首相は慰安婦を否認したのではなく、「強制連行」説を否定しているだけでしょう。日本政府が謝罪をしていないというのも、事実ではありません。また自民党の憲法改正案は、現行憲法と同様に、平和主義を掲げています。つまり、歴史を隠蔽・歪曲しているのは、安倍政権や日本政府ではなくて、むしろ中央日報自身でしょう。客観性の不十分な報道はジャーナリストとしての良心を疑わざるを得ません。

 先の戦争中、朝鮮半島の人たちは「被害者」どころか、もっとも協力的な戦友でしたが、この社説のように、

「日本に国を奪われた」
「強制的に名前を変えさせられた」
「強制連行された」

 という批判が圧倒的に目立ちます。

 しかしそうではない「元日本人」もいます。たとえば台湾人元日本兵・鄭春河さんはその筆頭でした。

 数年前、靖国神社のお祭りの日、直会(なおらい)の弁当に箸をつけようとしていたとき、見ず知らずの私に親切にもお茶をもってきてくれた方がいました。横に並んで、

「どちらから?」

 と聞くと、

「台湾から」との答え。それが鄭さんでした。

 戦争が始まったときは21歳。第一回陸軍特別志願兵に合格し、南方戦線で聞きしにまさる苦労をされたそうです。しかし恨みなどはなく、それどころか50年以上たってもなお「日本国民であった誇り」を持ち続け、逆に日本人こそ「誇り」を回復すべきだ、と訴える小冊子を同憂の日本人に送り続けてきたのでした。「日本人以上の日本人」と呼ぶ人もいるほどです。

 その鄭さんもいまでは戦友たちと同じ鬼籍の人です。
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