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キリシタン灯籠、温暖化、教科書検定。 [天皇・皇室]

以下は旧「斎藤吉久のブログ」(平成19年11月6日火曜日)からの転載です


◇先月から週刊(火曜日発行)の「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンがスタートしました。
今日発行の第4号のテーマは「女性天皇を認めなかった明治の皇室典範」です。
http://www.melma.com/backnumber_170937/

「軍事情報」にも紹介されました。ありがたいことです。
http://blog.mag2.com/m/log/0000049253/109083417.html

宮崎正弘先生の「国際ニュース・早読み」にも取り上げていただきました。
http://www.melma.com/backnumber_45206_3875805/



〈〈 本日の気になるニュース 〉〉


1、「日本海新聞」11月6日、「キリシタン灯籠守り切る。半世紀ぶり聖神社へ」
http://www.nnn.co.jp/news/071106/20071106003.html

 鳥取市の聖神社にあったキリシタン灯籠。江戸時代には隠れキリシタンの信仰の対象だったが、戦後の混乱期、県外に売却されようとしていた。それを身銭を切って守った中学校の校長がいた。それから半世紀、灯籠は自宅の庭に置かれていたが、今週、神社に戻るのだそうです。


2、「ロイター」11月5日、「チベット自治区、温暖化影響で多くの人が睡眠中に鼻血」
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-28714820071105

 新華社通信によれば、温暖化の影響による極度の乾燥で、鼻血を出して目が覚める人が多いのだそうです。

 どういう因果関係なのでしょうか。


3、「沖縄タイムス」11月5日、「4社『軍の強制』明記、教科書検定」
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200711061300_02.html

 沖縄戦の集団自決に関する高校日本史の教科書検定で、「日本軍の強制」を削除する検定が行われたことについて、「強制」を盛り込んだ、5社7冊の訂正申請が出揃うのだそうです。

 先般、当ブログ(メルマガ)の読者の方から

「『軍の強制』には、どういう史的根拠があるのか、疑問に思っています。事実はどうだったのでしょうか?」

 というおたずねをいただき、遅ればせながら、都内の図書館で調べてまいりました。

 結論からいえば、教科書には根拠は示されていません。ただ、「先生の虎の巻」である「教授資料(指導資料)」の一部にそれらしいことが示されていましたのでご紹介します。

 ご承知の通り、現在使用中の日本史の教科書は、強制性を認める記述がされています。

 たとえば、脇田修・大阪大学名誉教授や大山喬平・大谷大学教授らが執筆・編修した実教出版の「日本史B」(平成15年4月2日検定済)は、「第12章 15年戦争と日本」の「敗戦」という項目で、本土空襲、硫黄島陥落に続けて沖縄戦について言及し、

「日本軍により、県民が戦闘の妨げになるなどで集団自決に追いやられたり、幼児を殺されたり、スパイ容疑などの理由で殺害されたりする事件が多発した」(335頁)

 と記述しています。

 ところが、同じ筆者らによる教科書が、白表紙本では、15年度検定と同じ表現だったものが、

「沖縄戦の実態について、誤解するおそれのある表現である」

 という指摘を受け、

「県民が日本軍の戦闘の妨げになるなどで集団自決に追いやられたり、日本軍により幼児を殺されたり、スパイ容疑などの理由で殺害されたりする事件が多発した」(349頁)

 と修正されたのでした。

 このように修正意見を付された教科書は5社7冊あります。これもすでに知られているところです。

 この検定の撤回を求める運動が政治化し、訂正申請が行われたわけですが、「強制」の歴史学的な根拠はどこにあるのか、残念ながら教科書には示されていません。

 そこで指導資料をひもといてみました。検定中の教科書はまだ指導資料はありませんので、当然、現行教科書の指導資料です。

 興味深いことに、集団自決について記述のない指導資料が少なくありません。強制性を断定していない指導資料もありました。

 たとえば、『日本史A 現代からの歴史 指導資料』(同編集委員会、東京書籍編集部編、東京書籍)は、188頁で「沖縄戦」の「犠牲者」について触れ、こう書いています。

「……県民の犠牲は米軍の攻撃だけでなく、日本軍による場合もあった。住民が避難していた壕や墓を日本軍が占拠しようとして命令に従わない者を殺害したり、泣き声が米軍に発見される原因になるとして乳幼児を刺殺するなど、各地で日本軍による県民虐殺が行われた。……女子や子供を中心とした集団自決事件も起きた。米軍に対する恐怖心や絶望から死を選択する人々もいたが、半ば軍に強制された集団自決もあった」

「半ば軍に強制」という表現は、「強制」と断言することを避けているようにも見えます。

「強制」を全面に出しているのは、宮原武夫、石山久男『高校日本史B指導資料、授業ノート』(実教出版)と『高校日本史B 指導資料』(実教出版編集部編)です。

「授業ノート」は資料を使った授業のモデルを提示し、

「集団自決はなぜ起こったのだろうか。資料1から防衛庁の資料の言い分と金城さんの証言との違いをまとめてみよう」

 という「発問」をかかげ、

「①『自決』だから自主的に行われたようだが、実際は日本軍の命令で自害させられた。②米軍に捕まると惨殺されると信じ込まされていた。だから、苦しませて死なすよりは自分たちの手で肉親を殺した」

 と「強制」を明確に表明し、さらに

「沖縄では『集団自決』に対し、実際は『集団強制死』といった方が適切である、という指摘もされている。その凄惨な実態を資料から読みとらせたい」

 と続けています。

 それなら「強制」の根拠は何でしょうか。「授業ノート」はそれらしいものが見当たりません。根拠が示されているのは「指導資料」です。

「指導資料」は補充資料として、『沖縄修学旅行』(高文研)を引用し、「集団自決はなぜ起こったか」について、

「防衛庁編集の戦史『沖縄方面陸軍作戦』の中には、……『犠牲的精神』から『集団自決』は起こったという」

 とあるけれども、

「金城重明・沖縄キリスト教短期大学教授の証言意見書から引用する。……島に駐屯する軍から『自決命令』が出され、そのため手榴弾が配られた……」

 として、軍の主張を金城教授の証言を根拠として否定するのでした。

 とすれば、金城教授の証言が歴史的根拠として十分なのかどうか、が問われることになります。


 以上、本日の気になるニュースでした。


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