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「靖国参拝しない」野田新首相の論理破綻──「国際政治などを総合判断」ではなく「党内政治に配慮」!? [靖国問題]

以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジン(2011年9月4日)からの転載です

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「靖国参拝しない」野田新首相の論理破綻
──「国際政治などを総合判断」ではなく「党内政治に配慮」!?
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 野田内閣が発足しました。野田首相は「在任中、靖国神社を参拝しない」と表明しました。

 野田首相は6年前の平成17年10月、靖国神社に社頭参拝した小泉首相に対して、「戦犯」についての認識などについて、質問主意書を提出しています。それは靖国参拝を批判するのではなく、不甲斐ない小泉参拝の尻を叩く内容でした。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a163021.htm

 質問主意書は、その前文で、小泉首相は「A級戦犯」を「戦争犯罪人という認識をしている」と述べているが、そのような認識では、靖国神社参拝を軍国主義の美化と見なす論理を反駁できない、と厳しく批判しています。

 そのうえで、すべての「戦犯」は平和条約と国会決議などによって、すでに名誉回復されているのだから、「A級戦犯」はもはや戦争犯罪人ではないのであり、「戦犯」合祀を理由とする首相参拝に反対する論理は破綻している、と野田氏は指摘しています。

 さらに、元「A級戦犯」に対する法的誤認、社会的誤解を放置することは人権侵害であるとまで述べ、「A級戦犯」に対する認識を再確認することが、人権と国家の名誉を守るために緊要である、と主張するのでした。

 とくに、質問「一 『戦犯』の名誉回復について」の「6」は、「すべての「A級戦犯」の名誉が国内的にも国際的にも回復されているとすれば、東條英機以下14名の「A級戦犯」を靖国神社が合祀していることにいかなる問題があるのか。また、靖国神社に内閣総理大臣が参拝することにいかなる問題があるか」と迫っています。

 保守政治家・野田佳彦の面目躍如たるものがあります。

▽1 質問主意書はパフォーマンスか

 ところがです。首相の椅子に座ることになった野田氏は完全にトーンダウンしています。

 不参拝表明の理由は、記者会見で語ったところによれば、「国際政治などを総合判断することが必要だ」ということにあるようです。

 これは筋が通りません。

 6年前の質問主意書は、既述したように、じつに論理的でした。

 中国・韓国が首相の靖国参拝に反対するのは、靖国神社には「A級戦犯」が祀られている、したがって靖国参拝は軍国主義美化の現れである、と理解するからだ。しかし戦争犯罪者はすでに名誉回復しているのであり、靖国参拝反対の論理は破綻している。「A級戦犯」の認識を再認識すべきだ、と野田氏は主張しています。

 この論理に従うなら、野田首相は、中国・韓国に対して、「A級戦犯」の人権と国家の名誉を守るために、「A級戦犯」の認識を再確認し、粛々と靖国神社に参拝すべきでしょう。

 そうでなければ、質問主意書は単なるパフォーマンスだったのか、と疑わざるを得ません。

▽2 「政府の立場」なら参拝するのが筋

 もうひとつ、質問主意書で「A級戦犯は戦争犯罪人ではない」と指摘したことについて、野田首相は、「政府の立場なので、政府の答弁書を踏まえて対応するのが私の立場だ」と説明したとメディアは報じています。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819481E2E0E2E7EB8DE2E0E2EBE0E2E3E38297EAE2E2E2;at=ALL

 これも変です。野田氏の質問主意書に対して、小泉首相は次のように答えているからです。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b163021.htm

 つまり、首相の靖国神社参拝について、

(1)内閣総理大臣が私人の立場で靖国神社に参拝することは合憲である。
(2)内閣総理大臣が靖国神社に公的に参拝することも、国民や遺族の多くが、靖国神社を我が国における戦没者追悼の中心的施設であるとし、靖国神社において国を代表する立場にある者が追悼を行うことを望んでいるという事情を踏まえて、もっぱら戦没者の追悼という無宗教目的で行うものである。
(3)その際、追悼を目的とする参拝であることを公にするとともに、神道儀式によることなく追悼行為としてふさわしい方式によって追悼の意を表することによって、宗教上の目的によるものでないことが外観上も明らかである場合には、国の宗教的活動に当たることはないと考える、

と説明しています。

 野田氏が政府の立場にあるとするなら、この答弁書に従って、堂々と参拝するのが筋でしょう。

 野田首相が靖国不参拝を表明したのは、あるいは表明せざるを得なかったのは、「国際政治などを総合判断」したからではなく、「党内政治に配慮」した結果ではないのでしょうか。

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