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「国立追悼施設」化する千鳥ヶ淵墓苑 [靖国問題]

以下は「斎藤吉久メールマガジン」からの転載です

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「国立追悼施設」化する千鳥ヶ淵墓苑
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 先日、千鳥ヶ淵戦没者墓苑で厚労省が主催する拝礼式が行われ、新たに629柱の遺骨が納骨されたと伝えられます。
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 高円宮妃殿下が出席され、福田首相ほか政府関係者、遺族関係者が出席してそれぞれ献花し、桝添厚労相が式辞を述べたようです。

 靖国神社に代わる、国立の追悼施設を建設する、という議論がすっかりカゲを潜めている状況で、この千鳥ヶ淵墓苑がいわば、なし崩し的に国立施設の役割を果たし、既成事実化しているように見えます。

 しかしそれには大きな矛盾があります。つまり、いわゆるA級戦犯の問題です。同墓苑は概念的にA級戦犯を追悼対象としていますから、靖国神社に代わりようがありません。しかし、そのことは見て見ぬふりがされています。


▽1 靖国神社に代わる国立施設

 国立の無宗教の恒久施設が必要だ、とする報告書をまとめた追悼懇が設置されたのは、ほかならぬ福田首相が内閣官房長官時代だった、7年前の平成13年です。

 同年夏に小泉首相が靖国神社に参拝し、中国、韓国から激しい反発を呼んだのがきっかけでした。誰でも「わだかまり」なく、戦没者に追悼の誠をささげられる施設の在り方を議論することを目的に、福田長官の諮問会議が設置されたのです。

「わだかまり」の核心は、要するに靖国神社に祀られているA級戦犯問題でした。そして福田長官の諮問会議は、靖国神社に代わる国立施設の建設を提案したのですが、その後は棚上げされています。

 しかし現実において、靖国神社に代わる施設はマスコミにしばしば登場しています。1つは防衛省のメモリアル・ゾーンであり、もう1つがこの千鳥ヶ淵墓苑です。


▽2 A級戦犯も追悼の対象

 明治以来、靖国神社が国家的追悼施設の中心的存在であることは間違いありませんが、A級戦犯を祀っていることにおいて、国家的施設として相応しくないからといって、千鳥ヶ淵墓苑がそれに代わりうるか、といえば、否です。

 なぜなら、引き取り手のない遺骨を収める納骨施設である千鳥ヶ淵墓苑は、時代的には「支那事変以降」という限定的な戦没者が対象とされ、墓苑での追悼式は、政府の収納遺骨によって象徴される支那事変以降の戦没者に対して行なうもの、とされているからです。

 つまり概念上、戦争状態が続いている、サンフランシスコ講和条約発効以前の、戦争裁判による法務死を公務死と認めているのが日本政府の立場だとすれば、千鳥ヶ淵墓苑の追悼式がA級戦犯を追悼の対象としていることは明らかです。


▽3 要は靖国神社はずし

 少しでも事情を知る人なら、そんなことを百も承知のはずのですが、A級戦犯を祀る千鳥ヶ淵墓苑に首相は参拝するな、とは誰もいいません。

 千鳥ヶ淵墓苑だけではありません。政府が主催する終戦記念日の全国戦没者追悼式も同様です。

 それはなぜか、といえば、要するに、問題の核心がA級戦犯にあるのではなくて、靖国神社外しにある、ということでしょう。

 官僚たちのやり方は手が込んでいます。高円宮妃殿下にご出席をたまわったのは、反対封じではないか、とも疑われます。皇族が参列されれば、国民としては、公然と反対の声を上げることがはばかれるからです。戦没者追悼式も同様です。


▽4 いまこそ本格的な議論を

 明治以来、戦没者追悼の中心的な施設といえば、靖国神社以外にはありません。自国の宗教的伝統から生まれ、日々、追悼の誠を捧げている施設として、靖国神社より古いものは世界にはありません。

 靖国神社はどうあるべきか、いまこそ本格的な議論が求められています。


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