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所功教授以前の提案者 ──「女性宮家」創設の本当の提案理由 2 [女性宮家創設論]

以下は「誤解だらけの天皇・皇室」メールマガジンからの転載です


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所功教授以前の提案者
──「女性宮家」創設の本当の提案理由 2
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 以下は、拙著『検証「女性宮家」論議──「1・5代」天皇論に取り憑かれた側近たちの謀叛』からの転載です。一部に加筆修正があります。


第1章 いつ、だれが、何のために言い出したのか?

第5節 「女性宮家」創設の本当の提案理由──政府関係者はきちんと説明すべきだ


▽2 所功教授以前の提案者
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 これまでの考察を簡単に振り返ると、私の第一の疑問は、議論の中味に統一性がない、概念が明確でない、ということです。皇位継承問題として議論としている論者がきわめて多いのですが、宮内庁関係者はそういう議論ではないと否定しています。

 これではまともな議論は不可能です。いつ、誰が、何の目的で「女性宮家」創設を言い出したのか、はっきりさせる必要があります。

 今回の議論のきっかけは、衆目の一致するところでは、平成23年11月、

「宮内庁が、皇族女子による『女性宮家』創設の検討を、『火急の案件』として野田首相に要請したことが分かった」

 と伝える読売新聞の「スクープ」です。

 しかし、当代随一の皇室ジャーナリスト、岩井克己朝日新聞記者(当時)によると、羽毛田信吾宮内庁長官は「女性宮家創設を提案したと報じられた」ことについて、「長官は強く否定している」のでした。

 岩井記者によれば、「女性宮家」創設の提案者は羽毛田長官ではなくて、渡邉允前侍従長なのでした。前侍従長は数年前から「私案」としてたびたび公言し、「週刊朝日」誌上の対談でも表明してきたと指摘されています。

 前侍従長の提案理由は「皇室の御活動」論でしたが、その後の「女性宮家」論議は、皇位継承問題に終始し、小泉内閣時代の皇室典範改正論議と同様、男系派と女系派の熱い議論がふたたび始まりました。

 というのも、最初に皇位継承問題としての「女性宮家」創設を訴える識者がいたからです。それは所功京都産業大学教授でした。

 小泉内閣時代、平成16年12月に設置された、「安定的で望ましい皇位継承」のための方策を追求する皇室典範有識者会議に招かれた所教授は、明確に「女性宮家」創設を提言しました。

 所教授の発言は、有識者会議の報告書を先取りする内容でしたが、報告書には「女性宮家」という表現はなぜか消えました。

 そして、たいへん興味深いことに、所教授はご自身が「女性宮家」創設の最初の提唱者であることを認めていません。

 じつは所教授以前に、たしかに「女性宮家」創設の提案者がいるのです。


以上、斎藤吉久『検証「女性宮家」論議』(iBooks)から抜粋。一部に加筆修正があります


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